艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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新規艦が一人出てくるよ‼︎


120話 若妻達の白昼夢(2)

「やまと」

 

「あらたいほうちゃん。お菓子買いに来たの⁇」

 

「びすけっとかいにきたの」

 

たいほうは脇に抱えたビスケットの箱を大和に見せ、貴子の引くカートのカゴに入れた

 

「ヤマト‼︎IOWAこれにする‼︎」

 

アイちゃんは両手に抱えたお菓子を、大和の引くカートのカゴにドサァーっと入れた

 

「アメリカのお菓子いっぱい‼︎IOWA気に入ったわ‼︎あらタイホウ‼︎」

 

「あいちゃん‼︎」

 

少し前までたいほうとアイちゃんは良く似た身長だったのに、今ではアイちゃんがたいほうを抱っこするまでに、アイちゃんはデカくなった

 

「ぷるぷる」

 

「触ってもいいわよ⁇」

 

「やったね‼︎」

 

たいほうはアイちゃんの胸をつついたり、軽く揉んだりし始めた

 

この巨乳好きは一体誰に似たのか…

 

「てらつき、お腹空いたなぁ〜…」

 

「じゃあフードコートに行きましょうか‼︎」

 

「たいほうもいく‼︎」

 

「大和、そろそろ行くわね⁇」

 

「えぇ。旦那さんに宜しくとお伝え下さい」

 

「タイホウ、テラツキ。またIOWAとチアしようね‼︎」

 

「うんっ‼︎」

 

「たいほう、またぽんぽんしたい‼︎」

 

アイちゃんと大和と別れ、四人はレジに来た

 

「がむ」

 

たいほうはレジの横に置いてあったガムを二つ手に取り、貴子の後ろに並んだ

 

「一緒に入れる⁇」

 

「たいほうがかうの」

 

「そう⁇」

 

貴子の精算が終わり、たいほうはガムをレジのお姉さんに渡した

 

「200円です」

 

「はい‼︎」

 

たいほうは千円札をレジのお姉さんに渡し、お釣りの800円を受け取り、ガムとお釣りをポシェットに入れ、貴子の所に戻って来た

 

たいほうはカートの子供が乗る所に座り、霞はしっかりと照月の手を握り、照月はキョロキョロしながら、何とかフードコートに着いた

 

「何食べたい⁇」

 

「はんばーがー‼︎」

 

「私もハンバーガーがいいわ」

 

「照月、アレがいいなぁ〜」

 

照月の目線の先には”ステーキハウス・肉欲”のチェーン店があった

 

「霞ちゃん。たいほうお願いしてもいい⁇」

 

「分かったわ」

 

たいほうをカートから降ろし、霞と一緒に買いに行かせた

 

「照月も行く‼︎」

 

「照月ちゃんはお肉でしょ⁇私と行きましょ⁇」

 

「うんっ‼︎」

 

貴子は照月の手を”ガッチリ”握り、肉欲の前に来た

 

「タワーステーキください‼︎」

 

「私もそれを」

 

流石に牛一頭コースは無いが、厚切りのステーキが三枚も乗ったメニューがあったので、二人はそれに決めた

 

 

 

 

「ちーずばーがにこと、ぽてとのえむください‼︎」

 

「飲み物は何にしますか⁇」

 

「しろいしぇいく‼︎」

 

注文した品を紙袋に入れて貰い、たいほうはお金を渡して、紙袋を受け取った

 

「チキンバーガーとライスバーガー、ポテチのSとメロンソーダ下さい」

 

霞も紙袋を受け取り、近くの空いている席に座った

 

「ダ〜ンちゃん‼︎はい、あ〜ん‼︎」

 

「Il est délicieux‼︎」

 

隣でカップルが熱々のポテトを食べている

 

霞は見ていて胃に穴が開きそうになる位バカップルな二人を見ながら、たいほうとハンバーガーを食べ始めた

 

「がいじんさんだね」

 

「見ちゃダメよ」

 

「Bonjour‼︎Quel est votre nom⁇」

 

二人に気付いた外人さんがニコニコしながら話し掛けてきた

 

