艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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ハロウィン特別企画です

色んなキャラが出て来ます

少し長いですぞ



みんな、ハロウィンでお菓子貰う時、なんて言って貰う⁇

作者はハロウィンに少し苦い思い出があるのですが、この子が全て吹き飛ばしてくれる気がします


ハロウィン特別企画 お菓子くれなきゃ⁇(1)

《今日はハロウィン‼︎子供達はお菓子を貰う為に必死です‼︎》

 

朝早くから、子供達がテレビの前に座っている

 

たいほうはまだ眠たいのか、霞の膝の上でヨダレを垂らして寝ている

 

「世間一般はハロウィンか。俺達ぁ、ハロウィンなんてものはねぇなぁ〜…」

 

椅子に座って後頭部の後ろで手を組みながらテレビを見ていると、隊長がニヤついているのに気が付いた

 

「レイ。トリックオアトリート」

 

「マジか」

 

「言ったもん勝ちだ。ホラ、お菓子をだすんだ」

 

「ったく…」

 

台所の床下収納からグミを出し、隊長と食べ始めた

 

「照月がいないな…」

 

「朝ごはん食べて、また寝てるんだろ⁇」

 

「ちょっと見てくる」

 

子供部屋に行くが、既に布団は片付けてあり、誰もいない

 

「おっかしいなぁ…」

 

 

 

 

 

「今日はお菓子が貰えるんだって‼︎長10cm砲ちゃん、まずは横須賀だね‼︎」

 

俺達が照月を探している時、当の本人は横須賀にいた

 

「着いたぁ‼︎」

 

照月は二人の長10cm砲ちゃんを連れ、まずは横須賀の執務室を目指した

 

「よっこすっか、さっん‼︎」

 

レイと同じく、照月も扉は蹴り飛ばして開ける

 

「あらっ‼︎照月ちゃん。おつかい⁇」

 

「トリックオアダイ」

 

「え…」

 

横須賀は冷や汗を流す

 

あまりにも突然に宣告された死…

 

横須賀は考えた

 

 

 

普通はあれよね、トリックオアトリートよね⁇

 

お菓子くれなきゃイタズラするぞ〜ってやつ

 

照月ちゃんは今何て言った⁇

 

トリックオアダイ⁉︎

 

お菓子くれなきゃ殺す⁉︎

 

死ぬのは嫌よ‼︎

 

まだレイとの子供だって…

 

いやいや、そうじゃなくて‼︎

 

確かにこの子は良く食べるけどそんな事する子じゃ…

 

 

 

「トリックオアダイだよぉ〜。横須賀さん。お菓子頂戴」

 

照月は笑いながら横須賀に詰め寄る

 

それが横須賀を更に精神的に追い詰めていた

 

照月はどんどん横須賀に近付き、とうとう部屋の端に追い詰めていた

 

「わわわ分かったわ‼︎お菓子ね⁉︎ほ、ほら、コレあげるわ‼︎」

 

横須賀は、後で食べようとしていたクッキーの箱を恐る恐るとり、照月に渡した

 

「わぁっ‼︎ありがとう‼︎照月からはコレ‼︎」

 

へたり込んでビクビクする横須賀の前に、照月は”きゃんでぃ”と書かれた袋を彼女の前に置いた

 

「じゃあね〜‼︎」

 

照月は部屋を出て行った

 

「ふぅ…最近はアレが主流なのかしら…」

 

 

 

 

「次はここだね‼︎」

 

照月が目を付けたのは、野郎達が集まる工廠施設

 

「こんにちは〜‼︎」

 

「おやおや、これは照月ちゃん」

 

前の整備長と代わって、中年の男性が出迎えてくれた

 

彼が新しい整備長だ

 

「長10cm砲ちゃんの修理かい⁇」

 

「トリックオアダイ」

 

「ぜ、全員食い物を出せ‼︎早く‼︎」

 

整備長の一言で、中にいた野郎達が慌ただしく動き始めた

 

あっと言う間に、照月の前に菓子パンやお菓子が集まった

 

「こ、これで全部です‼︎」

 

「わぁ〜‼︎いっぱい‼︎照月のキャンディー足りるかなぁ…」

 

「かかか構いません‼︎我々はお気持ちだけで充分です‼︎」

 

「でも、照月こんなにいっぱい貰ったよ⁇」

 

「照月ちゃんに美味しく食べられたら、我々は幸せです‼︎」

 

整備長は照月の頭を撫でようとしたが、照月の言動が言動なので、喰われ兼ねないと判断し、気持ちを抑えた

 

