艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、121話が終わりました

今回のお話は、サラが横須賀にとあるお願いをした事から始まります


122話 偽りの愛(1)

「ジェミニ」

 

横須賀の執務室が開けられた

 

入って来たのはサラだ

 

「お母さん⁉︎言えばこっちから行くのに‼︎」

 

長い時間離れていた為、横須賀はサラにすぐ抱き着く

 

「ジェミニ、あの…お願いがあるの」

 

 

 

 

 

一時間後…

 

「呼んだか⁇」

 

俺は横須賀に呼ばれ、横須賀の執務室に来ていた

 

理由は分からないが、至急と言われたので飛んで来た

 

いつもは明石がいるのに、今日は横須賀一人だ

 

「レイ。この写真見て」

 

横須賀の手元にある写真を取ろうとしたが、上に上げて取られない様にした為、余程大事な物らしい

 

「どれ…」

 

写真は、かなり年季の入った白黒写真

 

男性と女性が写っている、至って普通の写真だ

 

ただ、その男女に見覚えがあった

 

「俺達こんな写真撮ったか⁇」

 

「そう思うでしょう⁇この写真に写ってるの、私のお父さんとお母さんなの」

 

自分に見間違える位、男性は俺に瓜二つだった

 

そして、隣に写っている女性…サラもやはり横須賀とよく似ている

 

遺伝ってスゲェな…

 

「で…お願いがあるの」

 

「何だ⁇」

 

普通のお願いではなさそうなのは確かだが、何を頼まれるか全く分からない

 

「お…お母さんとデートして欲しいの‼︎」

 

 

 

 

 

一時間前…

 

「何これ‼︎私とレイじゃない‼︎合成写真⁉︎」

 

横須賀はサラからあの写真を見せられていた

 

「違うわ。この人は貴方のお父さんよ」

 

「うっわ〜…」

 

一昔前の赤みがかった髪の自分と、今とあまり変わらないレイがそこにいる様な写真に、横須賀は驚きを隠せない

 

写真の裏に書かれていた

 

マーク・コレット

 

サラ・コレット

 

の名を見て、ようやく自分達では無いと理解した位だ

 

「ボディラインも遺伝したら、タイプの異性も遺伝するのね…お母さん、マーカスさん見た時ビックリしちゃった‼︎で…相談なんだけど…」

 

「抱いたら承知しないからね」

 

「ジェミニは話が早いわね‼︎」

 

「電報入れたら、彼はすぐ飛んで来るわ」

 

「間宮で待ってるわ‼︎」

 

サラは意気揚々と執務室から出て行った

 

 

 

 

 

 

「って訳。お母さん、ちょっと抜けてるから、今日はアンタをお父さんと思って扱うと思うわ…」

 

「決定なんだな…」

 

「先払いでお礼しとくわ」

 

いつもは俺からするキスを、今日は横須賀からして貰った

 

多分、このキスは”ちゃんと私の元に帰って来い”と言う意味だろう

 

「これで断れないでしょ⁇」

 

「相変わらずズルいな…」

 

「大体私と同じ扱いで良いから。ねっ⁇」

 

「って言われてもなぁ…」

 

「お母さん、きっと寂しかったんだと思うわ…お願い」

 

横須賀は両手を合わせてスリスリしながら、涙目で此方を見詰めた

 

「そんな目で見られちゃ敵わないだろ…」

 

「ありがと‼︎助かるわ‼︎」

 

「ったく…失敗しても知らんからな‼︎」

 

「あっ、レイ。後コレあげるわ」

 

横須賀から受け取ったのは、俺が昔吸っていたアメリカのタバコだ

 

今は切り替えて日本のタバコにしているが、このタバコを吸うのは久し振りだ

 

「この前行商船で買ったの。アンタにあげるわ」

 

「サンキュ。切らしてたんだ」

 

タバコを受け取り、俺は間宮に向かった

 

 

 

 

 

「マーくんっ‼︎こっちこっち‼︎」

 

間宮に入ると、いつも俺達がだいたい座っている席にサラさ…サラが座っており、立ち上がって手招きしていた

 

マーくん…だと⁇

 

おちょくりも含め、レイ君とは呼ばれた事はあるが、マーくんは初めてだ

 