「しゃべった‼︎」

 

「Ne pas avoir peur。Mon nom est Commandant Teste」

 

「うぅ…」

 

「あっ‼︎たいほう、これもってる‼︎」

 

たいほうはポシェットから”きそリンガル”を取り出した

 

〜きそリンガル‼︎タウイタウイモールでも定価680円(税込)で発売中‼︎〜

 

「comment allez-vous?」

 

二人は急いできそリンガルを耳に付け、彼女の方を向いた

 

「あたしたいほう‼︎」

 

「霞よ」

 

「私はコマンダン・テスト‼︎宜しくね、たいほうちゃん、霞ちゃん‼︎」

 

日本語で聞こえたコマンダン・テストの声に、たいほうが反応した

 

「あっ‼︎たいほうしってる‼︎げんまかいさいこうのけんしでしょ⁉︎」

 

たいほうはハンバーガー片手に、両手を上げてポーズを取っている

 

「違うわよ‼︎それ別ゲーじゃない‼︎」

 

「だんてすじゃないの⁇」

 

「そっちじゃないわ。コマンダン・テストって言ってたでしょ⁇ゴーガンじゃないわ⁇」

 

「ざんねん…」

 

「ダンちゃ〜ん‼︎こっち向いてよぉ〜‼︎」

 

コマンダン・テストは男性の声の方に振り向いた

 

コマンダン・テストにデレッデレなのは、見覚えのある男性

 

「あら、総司令様。これはこれは…」

 

貴子と照月が、熱々のステーキを乗せた台を持って、二人の所に来た

 

「あ〜…えっと〜…たっ、貴子さん、だったかな〜⁇」

 

マズい所を見られたと、椎名は焦る

 

「奥様ですか⁇」

 

「き、今日は25回目の結婚記念日なんだ‼︎」

 

「はいっ、徹さん。あ〜んっ‼︎」

 

「あ〜んっ‼︎」

 

見ていてこっちが恥ずかしくなるレベルで、二人は激アツだ

 

「さぁっ、総司令様は後で呉の青葉ちゃんに言うとしてっ‼︎いただきます‼︎」

 

「いただきま〜す‼︎」

 

「俺達、青葉ちゃんに撮られても怖くないもんね〜⁇」

 

「大丈夫よね〜⁇」

 

「あ、もしもし。貴子です」

 

貴子は携帯を耳に当てるフリをした

 

「たっ、貴子さん‼︎お願いです、青葉行きだけは…」

 

「ふふふっ、冗談ですよっ‼︎」

 

貴子の横では、照月がナイフも使わずにステーキを食べていく…

 

反対派には、恐れる事が二つある

 

一つは蒼龍送り

 

これはストレートに死を意味する

 

そしてもう一つは、青葉送り

 

此方は社会的に死を意味する

 

総理と文月の様に上手く行けば好感度が上がるが、大概は社会的に死ぬ

 

今の所、青葉送りの実質的な被害は呉さんの精神のみだが、これから増えるかも知れない…

 

「さっ、今日はダンちゃんに鞄買うんだよね〜‼︎どれにする⁉︎」

 

「ダーリンが買ってくれるなら何でもいい‼︎」

 

「んも〜‼︎さっ、行こっ‼︎」

 

椎名はゴミを纏めたトレーを持ち、トレーを持った逆の手でコマンダン・テストと手を繋いで立ち上がった

 

「メルシー‼︎」

 

「ちぇるしー‼︎」

 

何故かメルシーだけフランス語のまま聞こえたが、気にしないでおこう

 

二人が去って数十分後…

 

「たべた‼︎」

 

「こっち向きなさい」

 

霞はハンカチで食べた物のカスだらけになったたいほうの口まわりを拭いた

 

「ありがと‼︎」

 

「んっ」

 

「照月も食べたよ‼︎」

 

とうの昔に、照月の前にある皿は綺麗になっていた

 

「美味しかった⁇」

 

「美味しかった‼︎照月、ステーキ大好きなんだぁ〜‼︎」

 

四人は御満悦の様だ

 

昼食を食べ終え、四人はおもちゃ売り場に来た

 

