艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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マジカルきそちゃん‼︎


照月の口を閉じろ‼︎ 第二部

「…」

 

食堂でコーヒーを飲みながら雑誌を見ていると、向かい側に照月が座り、アニメの雑誌を読み始めた

 

最近子供達が、日曜の朝にやっている新しいアニメを見始めた

 

それの特集本だ

 

フリフリの服を着た女の子が表紙に載っているのですぐ分かった

 

「わぁ〜」

 

わぁ〜‼︎と言う、わとぁの間位から口が開き始めて戻らなくなった

 

「お代わりいりますか⁇」

 

「プリンツ」

 

コーヒーのお代わりを持って来たプリンツを呼び、照月に目線をやった

 

「…閉めろ、と⁇」

 

「…バイ菌入ったり乾燥するからな…」

 

「…オッケー」

 

プリンツは照月に近付き、後ろから口元にクッキーを近付けた

 

照月はサクサクと音を立て、クッキーを食べて行く

 

そして食べ終わると開く口

 

「まだまだ‼︎」

 

もう一度やるも、食べ終わる度に口は開く

 

「くるみ割り人形みたいだ…」

 

プリンツがお手上げ状態になった‼︎

 

「くっ…難攻不落とはこの事か…」

 

「マジカルきそちゃん‼︎」

 

「まじかるたいほう‼︎」

 

テレビの前で、たいほうときそがフリフリの服を着て遊んでいる

 

「作ってみたの」

 

「グラーフ⁉︎ありがとうな」

 

二人の服を作ったのはグラーフみたいだ

 

「レイは年がら年中タンクトップでいいね。安くつく」

 

「冬んなったら革ジャン着てるだろ⁉︎」

 

「もうタンクトップ一丁で出撃しないでね。危ない」

 

「あぁ…ごめん」

 

そう言ってグラーフはポケットからクッキーを取り出し、照月の口に入れて席を離れた

 

「…」

 

「すてぃんぐれいよ‼︎たいほうは何処だ⁇」

 

「そこにいるだろ⁇きそと踊ってる」

 

「うぬ。そうか。たいほうと共に風呂に行ってくるから、提督に伝えておいてくれ」

 

「分かった」

 

武蔵は谷間からクッキーが入った包み紙を取り出し、それを剥いて照月の口に入れ、たいほうの所に向かった

 

「…」

 

照月は口の周りに粉をいっぱい付け、口をモゴモゴしながら雑誌を読み続けている

 

「レイ、兄さんがコレを」

 

「ん」

 

ローマから受け取った書類には”任務完了”との報告があった

 

「何だったの⁇」

 

「ここ一週間の夜間哨戒任務の結果さ。ラバウルとここで代り番…で…」

 

ローマら何処からか取り出したクッキーを照月の口に入れていた

 

「な…何なんだ⁉︎みんな照月の口に何か入れてくぞ⁉︎」

 

「こうしたら閉じるでしょう⁇ホラ」

 

照月を覗き込むと、確かに口を閉じていた

 

「はまかぜとグラーフが作って、カロリーも低くて美味しいのよ⁇しかもトラックさん監修」

 

「俺にも頂戴‼︎」

 

「はい」

 

ローマからビスケットを受け取り、包み紙を剥がして口に入れた

 

しばらく噛んでいると、後からほんのり甘さが来た

 

「…美味い‼︎」

 

「これなら照月に食べさせても安心よ」

 

「まぁ、これなら大丈夫だろうけど…」

 

問題は夕飯が入るかどうかだ

 

「酢豚と餃子です」

 

でた‼︎週一のはまかぜ中華‼︎

 

待ってました‼︎

 

完全に脂っこい物を食べられるのは、この中華の日しかない

 

幾つか餃子を食べ、適当に酢豚を取った後、ふと照月を見た

 

…バクバク食ってる

 

あれだけクッキーとか食ってたのに、まだ入るか

 

「ま、モリモリ食べるのは健康な証拠さ」

 

「ま、まぁな…」

 

隊長は逆に安心しているみたいだ

 

言われてみれば秋月もここに来てからバクバク食べている

 

大食漢が二人増え、はまかぜとグラーフは更に仕事が増えたが、まぁ、そこそこに楽しそうだ

 

「ごちそうさま〜‼︎」

 

そうなると気になる事が一つ

 

照月の体のどこに食いもんが消えてるかだ

 

結構な量を毎日食べているが、太る気配は一向に無い

 

考えてはいたが、やはり食後に横になるのはやめられない

 

ソファに寝転がり、子供達の後頭部とテレビを見る

 

「よいしょ…」

 

「なんだ⁇眠たいのか⁇」

 

「うん…」

 

腹の上に乗って来たのは照月だ

 

「歯は磨いたか⁇」

 

「うん…後は寝るだけ…」

 

「そう…寝たらお布団に連れて行ってやるから寝てもいいぞ」

 

「うん…ありがとう、お兄ちゃん…」

 

照月は俺の上でうつ伏せで寝始めた

 

そして、何と無く食べ物が何処に消えているか分かった

 

…胸だ

 

あれからまたデカくなってる

 

そんで、口も開いてる

 

「はぁ…」

 

照月を抱き上げ、子供部屋に寝かせる

 

「ぐが〜‼︎」

 

「うっ…」

 

鹿島と同じく、照月もイビキがうるさい

 

おそらく口が開いてるからイビキも増大されてる

 

俺はそ〜っと口を閉めた

 

「ん…ムニュ…」

 

「ぐっ…」

 

今度は歯ぎしりだ

 

こういう時は、確かこうだったな…

 

俺は照月の布団に入り、彼女を抱き寄せて背中をゆっくり叩いた

 

こうする事で呼吸が通りやすくなり、安心して眠れるらしい

 

「柔らかいな、照月は…」

 

「お兄ちゃんが落ちる…ガッ‼︎」

 

「寝言が最悪だな…」

 

俺は一晩、照月の感触を楽しみながら眠りについた…

 

 

 

 

作戦失敗…

 

第三部へ続く

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