艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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144話 発動‼︎照月ック‼︎(2)

照月は不審船に侵入してすぐ、手の甲に巻いた艤装を構えた

 

そしてそれを出て来た人間に向ける

 

「ガンビアさん攻撃したのだぁれ⁇照月、ごはん食べてたんだよ⁇」

 

不審船の乗組員は、側面装甲に穴を開けて浸入して来た照月を化け物と認識し、照月を見るなり発砲を開始

 

「照月には効かないよ〜ん‼︎えいっ‼︎」

 

照月はレイの言った事をちゃんと聞いているようで、発砲して来た乗組員の足に向けて発砲を開始

 

だが、照月の手の甲の艤装は対空装備であり、目標付近で炸裂するヤバい奴

 

本来は人には撃てない様に設定されているのだが、今はそれが作動していない

 

照月の身に危険が及んでいるからだ

 

そんな強力な銃弾は、たった一発の銃弾で足を貫いたとしても大打撃を与えてしまう

 

現に銃弾を受けた乗組員の足は粉々に吹き飛び、床をのたうち回っている

 

「痛い⁇でも照月許さないよ⁇」

 

照月は床をのたうち回っていた乗組員を掴み、別の乗組員に投げて当てる

 

「あっ‼︎チョコレートだぁ‼︎」

 

乗組員を千切っては投げてを繰り返していると、照月の足元に誰かが持っていたチョコレートバーが二つ転がって来た

 

「照月、これ好きなんだぁ〜‼︎」

 

照月はそれを拾い、早速口にする

 

「あれっ⁉︎食べられない‼︎」

 

マスクが展開しているので、チョコレートバーが口に入らない

 

「ぐぬぬ…」

 

「いたぞ‼︎射撃開始‼︎」

 

「も〜っ‼︎」

 

照月はチョコレートバーを持ったまま、撃ってきた乗組員に対して猛ダッシュで突っ込んで行く

 

「照月ーーーーーック‼︎」

 

照月はそのまま飛び蹴りをかまし、そこにいた三人の乗組員が吹き飛ぶ

 

「マスク開けてよぉ〜‼︎あっ‼︎」

 

照月がそう言うと、マスクが解除された

 

「いただきま〜す‼︎」

 

照月はようやくチョコレートバーを口に出来た

 

「おいひ〜‼︎」

 

一口で一本食べ終え、いざ二本目に行こうとした時、チョコレートバーが吹き飛んだ

 

「あっ‼︎」

 

「そこを動くな‼︎」

 

少し離れた場所でアサルトライフルを構えている乗組員がいた

 

外見を見る限り、ボスに間違いなさそうだ

 

「照月のチョコレート…」

 

「動くな‼︎撃つぞ‼︎」

 

照月はそれどころではない

 

照月は食べ物を横取りされるのがこの世で一番嫌いなのだ

 

照月はゆっくりとそのボスに近付く

 

ボスはジリジリと後退しながらも撃てずにいた

 

照月から発せられている威圧感の所為だ

 

照月はボスに掴みかかり、大きく揺さぶる

 

「照月のチョコレート返して‼︎返して返して返して〜‼︎ね〜‼︎」

 

「ぐわわわわ‼︎や、止めんか‼︎撃つぞ‼︎」

 

「えいっ‼︎」

 

照月はゲンコツを振り下ろした

 

ボスの持っていたアサルトライフルはバラバラになり、部品が床に散乱する

 

「なっ…」

 

「照月のチョコレート返して‼︎」

 

「わ、分かった‼︎降参だ‼︎」

 

「降参とかいいの‼︎チョコレート返して‼︎」

 

「こ、ここにはない‼︎」

 

「チョコレート返して‼︎」

 

「い、命だけは‼︎」

 

「チョコレート‼︎」

 

照月の頭の中には、既にチョコレートしかない

 

ボスがどれだけ命乞いをしようとも、これ以降”チョコレート返して‼︎”としか言わなくなった

 

「反省します‼︎トマホーク撃った事も、蟹の密漁した事も‼︎」

 

「チョコレート返して‼︎」

 

「うわーーーん‼︎」

 

話が通じない照月相手に、ボスはとうとう泣き出してしまった

 

「確保‼︎」

 

ようやくガンビアから兵が送られて来た

 

「照月ちゃん、大丈夫か⁉︎」

 

ガンビアの艦長も来た

 

不審船に来てすぐ照月を見つけ、心配そうに声をかけた

 

「この人、照月のチョコレート撃ったんだよ‼︎」

 

「何て事を…代わりにコレをあげるから、その人を渡してくれるかい⁇」

 

艦長は内ポケットから板チョコレートを出し、照月に渡してみる

 

照月の事だから「これじゃない‼︎」とか言いそうだが、今はコレしかない

 

「ありがとう‼︎はい‼︎」

 

照月は案外素直にチョコレートを受け取り、ボスを渡してくれた

 

「来い‼︎」

 

「ううっ…照月怖い…」

 

ボス共々、乗組員はガンビアに連行された

 

不審船はガンビアに曳航され、犯人を降ろす為に横須賀を目指す

 

「カニさんだぁ〜‼︎」

 

不審船の中には、大量の蟹が水揚げされていた

 

「照月ちゃん。そのカニさんは毒でいっぱいだよ⁇」

 

「照月、毒はヤダよ」

 

「ガンビアでお肉食べるかい⁇」

 

「食べる‼︎照月、お肉好き‼︎」

 

「行こう」

 

「うんっ‼︎」

 

照月は蟹の入ったカゴの鍵を開け、海へと蹴り飛ばし、ガンビアへ向かった

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