今回のお話は、横須賀の執務室から始まります
ここ数日で、デブになって腹痛を訴える横須賀に一体何が‼︎
この日も横須賀は執務室でゴロゴロしながら漫画を読んでいた
「明石〜‼︎明石ってば〜‼︎」
「はいはい。聞こえてますよ‼︎」
「ちょっと酒保行って、イカの酢漬けと炭酸のレモン買って来て」
「そんなにゴロゴロしてちゃ太りますよ⁇」
「明石も牛丼の食べ過ぎでポチャってたじゃない‼︎」
「って言うか、最近酸っぱい物よく食べますねぇ⁇」
「何か食べたいのよねぇ…よいしょ。お腹出て来たし…ヤダ、私もデブった⁉︎」
「提督…そのお腹、まさか⁇」
「ダイエットしようかしら…アイタッ‼︎」
横須賀のお腹の内側から痛みが走る
「最近多いのよね…痛いっての‼︎」
話している最中にも痛みが走る
「提督‼︎それ太ったんじゃないですよ‼︎」
「え⁇」
その頃、俺は哨戒任務に当たっていた
「よ〜し、敵影無し。ヘラ、そっちはどうだ⁇」
《大丈夫よ。付近一帯にステルス機の反応無しね》
「よ〜し、横須賀でシェイクでも飲むか⁇」
《私はチョコレートの奴ね》
《僕はイチゴ‼︎》
「ふふ。じゃあ俺はバニ…」
シェイクの話をしていると、モニターが赤く点滅した
緊急通信だ
相手は横須賀基地だ
「此方ワイバーン。横須賀基地、どうした」
《レイさん⁉︎大変です‼︎提督が‼︎》
無線の相手は明石だ
「落ち着け」
《すみません》
「んで⁇敵か⁇」
《事によっちゃあ敵より重大です‼︎提督、妊娠してます‼︎》
「ホントか⁉︎」
《ホントですよ‼︎嘘ついてどうするんですか‼︎今、たまたま横須賀にいたアレンさんに基地に連絡を入れて貰っています。そのまま此方へ‼︎》
「すっ、すぐ行く‼︎」
俺達は慌てて横須賀に向かう
《結局、夢も現実も代り映えしないわね…ふふっ、まっ、それで良いけど》
横須賀に着くと、明石を始め、艦娘の子達がソワソワしていた
「レイ‼︎」
「アレン、すまんな」
アレンは分娩室の前で座って待っていた
俺はアレンの前に立ち、きそと叢雲は分娩室の扉からどうにかして中を見ようとウロウロしている
「分娩室って…この間抱いたばっかだぞ⁉︎」
「アイちゃんの時もそうだっただろ⁇早いんだよ”艦娘”が産まれて来るのは」
「あ…」
やはり産まれて来る子は艦娘か…
「バケモノ傭兵コンビなのです‼︎」
「良かったわね‼︎」
雷電コンビだ
電の言葉は相変わらずトゲがあるが、雷はちょっと角が取れた気がする
「さっ、レイさん、ここからは女の仕事です‼︎」
「大丈夫。元気な子を取り上げて見せるわ‼︎」
千代田と千歳が分娩室に入って行く
「レイ、少し休め。タバコでも吸ってこい。こっから長丁場だ」
「し、しかしなぁ…」
「ソワソワしてても仕方ない。きそちゃんとお嬢は任された」
「う…うん…」
アレンの言う通りだ
こっから先、男は無力
横須賀はこれから俺には一生分からない痛みを経験をする
傍にいてやろうにも、分娩室は固く閉ざされている
「あっ、レイさん‼︎提督から伝言です‼︎」
タバコを吸いに行こうとした時、明石から紙を渡された
”子供の名前、考えておいて”
「分かった。しばらく考えるよ」
外に出て、タバコに火を点ける
「雪だ…」
火を点けた時、パラパラと降り始めた雪
よく見ると水溜りの端が凍っている
こんな寒い日に産まれて来るのか…
「よっ‼︎」
ギザギザ丸が来た
「ギザギザ丸か。すまんな、今日は構ってやれる余裕は無い」
「いいさ。分かってる。今日はお別れに来たんだ」
「お別れ⁇」
「あぁ」
ギザギザ丸は俺が立っていた階段に座り、空を見上げた