少し前
照月は貯蔵庫に辿り着き、早速めぼしい食べ物に手を伸ばした
「うへっ‼︎何これ〜‼︎」
照月は口に入れたモノを吐いた
「腐ってる。照月、腐ったのは食べないよ‼︎」
緑色のカビが生え、カチカチになったパンを床に投げ、別のモノを探す
「向こうにあった燃料も酸化してるし、この炭酸のジュースは炭酸抜けてる…」
照月は不信感を抱いていた
食べる物や、補給するもののお粗末さに
「あっ‼︎レーション‼︎」
ようやくダンボールに入っていたレーションを見付け、まずは日にちを確認する
「うんっ‼︎これなら大丈夫‼︎いただきま〜す‼︎」
照月はレーションを一つ、また一つと開け、10分もしない間にダンボールの中に入っていたレーションをペロリと平らげた
だがしかし、そんな量で足りるハズがない照月
ウン十万のカロリーを取ろうが、照月は腹に入ってしまえば関係ない
美味しくて、量が多いモノが照月を喜ばせるのだ
「あっ‼︎缶詰‼︎」
棚一面に缶詰のダンボールが置いてある
カニ
おでん
パイン
ミカン
「わぁ〜っ‼︎」
色とりどりの缶詰を目の前にして、照月は目を輝かせた
照月は缶詰を手に取り、再び日にちを見てから大丈夫だと確認
「えいっ‼︎」
缶詰のフチを親指の爪で穴を開け、ぐるっと一周して中身を飲む様に食べ始めた
「おミカンおいひ〜‼︎」
ミカンの缶詰の空き缶が積まれて行く
「次っ‼︎照月の好きなおでんっ‼︎」
おでんの缶詰を三つ程食べた時、貯蔵庫に誰か入って来た
「誰⁇」
「私は照月‼︎」
「あっそ。何でも良いけどさ、出てって…」
柱島の提督は、照月の後ろを見て驚愕する
あれだけあった貯蔵庫の食物が、ほとんど無くなっているからだ
「何で食べたの⁇」
「照月だからっ‼︎あげないよ‼︎」
照月は周りにあった缶詰を抱えるだけ抱えて、柱島の提督を睨んでいる
「人のモノ取ったら泥棒だろうがぁ‼︎」
「おじさんだって駆逐艦の子とか、プリンツさんの艤装取ったりしてるじゃん‼︎照月は”いいよ”って言われたから食べてるの‼︎」
「こいつっ‼︎」
柱島の提督は照月に殴り掛かろうとしたが、ほんの一瞬、照月の身体つきに目が行った
小学生位の体格なのに、出る所は出ている
柱島の提督は照月でムラムラし始めた
「最近ご無沙汰だし…最後位いいよな」
柱島の提督はベルトを外しながら照月に近付く
「照月、今からおじさんが何するか知ってるよ」
「ほぅ⁇なんだい⁇」
「照月のお尻にソレ、挿れるんでしょ⁇」
「良く知ってるねぇ。まっ、飯代分位は返して貰うね」
「そんなちっちゃいので照月が満足すると思う⁇」
もう照月に性的な攻撃は効かなかった
「いいよ、おじさん。照月にソレ挿れたら気持ちいいんでしょ⁇」
「そうだね」
「でもその代わり、それが終わったら、照月はおじさんを殺すよ⁇それでもいい⁇」
「やれるならねっ‼︎」
柱島の提督は照月を押し倒そうとする
が、照月は何故か倒れない
照月はコンクリの床に座ったまま、缶詰を食べ続けている
「な…なんで⁉︎」
今の照月はレーションやら缶詰を食べまくった後である
体重は計り知れない
多少太った男性が押し倒そうとしてもビクともするハズがない
「おじさん、知ってる⁇」
「な…なんだ…」
「女の人のお尻にソレ挿れるのって、好きな人とやるんだよね⁇」
「さぁ⁇」
「照月、おじさん嫌いだよ⁇」
「あっそ」
柱島の提督は子供相手にも白を切る
そしてまた襲い掛かる
「あっ…」
押し倒され、ようやく照月は仰向けになった