「じゃあ、照月お兄ちゃんに言っておくね‼︎おじさん達に、い〜っぱい‼︎お菓子貰ったって‼︎じゃあね〜‼︎」

 

照月が工廠を出てすぐ、野郎達は安堵のため息を吐いた

 

「逆らってしまったら…我々に明日は無いかも知れない…」

 

 

 

 

「みんなビックリしてたね〜。照月、そんなに怖いかなぁ…」

 

長10cm砲ちゃんは二人共、首を横に振った

 

「お腹空いたなぁ〜」

 

ベンチに腰掛け、口を開けて辺りを見回す

 

すると運良く二人のカップルが来た

 

「美味しいにゃ‼︎」

 

「次は何食べる⁇」

 

無事にカップル成立したジュニアと多摩だ

 

「お兄さん‼︎」

 

「おっ。君は確かレイさんの所の照月ちゃん。おつかいかい⁇」

 

「トリックオアダイ」

 

「だ…ダイ…」

 

「何かあげないとヤバいにゃ‼︎目が本気にゃ‼︎」

 

「わ、分かった‼︎だから落ち着け‼︎な⁉︎」

 

「トリックオアダイ」

 

照月はお菓子をくれるまでコレを言い続ける

 

「こ…これで好きなお菓子を買ってくれ…頼む‼︎」

 

ジュニアは財布から一万円札を出した

 

「照月が欲しいのは、お金じゃなくてお菓子だよぉ⁇」

 

「た…多摩はコレをあげるにゃ…」

 

「アイス‼︎」

 

照月は多摩の食いさしのアイスを取り、何とか事無きを得た

 

「お兄さん」

 

「ヒッ‼︎」

 

「ホントにコレでお菓子買っていいの⁇」

 

「う…うんうん‼︎好きなの買いなさい‼︎私は今お菓子持ってないんだ‼︎」

 

「そっかぁ〜…分かった‼︎ありがとう‼︎」

 

アイス片手に一万円札を受け取り、照月は横須賀の港を目指した

 

「大丈夫かにゃ⁉︎」

 

「う…うん」

 

「食べ直すにゃ。そうだ‼︎伊勢に行くにゃ‼︎」

 

多摩に手を引かれ、二人は伊勢でケーキを楽しむ事にした…

 

 

 

 

 

 

港には高速艇が幾つも待機していた

 

乗る場所によって、向かう場所が違う

 

「次は何処に行こっかなぁ〜」

 

「照月ちゃん‼︎もうお家帰るかい⁉︎」

 

基地に帰る高速艇の船長が照月に気付いた

 

「イカさん‼︎」

 

船長はいつもイカのマークが描かれている帽子を被っているので、子供達から”イカさん”と呼ばれている

 

「ん⁇どうした⁇」

 

「トリックオアダイ」

 

「え⁇」

 

聞き直したイカさんに歩み寄り、照月は再び同じ言葉を吐いた

 

「トリックオアダイ」

 

「わ、分かりました‼︎でもお菓子は無いんです‼︎その代わり、一日照月”さん”の好きな所に行きます‼︎何処に向かえば宜しいですか」

 

「えと…じゃあ呉まで‼︎」

 

「畏まりましたっ‼︎」

 

イカさんは逃げる様に操舵室に向かい、照月が乗ったのを確認して、猛スピードで高速艇を出した

 

少しでも遅ければ、死ぬかも知れない

 

もしかしたら、私は何処かで照月ちゃ…いや、照月さんを怒らせてしまったのかも知れない‼︎

 

イカさんは呉に着くまでヒヤヒヤしっぱなしだった

 

 

 

 

 

「着いたぁ〜‼︎船長さん、お菓子置いておいてもいい⁇」

 

「ど、どうぞどうぞ‼︎好きなだけ‼︎」

 

先程までズリズリ引き摺っていた袋を船内に残し、照月は呉さんの執務室を目指した

 

 

 

 

「コンコン‼︎照月です‼︎」

 

「照月ちゃん⁇開いてるよ‼︎」

 

照月が一人で呉に来るのは珍しい

 

しかもノックする効果音と同じ様に声を出すとは、なんと可愛いのだれう

 

しかし、呉さんの妄想は数秒後に打ち壊された

 

「久し振りだね。今日はどうしたの⁇」

 

「トリックオアダイ」

 

「ヒィッ‼︎たっ、助けてーーーーー‼︎」

 

それを聞いた呉さんは、後ろにあったカーテンに包まりながら悲鳴をあげた

 

