出て来た瞬間、サラは飛び付く様にマークに抱き着いた
「サラに会いに来てくれたの⁇」
「サラっ…」
マークはサラをキツく抱き締めた
「マーくんマーくんマーくんっ‼︎」
二人を見ていて、俺はマークを越えられないと思った
やはり、サラと居る時は偽りの愛だったのだと実感させられた
「すまんな。長い間心配かけて…」
「ううん、いいの‼︎おかえりなさい、マーくん‼︎」
どうやらサラは俺と間違えていない様子だ
少しの間だけだが、サラの傍に居たから、それは何となく分かった
「マーくんありがとう‼︎マーくんを連れて来てくれて‼︎」
「俺はもうマーくんじゃないな…レイでいい」
「ダ〜メッ‼︎二人共マーくんっ‼︎」
サラは俺も抱き締めた
「二人共、サラの大切なマーくんよ…」
「わ、分かった…分かったから、さっ、サラ…」
「苦しい…」
俺もマークも、サラの胸に抑え付けられ息が出来なくなっていた
「ふふっ、Sorry‼︎」
幸せそうなサラを見て、俺はそっと引いた
その時、何故か胸の奥底が痛んだ
その答えはすぐに分かった
偽りの、誰かの代わりの愛だと分かっていた
自分の嫁の母親だと言う事も分かっていた
それでも俺は心の何処かで、サラを愛していた
それと、きその気持ちもちょっと分かった気がした…
「ナンダ。カナシイカ」
「いんや。幸せだなぁ…ってな」
「ハカセガシアワセナラ、ヴェアモウレシイ」
「ヴェアはこれからもマークの傍にいるのか⁇」
「ハカセガイラナイトイウマデ、ヴェアハハカセヲマモル。ソレダケ」
「マークの事、好きなんじゃないのか⁇」
「スキサ。ダカラダカレタ。ハカセニダカレタシ、ヴェアモダイタ。イッパイ。ダケド、ヴェアノハカセガスキハ、マタチガウ」
「尊敬とかか⁇」
「ソンナカンジ」
ヴェアは俺と少し話した後、パーカーの腹部分に付いたポケットからガムを取り出し、膨らまし始めた
「マーカスモタベル⁇フーセンガム」
「ありがと」
ヴェアの前に手を出すと、ヴェアはガムの入れ物を振り、二、三個ガムを出してくれた
「ブドウアジ」
「ありがと」
ガムを噛み、フーセンを作ろうとしていると、ヴェアは此方を見ながらフーセンを作って、割って、また口に入れた
「フフフ」
初めてヴェアの笑った顔を見た
結構可愛い
「ヴェア」
「ン」
マークが戻って来た
「これからも私と一緒に居てくれるか⁇手が必要な事がいっぱいあるんだ」
ヴェアがまた笑う
「ウン。ハカセガノゾムナラ」
「良かった良かった‼︎じゃっ、俺はジェミニと何か食ってくるよ‼︎」
何だか、この場に居てはいけない気がした
俺は数歩後退りした後、横須賀の居る執務室に戻った
「マーカス、キヲツカッテクレタ」
「今度マーカス達も誘って、みんなでご飯食べような⁇」
「ウンッ」
執務室に戻って来ると、学校から帰って来た清霜とガングートが、きその左右にくっ付きながらホームシアターを見ていた
「おかえりなさい」
「…ただいまっ‼︎」
横須賀の顔を見て、何だかホッとした
「レイ」
「何だ⁇」
「私、泣かないって決めたわ」
「何でた⁇」
「笑顔の方が似合うんでしょ⁇それに、子供達の前で泣いてたら示しが付かないわ⁇」
「二人きりの時位構わないさ」
「んっ…分かった…」
横須賀の頭を、子供達にしている様に撫でる
「やっぱりアンタの手は落ち着くわ…」
「イディオット‼︎ガン子も撫でろ‼︎」
「き〜ちゃんも‼︎」
「僕も‼︎」
いつの間にかホームシアターが終わっており、子供達が来た
俺は順番に頭を撫でた
三人共嬉しそうにしている
「この子達がジェミニの子か⁇」
「お父さん‼︎」
マークが一人で戻って来た
「ただいま〜っ‼︎」
「ただいま帰ったぞ」
朝霜と磯風も帰って来た
「オトン見ろ。い〜ちゃん100点取ったぞ」
「アタイも100点取ったぞ‼︎」
二人はすぐに俺の所に来てテストを見せてくれた
「よしよし‼︎凄いじゃないか‼︎」
「ちょちょ、ちょ〜っと待って⁉︎二人共、お父さんがどっちか分かるの⁇」
「匂いが違うなっ」
「オトンにはお母様の匂いが付いてる」
「ほほぅ⁇これは興味深いな…」
「あんだよ。アンタ誰だ」
「オトンの姿を模したスパイか」
