艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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秋刀魚祭りの特別編です

美少女とは一体誰なのか‼︎


特別編 サンマ 美少女 恋い焦がれ(1)

スカイラグーンに、一隻のイージス艦が停泊した

 

男衆が降りて来て、氷と秋刀魚を大量に入れたプラスチックの箱を潮と扶桑の前に置いた

 

「おかーしゃん、お魚イっぱい‼︎」

 

「あらあら…沢山獲りましたね」

 

「美味しく召し上がって下さいませ‼︎」

 

「日頃の御礼でっせ‼︎」

 

イージス艦も男衆も此処で補給を受けている為、秋刀魚はその礼の様だ

 

「では、皆さん呼びましょう‼︎」

 

「おかーしゃん、潮、”けイほ潮”する‼︎」

 

 

 

 

 

 

「たべられるおさかな」

 

食堂では、たいほうが隊長の部屋からパクッて来た図鑑を見ていた

 

「さんま、さば、まぐろ」

 

「たいほうはお魚好きか⁇」

 

「ほねのないおさかなはすき‼︎」

 

たいほうやれーべ達子供は、焼き魚が出た時は大人に骨を取って貰わなければ食べられない

 

しかし、鮭フレークやツナ、刺身等は好きな様だ

 

《イーーーーーーーーーーーーーーッ‼︎‼︎‼︎全イん集合ーーーーー‼︎‼︎‼︎》

 

突然警報が鳴り、俺と隊長の目が吊り上がった

 

この警報はスカイラグーンで何かあった合図、通称”けいほ潮”だ

 

俺と隊長が無言のまま食堂を出ようとした時、扶桑の声が聞こえて来た

 

《皆さんすみません‼︎秋刀魚が大量に入ったので、これから秋刀魚を御賞味頂こうと思っています》

 

「ビビった…」

 

「ふぅ…」

 

二人共腰を落とし、ため息を吐く

 

「んじゃまっ、秋刀魚を頂きに行きますかっ‼︎」

 

高速艇に全員詰め、スカイラグーンに向かう

 

 

 

 

スカイラグーンに着くと、ラバウルの連中と呉さんが着いていた

 

「うえへへへ〜久し振りのお酒で〜すね〜」

 

既にポーラが酔っ払っている

 

「ウシオ〜、食べないと大きくなれませ〜んよ〜。はい」

 

「やめろ‼︎モガ…」

 

ポーラは潮の口に無理矢理焼き秋刀魚をねじ込んだ

 

ポーラは潮が気に入った様で、ここに居る間はずっと彼女のそばにいる

 

「うへへ…ウシオ、また大きくなりましたぁ〜⁇」

 

「離せ‼︎おっぱイ揉むな‼︎ポーラきらイーーーッ‼︎」

 

「レイ‼︎大佐‼︎」

 

アレンが此方に気付き、秋刀魚を持って来てくれた

 

「ラバウルさんは⁇」

 

「アソコで健吾と一緒に」

 

アレンの目線の先には、ラバウルさんと健吾が鉢巻をして秋刀魚を焼いている姿が見えた

 

「おイ。だイ根おろしはイらんか」

 

大根と、すりきを持った潮が来た

 

「おっ。くれるか⁇」

 

「タイミングイー所でストップってイう。分かったか」

 

「分かった」

 

秋刀魚の乗った皿を潮の前にやると、潮は大根を擦り始めた

 

少し山が出来た所でストップと言った

 

「男だからもうちょっと食え。分かったか」

 

「分かった」

 

予定より少し多めの大根おろしが乗った所で潮は手を止めた

 

「パパはイるか」

 

「んっ。少し貰おう」

 

潮は隊長の皿に大根を擦り終えた後、アレンにも少しだけ大根を擦り、何処かに行った

 

「あの子はコェ〜なぁ…」

 

「アレン。一回潮に逆らって見ろよ。スープにされるらしいぞ」

 

「蒼龍の次は潮かよ…」

 

相変わらずイーイーうるさい癖は抜けて無いが、大根おろしを多めに擦ってくれたりする所を見ると、根は良い子の様だ

 

「ウィリアム‼︎」

 

総司令まで秋刀魚祭りに参加している

 

「椎名さん。もう大丈夫で⁇」

 

「おかげさまでね。それで…ウチの坊主を見なかったか⁇」

 

どうやらはぐれたらしい

 

よく見れば一人いない

 

 

 

 

「はぐれた」

 

椎名ジュニアは、スカイラグーンの格納庫の隅で秋刀魚を食べていた

 

はぐれてしまったが、今日は総司令を護らなくても大丈夫だ

 

今ここには、反対派しかいない

 

椎名ジュニアは久方ぶりに一人の時間を楽しんでいた

 

「美味いにゃあ…」

 

「どこだ⁉︎」

 

「上だにゃ」

 

ジュニアが上を見上げると、黒いカーディガンを来た女の子が屋根に座っていた

 

「降りて来なさい‼︎危険ですよ‼︎」

 

「大丈夫大丈夫…に''ゃっ‼︎」

 

女の子は足を踏み外し、屋根の上から落ちた

 

「よっ、と」

 

ジュニアは彼女を受け止めた

 

ジュニア達二人は、総司令を護っている為、ひ弱そうに見えても腕力はある

 

「多摩、落ちたかにゃ⁇」

 

「だから言ったでしょう⁇危ないって⁇」

 

「すまんにゃ。お礼にこれ、あげるにゃ」

 

多摩はジュニアにサンマの骨を渡した

 

「いらないよ‼︎」

 

「じゃあ何が望みにゃ⁇」

 

「何にも要らないから、もう登ったらいけませんよ⁇」

 

「分かったにゃ。じゃ〜にゃ」

 

多摩が会場に戻って行く後ろで、ジュニアは彼女を見つめていた

 

「落ちたか」

 

足元にいた少女は大根と、それをすりおろす機材を持っていた

 

「えと…君は⁇」

 

「潮だ」

 

「彼女の名前は⁇」

 

「まずだイ根おろしがイるかどうかが先だ」

 

「あ、うん。頂戴するよ」

 

「タイミングイー所でストップってイう。分かったか」

 

「分かったよ」

 

潮が大根を擦る間、ジュニアは色々聞いた

 

「彼女、名前は何て言うの⁇」

 

「多摩」

 

「多摩…」

 

「さイ近、グッとかわイくなった」

 

「確かに可愛かったな…」

 

「まだか。もうイっぱイだぞ」

 

「うわわわ‼︎ストップストップ‼︎」

 

ジュニアの皿は、ほとんど大根おろしで埋め尽くされていた

 

「ストップイわなイ自分が悪イ。分かったか」

 

「ははは…ごめんごめん…」

 

「まぁイイ。ちゃんと食ったら、多摩とあイ席設けてやる。分かったか」

 

「分かった‼︎ちゃんと食べるよ‼︎」

 

「あっちで待ってるからな。ちゃんと食えよ」

 

潮は小走りで会場に戻って行った

 

「多摩…か」

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