「ツンツン」

 

「ヒギィ‼︎」

 

照月は呉さんの包まっているカーテンを人差し指で突いた

 

「どうした⁉︎」

 

「提督⁉︎」

 

騒ぎに気付いた嫁二人が執務室に来た

 

「あっ‼︎隼鷹さんとポーちゃん‼︎」

 

「よっ、照月ちゃん‼︎」

 

「ポーラですて」

 

「提督、どうしたんだい⁇ゴッキーでも見たかい⁇」

 

隼鷹はいつめの軽いノリで呉さんが包まっているカーテンを開け、中にいた呉さんを抱き締めた

 

「よしよし、怖かったなぁ〜。食堂でお水飲もうな。照月ちゃん、すぐ戻って来るからな‼︎」

 

隼鷹と呉さんが執務室から出て、残されたのはポーラ

 

「ポーちゃん‼︎」

 

「ポーラですて。どうしましたかぁ〜⁇」

 

「トリックオアダイ」

 

「ダイ…ダイ…おぉ、ポーラ死にますか。そうですか…それはいけませんて‼︎お菓子ですて‼︎」

 

ポーラは全速力で執務室から出て、すぐにお菓子を持って来た

 

「柿ピーとぉ、チーカマとぉ、スルメ、後クラッカーもありますて。だから、どうか命だけは…」

 

ポーラは照月に土下座して命乞いをした

 

ポーラは思った

 

 

 

人食いの蒼龍がいる位ですて

 

テルヅーキも人を食べても可笑しくは無いですて

 

お菓子で済むなら、安いもんですて

 

 

 

 

「照月、お菓子貰えたら、殺しはしないよ⁇」

 

「そ、それなら良いですて…ふぅ」

 

「照月からはコレ‼︎」

 

再び”きゃんでぃ”と書かれた袋を、ポーラの前に置き、呉さんと隼鷹のいる食堂を目指した

 

「食べ物の恨みは恐ろしいとは、ニッポンの人も上手い事言ったですて…」

 

 

 

 

「呉さん‼︎」

 

「て、照月ちゃん‼︎」

 

呉さんはゴホンと咳き込むと、目の前のお菓子に手を広げた

 

「好きなだけ持って行っていいよ」

 

「ホント⁉︎」

 

「だからみんなの命だけは‼︎」

 

「うんっ‼︎ポーちゃんにも言ったけど、照月、お菓子くれたら殺しはしないよ‼︎」

 

「よ…良かった…」

 

「助かったぁ…」

 

呉さんと隼鷹は胸を撫で下ろした

 

「照月からはコレ‼︎照月が作ったんだよぉ‼︎」

 

二人にも”きゃんでぃ”と書かれた袋を渡し、照月は外に出た

 

「良かったぁ…ポーラの隠したお菓子の場所知ってて」

 

「後で買ってあげなきゃな…」

 

 

 

 

 

外に出ると、遠くに高山さんがいた

 

高山を見るなり、照月は叫んだ

 

「トリックオアダーーーーーイ‼︎」

 

照月の声が聞こえた瞬間、高山は一瞬肩を上げ、格納庫に隠れた

 

「逃げた‼︎長10cm砲ちゃん、追い掛けるよ‼︎」

 

長10cm砲ちゃんが先陣を切り、高山を追い掛けて行こうとした時だった

 

「止まれ‼︎」

 

意を決したのか、高山が出て来た

 

手にはピストルを構えている

 

「俺はここで死ぬ訳にはいかん‼︎」

 

「長10cm砲ちゃん…」

 

照月が一人の長10cm砲ちゃんの頭を軽く叩くと、高山の持っていたピストルを撃ち抜いた

 

「うっ…」

 

「人にピストル向けたら危ないんだよぉ⁇」

 

「は…速い…」

 

「どうして照月にピストル向けたの⁇どし〜んするよ⁇」

 

「わ、分かった‼︎参った‼︎」

 

高山は両手を上げた

 

生身の人間である高山は、照月にどし〜んなんてされたら死んでしまう

 

「トリックオアダイ」

 

「俺のデスクに外国のお菓子がある‼︎」

 

「人にピストル向けた罰として、全部貰うよ⁇」

 

「か、構わん…」

 

「…でも、お礼はちゃんとしないとね‼︎はいっ‼︎」

 

照月は高山の足元にきゃんでぃの袋を置いた

 

照月は高山のお菓子を根こそぎ奪い、呉鎮守府を後にした

 

「恐ろしい子だ…」

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