今回のお話は、前回のお話のラストに引き続き、レイとギザギザ丸が過去に行きます
二人は一体どの時代に行き着いたのか…
※注…今回のお話では、実際にあった建造物をモデルに書いていますが、実際にあった事柄や建築内容とは大きく異なります。御了承下さい
「おい、着いたぞ」
目を開けると、そこに基地は無く、どこかの街中に立っていた
「スゲェ…」
道路が砂利だ
今も昔も高級品だが、昔は今よりもっと高級品だった車がチラホラ走っている
俺とギザギザ丸は、昭和初期の時代に来ていた
「でっ⁇欲しいモンってなんだ⁇」
「セルロイド人形さ。この時代に作られてから、もう作られてない奴があるんだ」
「人形趣味かよ…」
「俺じゃない」
「まっ。お父さんが変態なのは今も昔も変わらないな‼︎」
「未来も変態かぁ…」
ブツブツ言いながら、俺達は目当ての物を探し始めた
「案外ねぇもんだ…な…」
ふと、周りの視線が気になった
この時代の人は、まだ和服が多い
そんな中、タンクトップと革ジャン、そしてジーパンを履いている俺はかなり目立っていた
「まっ、この時代にその服装は変だわな」
「お前もスカジャン着てるだろ‼︎」
ギザギザ丸はスカジャンを着ており、背中に厳つい鷲が描かれており、傍らにはカタカナで”スカ”と書いてあった
多分、未来でも目立つ
「これは隊長さんから貰った大切なモンだ‼︎バカにすんな‼︎置いて帰るぞ‼︎」
「何てモンやってんだよ隊長は…」
「腹減った‼︎何か食おうぜ‼︎」
「ったく…おっ⁇」
目の前に百貨店が見えた
目当ての物もありそうだ
「そこで何か食わしてやるよ」
「やりぃ‼︎」
数時間後、俺達二人は、ここに入った事を後悔する事になる
「階段きつい〜‼︎喉乾いた〜‼︎」
「食堂行きゃあお茶がある」
「オレンジジュースがいい〜‼︎」
ギザギザ丸はグダグタ文句を言いながら、食堂のある階を目指す
この時代、エスカレーターやエレベーター等の洒落たモンは無い
そして俺は気付く
「なぁ」
「あんだよ…」
「…金がない」
「ハァァァン⁉︎」
少し考えればすぐ分かった
未来と過去では、硬貨や紙幣が全く違う
「この時代の金が無いんだよ‼︎」
「ポケット見てみろよ…」
「ポケットって…」
ポケットには財布とタバコ。そしてライター
「財布の中身見な」
「おぉ〜‼︎」
財布の中身が今の時代の紙幣や硬貨に変わっていた
「時代に合わせて変わるんだよ。仕組みは聞くな。だからっ…オレンジジュースな‼︎」
ギザギザ丸は舌をペロッと出して、親指を立てた
数秒前まで息切らしてた癖に…
喋ったり、動く姿を見る度に、こいつが本当に娘なんだと実感する
本当に俺に似ていて、現金な感じは横須賀譲りだ
「かけそばとオレンジジュースだ‼︎」
「親子丼を」
注文を終えると、長机の真ん中に置いてあるヤカンと湯呑みを手に取り、お茶を注いだ
ギザギザ丸の分も注いでやろうと思ったが、オレンジジュースが早くに来た為、注がなかった
「オレンジジュース好きか⁇」
「オレンジジュースは二番目だな。一番は何と言っても”クソ”だ‼︎」
「おまっ‼︎食堂だぞ⁉︎」
「クソなんてどこの喫茶店行っても大体あんだろ⁇」
ギザギザ丸はキョトンとしている
まるで俺が間違っているかの様にだ
「…クソってなんだ」
「クソも知らねぇのか⁇緑色のシュワシュワにアイスが乗ってる奴だ」
「クリームソーダって言えよ‼︎」
「お母さんがクソって教えたんだよ‼︎お母さんに言えよ‼︎」
「かけそばと親子丼、お待たせしました」
この時代には珍しい、洋服を着たウェイトレスが料理を持って来てくれた
「あ、すみません」
「お下品なお話をされる場合は、もう少し小さなお声でお願い致します」
「ゴメンゴメン‼︎お父さんが分かってくれなくてさぁ‼︎」
ウェイトレスは一礼して厨房に戻って行った
「それ食ったら目当てのモン探すからな⁇」
「へいへい」
ギザギザ丸はズルズルと音を立て、蕎麦を食べた