「それで、ガングートもそこで預かって貰えれば、少しは粛清癖が治るかと…」
「まずは横須賀に預けてみては⁇」
「この基地に、ですか⁇」
「この基地の提督の旦那は彼です。何かあれば駆け付けてくれますよ」
「それは良い考えだ。だが、是非とも楽園に…」
「それは恐らく彼等の基地の事です」
横須賀が来た
良かった、口にご飯粒は付けていない
「貴方がたの話を聞く限り、彼等の基地が楽園です」
「なら話は早い‼︎是非ともガングートを‼︎」
「ふざけるな‼︎」
そう叫んだのはガングートだ
「ライコビッチ‼︎貴様私を見捨てるのか‼︎」
「ガングート、これは命令だ」
「嫌だぞ‼︎私は本国に帰る‼︎」
「ダメだ。ガングート、君は色々粛清しすぎた。その癖を治すまで、ここに居て貰う」
「ダメだダメだ‼︎ライコビッチ、お前も粛清だ‼︎」
「で、では我々はこれで…あ、これ名刺です。万が一何かあれば連絡を」
「ウガーッ‼︎待てライコビッチ‼︎」
視察団の連中は嵐の様に去って行った
名刺の裏に何か書かれている
”ガングート怖い。粛清癖が治ったら、日本の言葉で”つおいせんかん”になります。治ったら前線に出しても良いです。是非ご活用下さい”
ライコビッチより愛を込めて
実はライコビッチの視察団、ガングートが怖いので一目散に去って行ったのだ
「うわ〜〜〜ん‼︎ライコビッチのバカァ〜〜〜‼︎」
ガングートはずいずいずっころばしの店内で大泣きし始めた
「が、ガングートちゃんだっけ⁇食べましょうよ。ねっ⁇」
「ヤダヤダァ〜〜〜‼︎私に逆らう奴はみんな粛清なんだぞ‼︎」
ガングートは目を抑え、子供の様に泣いている
横須賀の目線が”なんとかしなさいよ”と訴える
「ガングート、本国では何食べてた⁇」
「グスッ…しゃ〜もん…」
「サーモンもあるぞ⁇一緒に食うか⁇」
「ヤダッ‼︎本国に帰る‼︎」
拗ねるガングートを尻目に、わざとらしくサーモンの寿司が乗った皿を取る
「あ〜‼︎サーモンウメェ‼︎もっと食お〜っと‼︎」
「ウッ…グスッ…」
「ガングートが泣いてる内に食っちゃおっかなぁ〜⁉︎な、隊長‼︎」
「んめえんめえ‼︎」
隊長も見せびらかすかの様にサーモンを食べる
「わ、私の分も残せ‼︎粛清するぞ‼︎」
「ならこっち来い」
ガングートは俺の横でサーモンの寿司を食べ始めた
ぎこちない箸の持ち方で、ガングートはパクパク食べて行く
「美味いか⁇」
「…まぁまぁだな」
「もっと食うか⁇」
「もういい。ずいずいずっころばしは美味しいと分かった」
「そっか。デザートはどうする⁇」
「いらん‼︎本国に帰る‼︎」
「あ〜プリンウメェ‼︎」
「ウッ…」
「ケーキウメェ‼︎」
ガングートの周りでは、見せびらかすかの様にデザートを貪る大の大人が二人
「ウッ…ウッ…」
ガングートはどうしても本国に帰りたいのか、ポロポロと涙を流す
「大丈夫」
むせび泣くガングートの頭に手を置いた
「エッ⁇」
「ここには仲間が沢山いる。俺だって、隊長だって、横須賀だっている」
「あのホルスタインもここにいるのか⁇」
「ホルスタ…」
多分ガングートは横須賀の一部分を見て言っている
どうやらガングートにとって同性であり、包容力のある横須賀が、現状安心出来る相手の様だ
「ホントにいるのだな⁇絶対だな⁇」
「ホントだ。空軍は嘘をつかない」
隊長からも背中を押される
「う、嘘ついたら粛清だからな‼︎」
「結構だ」
それからガングートはヒックヒック言いながらもケーキを二つ食べた
「マーカス。おぶれ。おぶらなきゃ粛清だぞ」
「ホラッ」
ずいずいずっころばしから出る時、ガングートをおんぶして出て来た
さっきも言ったが、ガングートは結構小さい
流石にたいほうやひとみやいよまでとはいかないが、きそより少し高い位だ
なので、おんぶするのも容易だった
「すぅ…」
「泣き疲れたんかな⁇」
ガングートは眠っていた
お腹いっぱいになったのと、泣き疲れたのもあるのだろう
ガングートを執務室のソファに寝かせ、毛布を掛けた
「…ハッ‼︎」
毛布を掛けた途端、ガングートが目を覚ました
「起きたか⁇」
「マーカス、貴様私に変な事する気か‼︎粛清するぞ‼︎」
ガングートは胸を手で隠した
「ガキには手は出さんよ」
「ウッ…」
威勢を張ってる割には、子供扱いに弱いみたいだ
頭を撫でると、満更でもなさそうな顔をしている
「私はまだ認めた訳じゃないからな‼︎」
「はいはい」
「気に入らない事をしたら粛清するからな‼︎」
「分かったよ”ガン子”」
「ガッ、ガン子だと⁉︎ふざけるな‼︎粛清だ粛清‼︎」
「ガン子ちゃん。あだ名を付けられるのは、これからよろしくって意味なのよ⁇」
「ヤダヤダ‼︎ガン子なんてヤダ〜〜〜‼︎」
ガングートはソファの上で駄々をこねてジタバタしている
「ガン子が粛清を止めたらガン子って呼ぶのも止めてやる」
「なら私もあだ名を付けてやる‼︎まずはお前‼︎お前はホルスタイン‼︎」
「いいわよ」
「ウッ…なっ、なら、大佐はパイロット男だ‼︎」
「良い名だ」
「…マーカスは…イディオットだ」
「…よく分からんが、気に入った」
「そうかイディオット‼︎ふひひ…」
「お前はガン子だぞ。いいな⁇」
「あぁ‼︎構わん‼︎」
こうして、粛清ちゃんが横須賀で生活する事になった
…心配だな
ガングートが艦隊に加わります‼︎
ガングート…粛清ちゃん
ロシアから来た、粛清が口癖の艦娘
本国では色んな人を粛清しかけて来ており、そのせいで日本で面倒を見る事になった
体も考えも幼いので、粛清しても大して痛くないが、今後命に関わる事をする可能性が大なので、今回日本に送られて来た
横須賀内でのあだ名はガン子、もしくはガン子ちゃん
ちょっとイジるとすぐ泣いて駄々をこねるか、粛清しようとしてくる
子供扱いに弱く、頭を撫でられたり、おんぶされたりすると落ち着く