紙袋の中身を見た途端、顔が綻んだ
「喜んでくれるといいね‼︎」
「大丈夫。限定品のネームバリューは強い」
「何貰ったんだ⁉︎」
「「内緒っ‼︎」」
れーべとまっくすは頑なに紙袋の中身を見せてくれない
「さっ‼︎もう少ししたら私は家に帰るわ。今日の撮影の分で今しばらくの放送分は撮れたから、私はしばらく休むわ」
「俺も帰るよ。遅く帰ると大和に心配される」
「翔鶴、帰るぞ」
「はいっ、レイさん」
健吾と翔鶴が着替えるのを待った後、ビスマルクに見送られ、俺達は撮影所を後にした
「どっ⁉︎イケメン揃いでしょ⁇」
「えぇ…」
「心配無用よ‼︎彼等は私達の味方。取って食いやしないわよっ‼︎」
引っ込み思案な受付嬢の背中をバシッと叩くビスマルク
ビスマルクはここでこうしてパパに恩返しをしていたのだ…
「レイさん。私はここで」
「何だ⁇送ってやるのに…」
「Hey‼︎健吾‼︎」
「来た来た」
黒いオープンカーに乗ってやって来たのは…
「Dr.レイ⁉︎」
「あっ、アイちゃんか⁉︎」
紛れもなくアイちゃんだ
「Sorry‼︎これから健吾とデートなの‼︎」
「お父さんには言ったのか⁉︎」
「えぇ‼︎健吾と寝たら健吾をKillするって言ってたわ‼︎」
「うわぁ…」
「Dr.レイ。またテラツキ連れて来てね‼︎キソ‼︎また遊びに来てね‼︎」
「うんっ‼︎」
アイちゃんと健吾は手を振りながら去って行った…
「アイちゃん…運転出来たんだ…」
「マーカス様。はっちゃん達も帰りましょう」
「その前に本屋でしょ⁇」
俺達も帰路に着いた
約束通り、帰り際に本屋に寄る
「欲しいのあったら持って来い。今日のご褒美だ‼︎」
「僕、新刊の漫画にしようかな⁇」
「コンプチークにする」
「漫画の全巻セットにしよ〜っと‼︎」
「毎週組み立てる本の全巻にしなさいよ‼︎」
車から降りながら話すきそと叢雲がメチャクチャ高そうな分野の本を買わせようとしている
「アイツら…」
「ふふっ。レイさん、嬉しそうですね⁇」
「まぁなっ…」
俺と翔鶴とはっちゃんはまだ降りておらず、楽しそうに本屋に入って行く四人を眺めていた
「マーカス様。はっちゃん、文学コーナーで”たっちょみ”してますね⁇」
「ん。迎えに行くよ」
はっちゃんが車から降りた後、俺と翔鶴も降りた
「レイさん。私この辺に居ますね⁇」
「ん。了解」
翔鶴をファッション誌が並ぶ棚に残し、俺は軍事関連の雑誌コーナーに来た
軍事関連の雑誌は面白い
現場に居る奴の視点と、書いている側の視点が全く違うからだ
それに、ある程度の政治経済も何となく分かる
10分位軍事関連の雑誌をあれやこれやと読んでいると、まずはれーべとまっくすが来た
「僕これにしてい〜い⁇」
「私はこれ」
れーべは海外のコミック
まっくすは言った通りコンプチーク
「んっ。そろそろ探しに行くか…」
雑誌を置き、残りの連中を探し始めた
「レイの好きそうな本だね」
「案外こっちかも知れないわよ⁇」
きそと叢雲が、それぞれ手に本を持ってエロ本コーナーを見ている
「未亡人シリーズと女学生シリーズか。俺は残念ながらこっちだ」
「「あっ‼︎」」
俺はきそと叢雲の間から”金髪外国人シリーズ”のエロ本を手に取った
「お前らなぁ…そんな歳でエロ本を見てはいけません‼︎」
「ごめんなさい…」
「悪かったわ…」
「んでっ⁇本は決まったか⁇」
「うんっ‼︎コレにする‼︎」
「私はこれ」
きそは航空力学の本
叢雲は甘えさせ方のマニュアル本
次は翔鶴を探そう
と、思ったが、翔鶴は既にレジで会計を済ませていた
「買ってやるのに」
「あっ、いえ…自分のお給金で買ってみようかと」
「マーカス様。はっちゃん、コレにしようと思います」
丁度はっちゃんも来た
「おっ⁉︎新しい本だな⁉︎よしよし‼︎」
はっちゃんはやっぱり文庫本を持っていた
それらをレジで精算し、本屋を出て皆を車に乗せ、舞鶴へと戻った
