今回のお話は、サラの艦載機と演習をするお話です
艦娘が出て来るのが少ないかも
「もうすぐクリスマスか」
「良かったな。今年は相手がいて」
「ケッ‼︎オメェは家族団欒でチキン食うんだろ⁇俺は横須賀のプレゼントで四苦八苦するのが関の山だ‼︎」
俺とアレンはスカイラグーンでコーヒーを飲んでいた
後ろでは、トラックさん、ラバウルさん、ワンコ等、提督一同がクリスマスの計画を練っている
「いやぁ〜、さぶ〜っ‼︎」
「身に染みるわ〜」
健吾と北上も来た
北上の薬指に指輪があるのを見ると、健吾とケッコンした様だ
「健吾もコーヒーでいい⁇」
「うん」
「扶桑さん。あったかいコーヒー二つね」
「はい。少々お待ちを‼︎」
「お疲れ様です」
「お疲れさん。すまなかったな…」
「気にしないで下さい。しかしまぁ、強かったですね…」
この日の朝、サラから連絡が入った
《マーくん。サラ引退したけど、今度艦載機を横須賀に引き渡すの》
「ほう。横須賀にいたぶられない様にな」
《それでねマーくん。調整をしたいから、演習をお願いしたいの。サラから発艦するのも最後だし…》
「了解した。すぐに向かうよ。タウイタウイか⁇」
《そう‼︎今ラバウルの人もいるから、マーくんの方の配備も完璧よ⁉︎じゃあね‼︎》
「隊長、ちょっと行って来る」
「いや。私も行こう。な〜んか嫌な予感がするんだ…」
「俺等の嫌な予感は当たるからなぁ…」
〜タウイタウイ演習空域〜
着いてすぐに補給をし、終えた直後、俺達はラバウルの連中と話す間も無く空域へと上げられた
演習内容は敵航空部隊の奇襲を想定したもので、俺達に事前情報は与えられなかった
与えられたのは、二部隊来ると言う事だけ
《レイの義理のお母さんの部隊か…強そうだな》
「お前が空に上がって口開くと全部死亡フラグになるからやめろ‼︎」
《レーダーに感‼︎来ました‼︎》
クイーンの言葉で、全機臨戦態勢に入る
《識別信号確認…来るよ‼︎》
太陽が出ている方角から、四機のレシプロ機が襲い掛かる
《ヘルキャットですか…SS隊、散開》
《散開しろ。奴等手練だ》
二人の隊長の言葉で、全機散開
二人共一切の焦りを見せず、場を的確に判断している…
《レイ。ウィングマンが必要だ》
「ウィルコ。アレン、生きろよ‼︎」
《お前もな‼︎》
《バッカスは私、ギュゲスはあみさんと‼︎二機で一機を仕留めましょう‼︎良いですね‼︎》
《オーケー。健吾。ちゃんと着いて来なよ〜》
それぞれに別れ、敵を追い掛ける
《くそっ。速いな…》
「うわっち‼︎」
体当たりでもするかの様に、敵航空機はフィリップを横切って行く
死を恐れていない…
俺達空軍にとって、これ程怖い相手はいない
そして、二度目のヘッドオン状態
「マジかこいつ‼︎」
完全に当たると確信していた機銃が当たらない
だが、向こうも同じ感情を抱いていた
そしてまたすれ違う
「このパイロット、普通じゃねぇな…はっ」
ヘルキャットのボディのエンブレムに気が付いた
「八重歯の天使のエンブレム…マズイ‼︎」
《どうした⁇》
「味方機に告ぐ‼︎敵は”ジブリール隊”‼︎繰り返す‼︎敵はジブリール隊‼︎」
《じっ、ジブリール隊だと⁉︎》
隊長が驚くのも無理は無い
随分前に話したとは思うが、反攻作戦の時、生き残った連中がいる
サンダーバード隊…
SS隊…
サンダルフォン隊の一部…
そしてこのジブリール隊
この部隊はアメリカ海軍航空部隊であり、俺達の教本にも模範飛行部隊として載っている程、昔から存在していて、かなりの手練だ
あの反攻作戦の時だって、全機無傷で帰投したとのデータもある
それが、まさかサラの艦載機だったとは…
「やれるのか…俺に…普通のレシプロ機じゃねぇ…」
気が付けば、操縦桿を握る手が汗でビッショリになり、震えていた
《僕達ならやれるよ》
「フィリップ…相手は強大すぎる。レシプロであの腕だ」
《レイは震電を操縦したでしょ⁇スッゴク速かったよね⁇》
「あぁ…」
《レイは、その震電を操縦するパイロットの教官になったよね⁇僕もやったよ‼︎》
「…何か策があるのか⁇」
《僕に考えがあるんだ》
「えぇいクソッ‼︎速すぎる…」
《バッカス。諦めてはいけませんよ》
ラバウル&アレンコンビも苦戦していた
それは健吾と北上のコンビも同じであった
「あ〜…速いね〜。面倒くさいね〜…健吾、生きてる⁇」
《大丈夫です》
だが、そこはやはり凶鳥と呼ばれた連中
相手の攻撃を回避しては、何とか背後に着く
が、ここで全員を悩ませる事態が発生する
「あ〜…」
気の抜けた声を出しながら、北上はヒラヒラと飛ぶヘルキャットを眺める
彼等を悩ませるのは、レシプロ機特有の機動性だ
特に旋回機動
レイが言った通り、普通のレシプロ機ならジェット機に勝てる訳が無い
遠方からミサイルで撃たれて御陀仏だ
だが、接近戦となれば少し違って来る
勿論、性能ではジェット機の方が遥かに上だ
だが、それは載っているパイロット次第であるのは言わずもがな
今はそれが逆転しているのだ
ヘルキャットに載っているパイロットの腕は、此処にいる全員の想像の遥か上を行っていたのだ…