「照月に痛い事したら、ちゃんとお兄ちゃんの所に行ってね⁇」
「はいはい」
「その必要はないダズル‼︎」
「がっ…」
急に柱島の提督が倒れた
「榛名さん‼︎」
「ったく…監禁とか横領とか云々の前に婦女暴行で逮捕ダズル‼︎」
「榛名さん、ありがとう‼︎」
「大丈夫ダズルか⁇」
「うんっ‼︎照月、大丈夫‼︎」
榛名は照月の背後に沢山積んであるレーションや缶詰の空き缶を見て、少し微笑んだ
「さ、此奴をみんなの所に連れて行くダズル」
「うんっ‼︎」
榛名は柱島の提督を紐でぐるぐる巻きにし、照月と片足ずつ持ち、俺達のいる所に戻って来た
「確保したダズル‼︎」
「照月、お尻にコレ挿れられそうになった‼︎」
照月は柱島の提督の股間部分を指差した
「なんだと…」
椎名は肩を震わせて怒っている
「おい。顔上げろ…」
椎名は柱島の提督の顎を持ち、ピストルの銃口を口に入れた
「質問に答えろ。いいな」
柱島の提督はうなづいた
だが、目はまだ諦めていない目をしている
「今、重要参考人を呼んでいる。すぐに来るから、そのまま待機しろ」
その頃、ラバウルの三人とワンコは戦闘機の格納庫に居た
「健一君。コレが何か…分かるかい⁇」
「えぇ…良く整備させて貰った機体ですからね」
黒いボディ…
雷鳥のエンブレム…
此処に居る四人は、忘れるハズも無かった
サンダーバード隊の戦闘機だ
しかもこれはグラーフの機体だ
「ワンコ‼︎コイツも分かるか⁉︎」
アレンの前には、大型のエンジンが置いてある
「この機体のエンジンですね」
「直せそうか⁇」
アレンの言葉を聞いて、ワンコは気付いた
「とっ…飛ばすんですか⁉︎」
「昔惚れた女が、どんな風景を見ていたか…見てみたいんだ」
ワンコは突然のアレンの告白に驚きはしたが、エンジンに目線を戻した
「レイさんに言ってもいいですか⁇」
「そっ、それだけはやめろ‼︎」
「冗談ですよ。心に仕舞って置きます」
「しかし、何でまたこの基地にこの機体が…」
「キャプテン‼︎分かりました‼︎」
健吾とラバウルさんが離れた場所で話しているので、ワンコとアレンも向かう事にした
「何が分かったんだ⁇」
「グラーフはあの日、この基地に不時着したんです」
「反抗作戦の時か⁇」
「はい。それで、その時から此処の提督をしていた彼は、グラーフにも手を出したそうです」
「何て事を…」
「まぁ、グラーフさんは反撃して結局何にも無かった様ですけど…」
「でも、何でグラーフは深海になった⁇」
「捨てられた…と、とある艦娘が証言しています」
「加古か⁇」
「あ…いえ」
「私です‼︎」
四人は現れた少女を見て納得し、五人は執務室に向かう
「ウィリアム」
「エドガー。そっちはどうだった⁇」
「懐かしい機体がありましたよ…それとっ」
ラバウルさんは少女の背中を押し、部屋の中に入れた
「プリンツ⁉︎」
「そう。貴方に捨てられたプリンツです」
「どうしてここに⁇」
「私がプリンツに話したの。そしたら来てくれるって言ってくれたの」
プリンツは柱島の提督を睨み付ける
「加古‼︎今のお前ならプリンツをやれる‼︎殺れ‼︎」
こいつの諦めていない目は加古の事か…
確かに加古は強い
ちゃんと集中すれば、プリンツと互角の強さだ
「え〜⁇何で〜⁇」
「命令だ‼︎言う事を聞け‼︎」
「あぁ、はいはい。命令ね。ずっと聞いてるよ」
「何で動かん‼︎」
「だって…ねぇ⁇」
何故か加古はグズる
そんな加古を見て、椎名が口を開いた
「加古。行方不明の二人の名前は⁇」