「見ろ‼︎我にだって潜水は可能だ‼︎」
いざ舞鶴から基地へ帰ろうとした時、ゴリまるゆが潜水の練習をしていた
「はっちゃん、沈んでる様に見えます…」
「溺れるの間違いじゃないかなぁ…」
「ぶはぁ‼︎おっ溺れ…」
「言わんこっちゃないです…」
はっちゃんはきそに本を持たせ、ゴリまるゆの助けに入った
数秒で陸に上げられ、ゴリまるゆははっちゃんにこれでもかと怒られる
「いいですか⁉︎無理に潜水するからこうなるのです。潜水をしたいのなら横須賀にイクちゃんと言う潜水のインストラクターがいます。その人に教えを請うて下さい」
「り、了承した…」
ゴリまるゆは一瞬シュンとするが、すぐに立ち直り、俺達と二式大艇を見送ってくれた
基地に着くと、お昼ご飯が出来上がっていた
「またお願いするかも‼︎」
秋津洲タクシーが基地から飛び立つのを見送ると、ガンビアと神威が近付いてるのが見えた
「ただいま〜」
「おかえり。昼飯出来てるぞ」
「隊長、もうすぐ補給が来るぞ」
「ありがとう。一服がてら見に行って来るよ」
隊長が食堂から出た後、俺も昼ごはんを口にした
「お昼はオムライス」
昼はグラーフの作ったオムライス
「いただきます」
オムライスを食べていると、れーべとまっくすがいつもより早く食べている
どうやら紙袋の中身を早く誰かに渡したいみたいだ
「ごちそうさま‼︎」
「ごちそうさま」
ほぼ一緒のタイミングでオムライスを食べ終え、れーべとまっくすはニコニコしながら誰かに近付く
「照月ちゃん‼︎」
「なぁに⁇あっ‼︎照月にケーキくれるの⁉︎」
どうやら照月は紙袋の中身をケーキと間違えている
「ケーキの方が良かったかな…」
「これ、照月にあげる」
「なになに⁇」
照月は紙袋を二人から受け取り、中身を見た
「わぁ〜‼︎ブラック橘花マンだぁ〜‼︎照月にくれるの⁉︎」
「うんっ」
「この前のお礼」
少し前、れーべとまっくすは以前買ったシュネッケン製造マシーンで大量のシュネッケンを作り出したのだが、二人以外に好き好んで食べるのはプリンツぐらいしかおらず、大量のシュネッケンが余った
そんな時、照月は嫌な顔一つせずにシュネッケンを全て平らげ、挙句の果てに「美味しかった‼︎」「また照月に作ってね‼︎」と二人に言った
二人はそれが嬉しかった様で、今回の仕事でついでに貰える、限定品の超合金ブラック橘花マンを照月にプレゼントしたかったのだ
「照月、これ欲しかったんだぁ〜‼︎ありがとう‼︎」
照月が食べ物以外で嬉しそうにしている
流石の照月も超合金は食べない
食べないどころか、部屋に大切に並べてある位だ
「おっ‼︎いたいた‼︎照月ちゃん‼︎」
「ボス‼︎」
「これ、ガンビアの艦長と私からのお礼だよっ」
ボスは照月に包装紙で包まれた箱を渡した
「じゃあね‼︎また遊びに来るんだよ⁉︎」
「うんっ‼︎ありがと〜‼︎」
ボスは照月に箱を渡すとすぐに帰って行った
照月はキチンとガンビアと神威を見送り、食堂に帰って来た
「何かな〜⁇ケーキかなぁ〜⁇バームクーヘンかなぁ〜⁇」
包装紙を開けると、超合金の文字が見えた
「あっ‼︎」
照月の顔が明るくなる
照月は超合金を貰うとかなり喜ぶ
「ブラック橘花マンだぁ〜‼︎」
「え⁉︎」
「え」
「もうひとつは…ブラック橘花マンだぁ〜‼︎」
この日、照月の手元には、計3つのブラック橘花マンの超合金が来た
「良かったな照月‼︎それ、200個しかないらしいぞ‼︎」
「うんっ‼︎照月、橘花マン大好きなんだぁ〜‼︎」
隊長の言葉に、照月は超合金ブラック橘花マンの箱を全部抱きしめながら笑顔で答えた
「照月ちゃんが幸せなら、いっか‼︎」
「うん。大切にしてくれる」
皆考える事は一緒だ
照月へのお礼には、食べ物か超合金が良い事を知っている
この日、照月は3体のブラック橘花マンを組み立て、それぞれ違うポーズで照月専用の棚に飾られた…