艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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タナトスが帰って来る前にちょっと休憩

タナトスが帰って来る前に、このお話ともう一話挟みます

もう一話が少しばかり残酷なお話になるので、現在何とかマイルドに仕上げている最中にてございます

ですので、前回のお詫びも含め、ひとみといよで癒されて下さい


ハーフタイム劇場〜ひとみといよの横スライド〜

ある日の朝、ごはんを食べ終えると床に座ったハズのひとみといよが横スライドしながら移動しているのが見えた

 

「いよはかいじょくらお〜‼︎」

 

「ひとみぱいえ〜つ‼︎」

 

そう言い残し、二人はスライドしながら廊下に消えて行った

 

「…何だ今のは‼︎」

 

「横にスライドしてたぞ‼︎」

 

あまりにもビックリし過ぎて、俺も隊長も一瞬思考が停止していた

 

隊長は新聞を机に置き、俺は昨日の報告書を放り投げ、二人の元に走った

 

 

 

 

「えいしゃんのおへや‼︎」

 

「とつえき〜っ‼︎」

 

ひとみといよは体勢を前向きに変えているが、座ったまま移動している

 

「えっとのした‼︎」

 

「おしゃしんみっけ‼︎」

 

二人は俺のベッドの下から写真を数枚取り出した

 

「こえあよこしゅかしゃん」

 

「えいしゃんのおよめしゃん」

 

「こえあぐらーふ」

 

「なんれぐらーふのしゃしんあるの⁇」

 

「わからん…」

 

「いたぞ‼︎」

 

「ひ〜っ‼︎」

 

「ひ〜っ‼︎」

 

俺と隊長が来た瞬間、ひとみといよは器用に俺達を擦り抜け、別の部屋へと向かった

 

「何なんだよあの移動方法は‼︎」

 

「何かに乗ってたな…」

 

確かにひとみといよは何かに乗って移動していた

 

「レイ、何か造ったか⁇」

 

「いや…」

 

ますます怪しくなる二人の移動方法…

 

 

 

 

 

「ぱぱしゃんのおへや‼︎」

 

「つくえのした‼︎」

 

隊長の部屋に置いてある机の下から、何やら怪しい本を抜き取り、中身を見る

 

「たかこしゃんみたいなひという」

 

本の中身は、貴子さんの様な褐色の肌の女性が掲載されている

 

「なんれはらか⁇」

 

「おふろはいるのか⁇」

 

「おちりかあよーぐうとだしてう」

 

「いた‼︎」

 

「ひ〜っ‼︎」

 

「ひ〜っ‼︎」

 

「捕まえたっ‼︎」

 

廊下で待機していた俺が二人を抱き上げた

 

そして、ひとみといよが何に乗っていたか分かった

 

…全自動掃除機だ

 

「るんたろっかいった」

 

「るんた〜」

 

全自動掃除機に手を伸ばす二人

 

「こえあげう‼︎」

 

ひとみの手から、何かの写真を貰う

 

「…」

 

「なんれぐらーふのしゃしん⁇」

 

「…いいか⁇絶対にグラーフに言うなよ⁇」

 

「わかた‼︎」

 

「いわない‼︎」

 

二人が素直で良かった…

 

この写真で何をしていたかバレたら大変な事になる

 

「おかしいな…」

 

顔面蒼白の隊長が自室から出て来た

 

「あっ‼︎い、いよ‼︎それは私の大切な本なんだ‼︎」

 

「こえ⁇」

 

いよの手には”褐色パラダイス”と題された意味深な本が握られている

 

「たかこしゃんみたいなひといた‼︎」

 

「いい子だから、それは返してくれ‼︎なっ⁉︎」

 

「あいっ‼︎」

 

いよは素直に隊長にエロ本を返した

 

「焦った…貴子にバレたらどうなる事や…」

 

「あ〜ら…面白そうな本ねぇ⁉︎」

 

隊長の背後から手が伸び、本を取られた

 

貴子さんだ…

 

「へぇ〜っ…ふぅ〜ん…」

 

貴子さんは真顔でパラパラと本を捲りながら、髪を逆立て始めた

 

「ウィリアムよ…私じゃ不満か…」

 

貴子さんはプルプル震え始めたと思えば口調が変わり、愛用の眼鏡を人差し指で掛け直した

 

「い、いや‼︎けっ、決してそう言う訳ではなくてだな‼︎え〜と、その〜…あ…あはは…」

 

貴子さんは怒ると武蔵に戻る

 

「ひ〜っ‼︎」

 

「ひ〜っ‼︎」

 

「説教をする。此方に来い‼︎」

 

「ホントすみません‼︎たっ、貴子さん‼︎」

 

ひとみといよがビビる中、隊長は食堂に連れて行かれた

 

「オトン」

 

「ぐ、グラーフ‼︎」

 

聞かれたか⁉︎

 

いや、そんなハズはない‼︎

 

「何でグラーフの写真持ってるの」

 

「こ、これはその…」

 

「貴子さんと一緒に説教する」

 

「俺は悪くない‼︎ホントだ‼︎」

 

「ひとみ、いよ。子供部屋で塗り絵しておいで」

 

「わかた‼︎」

 

「よいしょ…」

 

ひとみといよが腕から離れ、大ピンチの中、俺も食堂に連れて行かれた

 

「子供にとって悪影響とは思わんのか」

 

「…仰る通りです」

 

隊長がテレビの前で正座をして下を向いている

 

こんなうなだれた隊長、今まで見た事無い

 

「良いか⁉︎エロ本を買うなとは言わん。隠し場所はしっかり管理しろと言ってるんだ。分かったな⁉︎」

 

「はい…気を付けます…」

 

隊長の言葉を聞いて、貴子さんの顔が元に戻る

 

「ふふっ。なら許してあげる。気を付けるのよ⁇」

 

「はい…」

 

貴子さんからエロ本を返して貰い、隊長は俯いたまま食堂から出て行った

 

「次オトン」

 

「はい…」

 

グラーフに言われるがまま、隊長と同じくテレビの前で正座する

 

「グラーフの写真で何した」

 

「…人様には言えない事です」

 

「オトンの妄想の中のグラーフはどんなだ」

 

「…いつも大変な目に遭っております」

 

「気持ち良かったか」

 

「…はい」

 

「よし。それならいい」

 

何故かグラーフは写真を返してくれた

 

「は…え⁉︎」

 

「グラーフ知ってる。グラーフ、だいぶ前からオトンのオカズ」

 

「ゔっ…」

 

図星を言われて、ぐうの音も出なくなった

 

「でも、手を出さないなら、それ位はいい」

 

「何か…すいません…」

 

「ジェミニいるから控えろよ⁇分かったか」

 

「はい…」

 

「早く持って帰って。んで、ひとみといよの手に届かない所に置くの」

 

「分かりました」

 

素直にグラーフに従い、俺は部屋に戻り、グラーフは写真を別の場所に隠した…

 

今度はタペストリーの裏だ

 

絶対バレない

 

…バレないと信じたい

 

 

 

 

 

その後、俺は港でタバコを吸い始めた

 

横では隊長も煙草を吸っている

 

「…男って、辛いな⁇」

 

「あぁ…」

 

その日一日、俺達は心の中でギャン泣きをしていた…

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