今回のお話は、作者が大好きなあの子が、基地に”流れ着き”ます
たいほうは朝ごはんを食べたらリュックにオヤツや水筒を入れ、いつも通り砂浜へと遊びに向かった
「たいほう⁇今日はどこ行くの⁇」
「すなのおしろつくるの。おっきいのつくるよ‼︎」
「海に入っちゃダメよ⁇」
「わかった‼︎」
貴子さんはたいほうに靴を履かせ、たいほうを見送った
そんな二人を見て、俺は貴子さんを横須賀と照らし合わせていた
…アイツ、子供産まれたらちゃんと面倒見るだろうか
たいほうは砂浜に着くと、紙コップやスコップをリュックから出し、砂の城を作り始めた
「あっ」
砂浜の端を見ると、誰か倒れていた
たいほうはすぐに倒れている人に駆け寄り、傍らに座った
「ぽーら」
倒れていたのはポーラだった
たいほうはポーラを木の枝でツンツンつついてみた
「ん〜…」
「ぽーらおきて。こんなところでねてたらかぜひくよ⁇」
「あったかくて気持ちいいですて…」
少し肌寒くなって来たとはいえ、砂浜は太陽が照っていて温かい
「ぽーらながれてきた⁇」
「そうですて。ポーラ、提督と喧嘩して、ここに来たですて」
「くれさんとけんかしたの⁇」
「提督が悪いですて…」
ポーラはたいほうに事を話し始めた…
どうやら最近、呉さんは隼鷹に構ってばかりの様だ
それに嫉妬したポーラは、呉さんに甘えるが、呉さんは素っ気ない態度を示し、反抗してここに来たらしい
「ポーラ、ひとりぽっちは嫌いですて…」
「たいほうもひとりぽっちはきらいだよ」
「たいほうちゃん…分かってくれますか⁇」
「うん。たいほうもパパとあそびたいもん。でもパパ、いつもいそがしいの…」
「提督は忙しいですて」
たいほうはポーラに付いていたワカメや、刺さっていたウニを取りながらポーラの話を聞いていた
「ぽーらはじゅんようきらい⁇」
「ジュンヨーは嫌いじゃないですて。ジュンヨーは良い人ですて」
「たいほうはね、パパがいそがしいときは、ママとあそんだり、すてぃんぐれいとあそんだりするの」
「マーマ⁇」
「たかこさん‼︎」
たいほうは最近になって、貴子さんを”ママ”と言い始めた
少し前までは、ずっと”むさし”と言っていたが、隊長がママと教えた為、少しずつ呼ぶ様になって来ている
「ポーラ、ジュンヨーと遊ぶのはお酒飲む時だけですて」
「じゃあ、くれさんがあそんでくれないときは、たいほうとあそぼ⁇」
たいほうはニコニコしながら、ポーラの方を見た
「…たいほうちゃんは良い子ですて」
「ぽーら、たいほうとおふろはいろ⁇いっぱいわかめついてるよ⁇」
「お風呂入りますて」
たいほうはポーラを連れ、基地に戻って来た
「パパ、ぽーらとおふろはいってくる‼︎」
「おぉ。ポーラ来てたのか⁉︎」
隊長は新聞を読む手を止め、二人を見た
たいほうが少し取ったとは言え、ポーラの体には、まだ細かいワカメやゴミが付いている
「洗濯しておくから、着替えは私のシャツでも着てなさい」
「すみません…」
いつものポーラの元気が無い
ここは少し、たいほうに任せるのも良いかも知れない
お風呂に行くと、ポーラはその辺に服をポイポイ脱ぎ、先に浴場に入って行った
「ここにいれとく」
たいほうはポーラの脱ぎ捨てた服をまとめ、洗濯機の中に入れた
洗濯機は危ないので、たいほう達子供は近付く事は少ない
着替えた物を入れて、後は貴子さんやグラーフに任せている
「ぽーらきもちいい⁇」
「気持ちいいですて…ふぅ」
たいほうはポーラの横に座り、自身も軽く体を洗い始めた
「おふろはいったら、たいほうとびでおみよう⁇」
「砂のお城はどうしますて」
「おしろはまたこんどにする。きょうはぽーらといる」
「ありがと、たいほうちゃん…」
シャワーを終えた後、二人で湯船に浸かる
「あったかいですねぇ…」
「はい‼︎」
どこから持って来たのか、たいほうは小さな酒瓶を持っていた
「ポーラにくれるんですか⁉︎」
「ぽーらにあげる。たいほうはこっち‼︎」
たいほうはプラスチックの桶の中からグレープジュースを取り出し、それを飲み始めた