艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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最近、特別編が多い??

色んな人との話の流れで書いてますので、ご了承を



今回のお話は、一軸さんととある艦娘のお話です


特別編 最高の艦長と、銀杏の思い出

相変わらず、一軸さんはトイレに籠る時間が多い

 

最近、メッキリ出撃も少なくなり、菊月は執務室で暇を持て余していた

 

「提督、最近クマと話す事の方が多いんだが…」

 

《すまない菊月…ゔっ…》

 

クマのぬいぐるみに付いたスピーカーから、一軸さんの悲鳴が聞こえる

 

菊月はハァとため息を吐き、一軸さんが座っている椅子に腰を掛ける

 

彼女にとって、一軸さんの椅子は大きくて似合わないが、それでも一軸さんの気持ちが少しでも分かる気がした

 

「いつもここでこうして、私達を心配しながら待っているのか…」

 

菊月は少しだけ目を閉じ、提督と出逢った時を思い出していた…

 

 

 

第一印象は強面だったけど、とても優しい人で、時々会議に出かけてはお土産を買ってきてくれる

 

このくまのぬいぐるみだってそうだ

 

提督が本土に出かけた時に買ってきてくれた

 

そんな時、提督はいつも私の頭を撫で「私に娘がいたらこれ位だろう」と言って、にこやかにする

 

優しい、優しい私の提督…

 

 

 

「ふぅ…すっきりしたぁ!!」

 

「やっと帰って来たか…全く」

 

「薬飲んだからね。今しばらくは大丈夫さ!!」

 

「…今日も出撃は無いのか??」

 

「あるよ~…ほらっ!!」

 

提督は机の引き出しから何かの箱を取り出した

 

「今日は私と厨房に出撃します!!」

 

 

 

 

 

菊月と一軸さんはエプロンを着け、厨房に立った

 

「何を作るのだ??」

 

「ジャン!!」

 

一軸さんの手には、カレールーの箱が握られていた

 

「カレー…??」

 

「食べた事無いでしょ??一緒に作ろうか!!」

 

「う、うん…」

 

一軸さんは手を消毒し、ニンジンの皮を剥き始めた

 

菊月はジャガイモの皮を剥いたり、芽を取ったりし始める

 

《次のきょ…ぴ……の…》

 

比叡が付けっぱなしにして行ったラジオでは、懐かしい歌の特集をしているようだ

 

よく壊れるので、そろそろ買い直さないといけない

 

「さぁ、このルーを入れて、後は煮込むだけだ!!」

 

「美味しそうな匂いだな」

 

菊月は台の上に乗り、鍋の中を見る

 

美味しそうな香りが漂ってくる

 

「隠し味にチョコレートを入れるよ??」

 

「チョコレートを入れるのか??これは辛い料理なんじゃ…」

 

「辛すぎたら食べられないでしょ??」

 

「うっ…」

 

一軸さんが鍋にチョコレートを放り込み、菊月がおたまでかき混ぜる

 

《ング…た…ない》

 

「ん??」

 

「おっ」

 

ラジオから聞き覚えのある曲が流れ、菊月も一軸さんも耳を傾ける

 

だが、壊れている為、雑音が混じってしまう

 

《君……ピー…オー…》

 

二人は分かっていた

 

この曲は、二人が出逢いたての時に一軸さんが聞いていた曲だ

 

「懐かしいな…」

 

「私が若い時の歌だぞ??」

 

「いいじゃないか…」

 

菊月は一軸さんの鳩尾辺りに頭を置いた

 

「私も、提督との思い出が欲しい…」

 

「仕方ない子だな…」

 

菊月が珍しく一軸さんに甘えている最中でも、ラジオからは二人の思い出の曲が流れ続けていた

 

 

 

 

 

 

 

「美味しいな。何と言う料理だった??」

 

「カレーさ」

 

「ヒェー!!私の作るカレーより美味しいです!!」

 

比叡も気に入った様だ

 

たった三人の基地だが、菊月は幸せだった

 

最高に人想いな提督に出逢い…

 

最高に可愛がって貰い…

 

少し変だけど、友人も出来た…

 

この人の傍に居ると、どんどん知らない物や楽しい事を知れる…

 

このカレーだってそう

 

さっきのラジオの曲だって、私にとっては思い出の曲だ…

 

お腹下しの気は否めないが、私にとっては最高の提督である事に変わりない

 

「提督、また作ろうな」

 

「次は違うのにも挑戦しようか!?」

 

「う…うんっ!!」

 

この日、菊月は着任してから一番の笑顔を見せた

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