朝霜と磯風はリュックから各々の武器を取り出す
「ちょちょちょちょっと待ちなさい‼︎朝霜‼︎鉄パイプしまって‼︎磯風はメリケンしまう‼︎」
「お前達のお爺ちゃんだ‼︎」
「オトンソックリだぞ‼︎」
「お父さんを模しても、アタイ達を騙そうったってそうは行かないぞ‼︎」
「はっはっは‼︎ジェミニの小さい時にソックリだな‼︎」
「…本当にお爺様か⁇」
「オトンのクローンじゃねぇのか⁇」
「ぐわっ…ちょっ…」
朝霜と磯風はマークにベタベタ触り始めた
「き〜ちゃんも触る‼︎」
「どわっ‼︎」
清霜が飛び掛かる様にマークに抱き着き、倒れた所をベタベタと触る
清霜は心を許すと懐く傾向にある
どうやら清霜はマークに懐いたみたいだ
「うぬ。大丈夫だ。彼に敵性反応はない」
「変な事したらズドンだからな‼︎」
「き〜ちゃんのお爺ちゃん‼︎」
「敵じゃないに決まってるでしょ‼︎もぅ…って言うか、どうやって敵じゃないって分かったのよ」
「匂いで判断したのと、これを使った」
磯風の手には、見た事がない装置が握られていた
「何だそれ⁇」
「あ〜ちゃんが作ってくれたのだ。これを使えば、相手の諸々の状態が分かる」
「朝霜っ‼︎アンタまた勝手に工廠使ったでしょ‼︎」
「ううう…悪かったってば‼︎そんなケンケン言うなよ…」
「疑うのは良い事だ。気にしないでいい…よっと‼︎」
マークは一旦清霜を横に置き、立ち上がった後清霜を抱き上げた
「なるほどな…」
「なるほど⁇」
「ふふっ、き〜ちゃんにはまだ早いかな⁇」
「き〜ちゃん知ってるよ。お父様は深海棲艦なんでしょ⁇」
「知ってるのか⁉︎」
「うんっ‼︎知ってる‼︎き〜ちゃん、お父様とお母様のハイブリッドだから強いの‼︎き〜ちゃんはお父様の力を受け継いでるの‼︎」
「みんな知ってるのか⁉︎」
そこにいた全員が頷く
その情報は、ガングートでさえも知ってる
横須賀も俺も、子供達に隠し事をあまりしていない
だから俺が深海棲艦なのも知っている
「そっかそっか。隠し事をしないのは良い事だ」
「さっ、レイ。ご飯食べに行きましょ。お腹空いたでしょ⁇」
「ん⁇あぁ、そうだな。行こう」
「オトンとお母様はデートか」
「そっ。二人の時間も必要なのよ⁇」
俺は横須賀に手を引かれてそのまま執務室を出て来た
「レイ、ごめんね」
「何がだ⁇」
「折角連れて帰って来てくれたのに、子供達があんな対応だし、私はどうしていいか分からないし…」
横須賀はパニックになっていた
だから父親が帰って来ても、涙を流せないでいた
「空いた時間は埋めらるさ。今からでも遅くはない」
「んっ…レイがそう言うなら…」
「だったら前向いてろっ‼︎」
「レイ…」
「大丈夫。俺も親父と会った時はパニックになったろ⁇そんなモンさ‼︎」
横須賀は何となく力無く微笑んだ
俺は横須賀を少しだけ抱き締めた後、繁華街に行き、二人でパスタを食べた…
マーク・コレットが横須賀基地に着任しました‼︎
深海棲艦”ヴェア”が横須賀基地に着任しました‼︎
マーク・コレット…深海側の科学者
サラの夫であり、横須賀の父
レイに瓜二つだが、他人の空似
深海の一件の後アメリカに戻り、処刑されたと思っていたが、オトモヴェアにより救出され、一命を取り留める
その後は深海側の基地で隠居しながら世界を飛び回り、休戦協定や各基地に輸送する資源等の要請を頼んでいた
榛名が見つけ、強奪した特殊な金属を一番最初に見つけ出したのは彼であり、ヴェアと共に平和利用しようと日々模索している
ヴェア…オトモヴェア〜
常にマークの傍に居る深海棲艦
黒いパーカーを着ており、丈の短いジーパンを履いている
フーセンガムが好きで、大抵は噛んでいる
パーカーの上からでも分かる位には胸が大きく、お尻もまぁまぁデカい
マークを”ハカセ”と呼んでおり、自身が産まれてからずっと彼の傍に居る
その為か、マークとは軽い肉体関係にあった時期もあったらしい
資料にあった通り、当初から味方であり深海側で一番最初に平和に目覚めた子でもある
頑丈で再生能力にも優れており、レイやマークが頑丈なのは、ヴェアの能力を移した為
実はグリフォンの外観資料を匿名で横須賀基地に送ったのは彼女