艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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10話 眠れる梟(3)

「ふふふ。単冠湾君、今度はコルセアの整備かい⁇」

 

「今見せて貰っていた所なんです︎」

 

「しかしまぁ…ホントに出来るとは思いませんでした」

 

「妖精が”プロフェッショナル”だからな」

 

”なんや、嫌味か⁇”

 

「褒めてんだよ」

 

「大佐、今度の大規模演習には参加されるんですか⁇」

 

「この基地では、自衛以外の攻撃はしない。敵であろうが、攻撃さえしなければ俺は受け入れる」

 

「なる程…それもまた基地の一種、ですね」

 

「大佐は最初からそのつもりでここに来たんですよ。ですが大佐…」

 

急に横須賀君が俺の肩を掴んだ

 

「会議には出席して頂きます」

 

笑顔で突き付けられた、数枚の書類

 

”海軍大規模演習時の注意事項”

 

と書かれていた

 

「分かった分かった…」

 

「単冠湾君、コルセアの事は三人の秘密だよ⁇」

 

「はい」

 

「では、私はこれで。ちゃんと書類に目を通して下さいよ⁇」

 

「分かった」

 

「では、私もこれで」

 

「いつでも来い」

 

二人が去り、私は一人、工廠で先程の書類に目を通していた

 

「大規模演習…ね」

 

出るつもりは、勿論無い

 

現に今だって、少しでも彼女達を戦わせてしまった事を後悔している

 

ここに居る間は、敵であろうが味方であろうが、戦いを忘れて欲しい

 

例え、その期間が短くても…

 

”何してんねや⁇”

 

机の上に、ゴーグルメットの妖精が一人

 

「考え事だよ」

 

”男の悩みやったら聞いたる”

 

「お前達は気にしないでいい」

 

書類を机に置いたまま、私は工廠を出た

 

「うぅ〜ん…」

 

太陽の陽を浴びて、大きく背伸びをしてみた

 

「う〜ん…」

 

足元では、いつの間にか居たたいほうも背伸びをしている

 

「パパ、きょうはみんなでえんせいにいこ⁇」

 

「俺もか⁇」

 

「うんっ︎!!」

 

「…仕方ない」

 

しかし、この前の一件で上がった洞窟が気になる

 

「たいほう、パパを洞窟に連れてってくれるか⁇」

 

「うんっ︎!!むさしもよんでくるね︎!!むさし〜︎!!」

 

たいほうは武蔵を呼びに、私ははまかぜを呼びに、食堂に向かう

 

「なんですか、提督⁇」

 

「お前も遠征来るか⁇」

 

はまかぜは少し考えた後、おたまを取り出した

 

「私はここで、ご飯の準備と掃除をしてます」

 

「そっか…任せたよ⁇」

 

「はい、提督」

 

「提督よ︎、準備出来たぞ︎!!」

 

「よし、じゃあ行こ…」

 

武蔵の高らかな声に振り返り、彼女を見た瞬間、吹きそうになった

 

「なんだ。なぜ笑う⁇」

 

「何だよ、その装備は︎!!はっはっは︎!!」

 

武蔵は腰に浮き輪を付け、顔にはシュノーケルをしていた

 

それも、艤装を全て外してまで

 

”提督、これが武蔵の今の装備や”

 

武蔵

 

 

 

うきわ

 

しゅのーける

 

特殊装甲ビキニ

 

 

 

「本当に…それで…はっ…行くのか⁇」

 

ダメだ

 

笑いが止まらない

 

「持って行かなければ後悔するぞ︎!!ほ、本当だからな︎!!なぁ、たいほうよ︎!!」

 

「うん。むさしのいうとおりだよ」

 

たいほうまで、武蔵と同じ格好をしている

 

「ま、でも、二人とも可愛げがあってイイよ」

 

「悪くないだろう⁇」

 

「れっつごー︎!!」

 

「行ってくるな」

 

「晩御飯までには帰って来て下さいね」

 

 

 

 

横須賀君、単冠湾君と、固い絆を結びました︎!!

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