艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

271 / 1101
さて、72話が終わりました

今回のお話は、アレンと愛宕の子供のお話です




73話 いたずら姫(1)

巨竜事件から一週間後…

 

ラバウル基地から連絡があった

 

「産まれたのか⁉︎」

 

《三日前に産まれたんだ‼︎うわっち‼︎》

 

どうやらアレンの子供が産まれたらしい

 

「その、何だ…後ろから聞こえる破壊音は…」

 

《子供が暴れてるんだよ‼︎いだだだ‼︎噛むな‼︎》

 

《アハハハハ‼︎》

 

聞いた事の無い笑い声が聞こえて来た

 

「たまには仕事抜きで行くよ‼︎あれから暇で暇で‼︎」

 

《頼む‼︎それと、子供をあやすのが上手い子を頼む‼︎》

 

アレンの声は明るいが、終始、破壊音は治らなかった

 

無線を切り、隊長の方に振り返った

 

「隊長‼︎ラバウルに行こうぜ‼︎子供が産まれたらしい‼︎」

 

「よし、行こう‼︎」

 

「子供をあやすのが上手い子を連れて来て欲しいらしい」

 

「子供をあやすのが上手い子か…武蔵と…」

 

「アレンに子供が出来たんですって⁉︎」

 

タイミング良く横須賀が来た

 

「丁度いいや、横須賀‼︎ラバウルに行こうぜ‼︎」

 

「当たり前よ‼︎隊長、行きましょう‼︎」

 

「ろ、ローマ‼︎基地を任せたぞ‼︎」

 

「分かったわ」

 

「武蔵‼︎着いて来てくれるか⁉︎」

 

「了解した‼︎」

 

「鹿島‼︎お前も行くぞ‼︎」

 

「はいっ、レイ‼︎」

 

「さ、行きましょ‼︎」

 

俺達四人は高速艇に乗り、ラバウルに向かった

 

「今日はタンカーじゃないのな」

 

「大湊に任せてあるの。何だかんだで、呉の一件を反省してるらしいわ」

 

「ははは…ポーラは仕方ないさ。あれでっ、案外可愛い所がある」

 

「それで話を戻すけど、アレンと愛宕の間に産まれた子は事実上、人間と艦娘の間に産まれた初めての子になるの」

 

「言われてみればそうだな」

 

確かに聞いた事が無い

 

武蔵も俺も、やる事はやっているが、ちゃんとゴムを使っている

 

何故か基地にはゴムが大量にあるので、それには困らない

 

しばらくすると、ラバウル基地が見えて来た

 

「相変わらず立派な滑走路だこと」

 

滑走路の横には格納庫が4つ並んでおり、三人の機体と、もう一つは非常、もしくは予備の倉庫だ

 

恐らく予備の倉庫は、アレンが工廠代わりに使っている

 

ラバウル基地に接岸すると、暁とおおいが港まで迎えに来てくれた

 

「大佐‼︎大変なんです‼︎早く‼︎」

 

「お、おぉ⁉︎」

 

隊長がおおいに手を引かれ、船から降りた

 

「レイさんも来て‼︎」

 

「ちょちょ‼︎ちょい待て‼︎」

 

俺も暁に手を引かれ、船から降りた

 

「おおい、暁。何を焦っている⁇」

 

「急ぐ気持ちは分かりますよっ‼︎」

 

武蔵と鹿島、そして荷物を抱えた横須賀も船から降りる

 

「焦るに決まってるでしょ‼︎」

 

暁の反論の仕方に違和感を感じた

 

いつもの暁なら、レディになりたくて焦らずに流暢に喋るはずだ

 

「そ…そんなにヤバいのかよ…」

 

「見て頂く方が早いかと‼︎さ、こちらです‼︎」

 

おおいと暁に案内され、五人はラバウル基地に入った

 

 

 

 

「うわぉ…」

 

破れたカーペット…

 

「ははは…」

 

壊されたオモチャ…

 

「何だこの惨状は…」

 

割れた食器…

 

五人の目に入ったのは、悲惨な状況だった

 

「産まれてまだ三日なのに、既に走り回ってます…」

 

「ヤバいぞ。想像以上に厄介な相手だ…」

 

「アハハハハ‼︎」

 

二階から笑い声が聞こえた

 

「ま、待って‼︎そっちは階段があるから危ないよ‼︎」

 

健吾の声も聞こえた

 

どうやら健吾は、誰かを追い掛け回しているみたいだ

 

「JAMP‼︎」

 

「ああああぁぁぁ‼︎‼︎‼︎」

 

健吾の悲鳴が聞こえた時点で、俺と隊長は顔を見合わせて無言で頷き、階段を駆け上がった

 

「健吾‼︎」

 

「れ…れ''いざん…」

 

開けっ放しの部屋に、健吾がへたり込んでいた

 

健吾は俺に抱き着き、胸に顔を埋めた

 

「どうした⁉︎何があった⁉︎」

 

「アレンの子供は…アレンも…隊長も、俺にも手に負えないんです…後は貴方達だけが頼りで…す…」

 

そのまま健吾は気絶してしまった

 

部屋にあったベッドに健吾を寝かせ、部屋を出た

 

「提督よ、何が起こっている⁉︎」

 

「分からん…」

 

「BAN‼︎BAN‼︎」

 

「や、やめるんだ‼︎」

 

今度は下から声がする

 

ラバウルさんの声だ

 

「レイ‼︎」

 

「行こう‼︎」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。