「Uちゃん、欲しい物あったら言ってね⁇」

 

「どれにしようかな…」

 

おもちゃ売り場には、見慣れた三人が居た

 

「ぐらーふ‼︎」

 

「たいほうちゃん。お買い物⁇」

 

グラーフを見たたいほうが彼女に抱き着く

 

「貴子さん⁉︎ご無沙汰です‼︎」

 

「いつもお世話になってます」

 

ミハイルと出逢うのは珍しい

 

普段はUちゃんと世界を飛び回る生活をしているので、レイでさえ逢うのは難しい

 

だが、今日はたまたま近くに寄ったので、グラーフを誘って、三人でここに遊びに来た様だ

 

「これがいい…な⁇」

 

Uちゃんが持って来たのは、塗り絵二冊

 

塗り絵は何処にいても静かに出来るので、大人しいUちゃんは気に入っている

 

「他は⁇」

 

「これでいい」

 

「じゃあ、食べたい物ない⁇」

 

「ん…ソフトクリーム、食べたいな」

 

「分かった。行こうね」

 

Uちゃんはグラーフに少し遠慮しているのか、安い塗り絵とソフトクリームしかねだらなかった

 

「照月、これがいいなぁ‼︎チョー☆ゴー☆キンロボ‼︎」

 

照月の腕には、高そうな超合金ロボの箱が抱かれている

 

「たいほうこれがいい‼︎きそとつくるの‼︎」

 

たいほうの両脇には、飛行機のプラモデルが二つ抱えらている

 

「私、これにするわ」

 

霞はブロックの入ったバケツを持って来た

 

それぞれ、思い思いのおもちゃを持ち、レジに並ぶ

 

たいほうは二つで1000円

 

霞は1200円

 

そして照月は…

 

「5600円です」

 

「はいっ‼︎」

 

照月は持っていないハズの万札を取り出し、レジに出した

 

「ありがとうございました〜」

 

超合金ロボを抱えた照月は嬉しそうに貴子の所に戻って来た

 

「てっ、照月ちゃん⁇あの一万円どうしたの⁇」

 

「ハロウィンの時に貰った‼︎」

 

「そ、そう…ビックリした…」

 

「照月、チョー☆ゴー☆キン、欲しかったんだぁ〜‼︎」

 

おもちゃをカートの下に乗せ、四人は船着き場に戻って来た

 

「フランクフルト‼︎」

 

船着き場の近くにフランクフルトのお店があり、照月はそれに気付き、繋いでいた貴子の手を振りほどいた‼︎

 

「て〜る〜づ〜き〜‼︎」

 

貴子の時間がスローになる

 

緩やかに流れる時間の中、貴子は思った

 

タウイタウイモールだけは、何とか回避出来て良かった…

 

「何本ありますかぁ⁇」

 

「何本⁉︎今あるのは、え〜と…25本だね」

 

「全部下さい‼︎」

 

「ぜっ、全部⁉︎」

 

「全部‼︎」

 

一時的ではあるが、やはりフランクフルトのお店は閉店に追い込まれた

 

両手に大量のフランクフルトを持ち、ホクホクの照月は、みんなの所に戻って来た

 

戻って来るこの短い道中で、既に4、5本減っている

 

「お腹空いてたの⁇」

 

「うんっ‼︎はいっ‼︎貴子さんにもあげる‼︎」

 

照月は全部一人で食べようとせず、三人にフランクフルトを配った

 

「照月聞いたんだぁ‼︎好きな物は、みんなで食べるともっと美味しいんだって‼︎」

 

「そう…あっ、ありがと…」

 

霞は恐る恐る照月からフランクフルトを受け取った

 

たいほうもフランクフルトを受け取り、霞の横で食べ始めた

 

「ん⁇」

 

ふと、歩いて行った女性に、たいほうだけが反応した

 

だが、みんなは気付いていない

 

たいほうは女性の赤い髪と、歩く度に揺れる胸、そして着た事も無い、風に棚引く白いワンピースに釘付けになっていた

 

「きれいなひと…」

 

たいほうはその女性が見えなくなるまで、ずっと魅入っていた…

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