艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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94話 英国からの贈り物(3)

「貴方が武蔵ね」

 

「うぉーすぱいととか言ったな。手加減はせんぞ⁇」

 

「構いません。殺すつもりで来て下さい」

 

「行くぞ‼︎」

 

武蔵は一気に距離を詰め、Warspiteの振り回している棒を左手で止め、右手で首を掴んだ

 

「あっ…」

 

「さぁ、どうする⁇」

 

「ま…参りました…」

 

「潔いい女は好きだ。宜しくな、うぉーすぱいと」

 

「ふふっ、此方こそっ‼︎」

 

武蔵とWarspiteが固い握手を交わし、演習は終わった

 

「お疲れ様、武蔵」

 

隊長は帰って来た武蔵の頭を撫でている

 

武蔵は嬉しいのか、珍しく照れている

 

「う、うぬ…しかし提督よ」

 

「ん⁇」

 

「私の見間違いなら申し訳無いが、うぉーすぱいとは足が悪いのか⁇」

 

「よく分かったな」

 

やはり武蔵は見抜いていた

 

俺達は姫が歩けないのを知っていた

 

だが、プリンツにも知らせていないし、武蔵も知らなかった

 

それなのにあの強さなのだ

 

「武人たる者、如何なる時にでも手は抜かない。だが、今回はそれで良かったのだろうか…」

 

「いいさ。姫は差別しない人が好きなんだ」

 

「そうか‼︎なら良かった‼︎」

 

そう言う武蔵だが、子供達にはこれでもかと手を抜いている

 

それはそれで、良い女なんだけどな

 

 

 

演習が終わり、横須賀が閉幕の挨拶をする為、再び壇上に立つ

 

「演習はこれで終わりです‼︎Warspiteは大佐の基地に所属となります‼︎」

 

「ウィリアム⁇レイ⁇今度は宜しくお願いしますね⁇」

 

「はっ‼︎仰せのままに‼︎」

 

「かしこまりました‼︎」

 

「そして、ここで重大報告が一つあります‼︎」

 

会場がザワつく

 

最近、ある程度の進行は互いに止んでいる為、戦況報告ではなさそうだ

 

「本時刻を持って、ケッコン可能な艦娘を二人まで可能とします‼︎」

 

艦娘と一部提督から歓声が上がる

 

喜んでいない提督は、俺の様にどうしていいか分からないでいる

 

「真実の愛を貫くも良し、多数を愛するも良し。現在ケッコン済みの提督には、横須賀基地所属艦娘から指輪が配られますので、お手にして下さい‼︎以上、観艦式でした‼︎」

 

「レイさん、大佐、どうぞ‼︎」

 

「おぉ…」

 

「…ありがとう。おい‼︎何で俺だけ片っぽだけなんだよ‼︎」

 

そう叫ぶと、横須賀は自身の首元を見せた

 

首にはネックレスが掛けられており、先に指輪が付いている

 

「こっ…」

 

「はははははは‼︎」

 

三人から大爆笑され、俺は痙攣しながら地面に膝を落とした

 

「ふふふっ‼︎ラバウルさん、アレンさん、どうぞ‼︎これは柏木さんへ」

 

「ありがとう」

 

「サンキュ」

 

ワンコや呉さん、トラックさんも指輪を受け取る

 

どうやらこの三人は決まっている様だ

 

問題は三人

 

隊長、ラバウルさん、そしてアレン

 

「ただいまぁ〜‼︎」

 

きそが帰って来た

 

俺は何とか立ち上がり、きその頭を撫でた

 

「おかえり。随分パンパンだなぁ⁇」

 

「えへへ…いっぱいパーツとか買って来たんだ‼︎」

 

「ガチャガチャはしたか⁇」

 

「うんっ‼︎あのね⁉︎長門さんのフィギュアが当たったんだ‼︎」

 

楽しそうにするきそを見て、少し安心した

 

「きそ」

 

「ん⁇」

 

「プリンツと姫連れて、フィリップで待っててくれないか⁇」

 

「分かった‼︎早く帰って来てね‼︎さぁ、行こっ‼︎」

 

きそを見送り、俺は横須賀に残った

 

「さぁ‼︎行きましょ〜う‼︎」

 

姫はプリンツが車椅子を押してくれている

 

「ほんっと、良い子だよなぁ。誰かと違って」

 

「アレン」

 

「どうした⁇」

 

横にいたアレンに指輪の箱を突き付けた

 

「俺とか⁇やめといた方がいいぞ⁇」

 

「…今の言葉撤回してやっから、この指輪、ネックレス付きに加工出来るか⁇」

 

「あ…あぁ。工廠を借りれば一時間程で…」

 

「時間を割いているのを承知で頼む。アレンに任せたい」

 

「ったく…」

 

アレンは指輪を入れた箱を取った

 

「いつも言ってるだろ⁉︎これ位ならいつでも頼めって‼︎任せなっ‼︎チョイ待ってろ‼︎」

 

アレンはそのまま工廠に入って行った

 

「ラバウルさん、申し訳ない…」

 

「ふふふっ。構いませんよっ。アクセサリーを造る彼はいつも生き生きしていますからねぇ。私も、そんな彼を見るのが好きなんですよ‼︎」

 

「同感です」

 

 

 

 

一時間もすると夕暮れが沈み、夜になり始めた

 

既に会場は跡形も無く片付けられ、先程まで観艦式がやっていたとの印象はほとんど無い

 

「レイ‼︎出来たぞ‼︎」

 

アレンが帰って来た

 

「お揃いのネックレスだが、それでいいか⁇」

 

アレンさん手元には、箱に入ったネックレスがある

 

「相変わらずいい仕事してるな…よしっ」

 

俺はネックレスを付けてみた

 

「似合ってるか⁇」

 

「いい感じだ」

 

「礼は後日でいいか⁇今手持ちが…」

 

「礼はいい。早く帰る事だな」

 

「…ありがとう‼︎」

 

アレンには何となく感付かれた様だ

 

俺はフィリップの格納庫に戻ると、誰も乗って居なかった

 

「先に送って来たよ」

 

「きそ‼︎」

 

格納庫の端っこでコーラを飲んでいるきそがいた

 

「あ、それとね⁇Warspiteさん、だっけ⁇最終チェックがあるから、今日一日はここにいるんだって、横須賀さんが言ってた‼︎」

 

「まぁ、仕方ないな」

 

「帰ろっか‼︎」

 

「あぁ‼︎」

 

フィリップに乗り込み、基地に帰る

 

 

 

 

 

レイが横須賀に無理矢理ケッコンさせられました‼︎

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