「待ったか⁇」

 

「ううん‼︎サラも今来た所よ‼︎」

 

「お待たせしました。ショートケーキとコーラです」

 

注文していないのに、俺が一人で来る時、いつも頼んでいるショートケーキとコーラが目の前に置かれた

 

「まだ頼んでないぞ⁇」

 

「サラが頼んだの。マーくん好きでしょ⁇」

 

「よく分かったな。頂きます」

 

「うふふっ。ど〜ぞ」

 

サラと横須賀は本当に良く似ている

 

ただ、気遣いはサラの方が上か…

 

「サラは食べないのか⁇」

 

「マーくんが食べるのを見るのが好きなの」

 

「…ほらっ」

 

俺はフォークに小さく切ったショートケーキを乗せ、サラの口元に置いた

 

サラはそれを口に入れ、唇でフォークに付いたクリームまで取る様にフォークを口から出した

 

「美味しいか⁇」

 

「うんっ…美味しいわ‼︎」

 

「ふっ…」

 

ショートケーキを飲み込み、サラは両手で頬杖をつきながら俺を見つめ始めた

 

「マーくん煙草は⁇」

 

「吸っていいか⁇」

 

内ポケットからタバコを出し、一本咥えると、サラはライターを手にしていた

 

「はいっ」

 

「すまん…ありがと」

 

「うふふっ。マーくん、いつもその煙草なのね」

 

サラがそう言い、横須賀がこのタバコをくれた意味がようやく分かった

 

「気に入ってるんだよ」

 

タバコを一本吸い、コーラを飲み干す

 

「ごちそうさん」

 

「い〜え」

 

財布を出そうとした時、間宮に止められた

 

「お代は頂いておりますよ」

 

「サラの奢りよ⁇」

 

いつも奢る立場に立っているので、久し振りに誰かにこうして食べさせて貰った気がする…

 

「ありがとう。どこ行きたい⁇好きな所言ってくれ」

 

「マーくんに着いて行くわ‼︎」

 

そう言って、サラは俺の腕に自身の腕を絡めた

 

横須賀より大きいバストを押し付けられるが、普段横須賀で慣れているので、あまり興奮はしなかった

 

間宮から出て、俺達は繁華街をブラブラし始めた

 

「レイさんなのです」

 

「浮気してるわ‼︎う〜わ〜き‼︎」

 

「なのです‼︎」

 

「う〜わ〜き‼︎」

 

「なのです‼︎」

 

雷と電は手拍子付きで俺をおちょくる

 

「浮気じゃない」

 

「嫁がいるのに他の女の人と歩いていたら浮気なのです‼︎」

 

「そうよそうよ‼︎」

 

「いいか、雷電姉妹よ…」

 

膝を曲げ、二人の肩を抱き寄せた

 

「触んなのです‼︎」

 

「変態‼︎悪魔‼︎」

 

「俺はこの人の旦那だ。騒ぐんじゃない」

 

そう言って二人を軽く睨んだ

 

「ひっ…」

 

「殺されるのです‼︎」

 

「分かったな」

 

「わ…分かったわ…」

 

「うぅ…」

 

「よしっ。良い子だ。正直な子には小遣いをやろう」

 

俺はポケットから1000円札を二枚取り出し、それぞれに渡した

 

「好きなもん買っていいぞ」

 

「あ…ありがと…」

 

「…シケてるのです」

 

「なっ何だと⁉︎」

 

金が足らないと思い、もう一度ポケットを弄った

 

「電は金がシケてるなんて言ってないのです‼︎シケてるのはレイさんの女たらしの性格なのです‼︎バイバイなのです‼︎」

 

「あ、ありがとう、レイさん‼︎」

 

「ちっ…あれじゃあタチの悪いカツアゲだぜ…」

 

「マーくん⁇」

 

「すまんすまん。行こうか」

 

「うんっ」

 

 

 

 

「レイさんお金くれたわ‼︎」

 

「ホントは良い奴かもなのです」

 

「君達」

 

「だっ、誰⁇」

 

「やめろなのです‼︎金ならやるのです‼︎」

 

雷電姉妹は何者かに頭を打たれ気絶した

 

「しまった…間に合わなかったか。しっかり護衛しなくては…」

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