艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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161話 心優しきリーパー(2)

「おっき〜‼︎」

 

「おっき〜‼︎」

 

二人を連れて港まで戻って来た

 

《創造主。そのちっちゃいのはなんでち⁇》

 

「お前の妹さ。ひとみ、いよ、ご挨拶しようか⁇」

 

「いよ‼︎」

 

「ひとみ‼︎」

 

《タナトスでち。さっ、中に入るでち》

 

メチャクチャ短い自己紹介を終え、タナトスの艦内に入る

 

「うぁ〜」

 

「あぉ〜」

 

二人は不思議そうにタナトス内部のモニターを見回す

 

「よいしょっ」

 

一番デカいモニターの前にある機器の上に、ひとみといよが普段被っているヘルメットを置き、ケーブルを接続する

 

《それはなんでち⁇》

 

「これを使って、セイレーンシステムをお前にインストールする」

 

《タナトスの人格を変えるつもりでちか》

 

「んな事しねぇよ。索敵能力を上げるんだ」

 

《創造主も成長したもんでち》

 

「俺より凄い奴がいるんだぞ⁇」

 

《へぇ。その内逢わせて欲しいでち》

 

「この前逢ったろ⁇」

 

《あの緑の奴でちか》

 

「そっ」

 

相変わらずタナトスは少し怒り気味で話す

 

そんなビミョ〜な空気を打ち破ったのは、大人しく座っていた二人だった

 

「れっち〜‼︎」

 

「れっちれ〜っち‼︎」

 

《いよとひとみだったでちか⁇》

 

「いよっ‼︎」

 

「ひとみっ‼︎」

 

《これは好きでちか⁇》

 

タナトスはモニターにイルカの映像を映し出した

 

「いるかしゃんら‼︎」

 

「いるかしゃんしゅき‼︎」

 

モニターを見て、キャッキャキャッキャとはしゃぐ二人を見て、俺は機材にもたれて腕を組んだ

 

「二人がイルカが好きって良く分かったな⁇」

 

《セイレーンシステムと一緒に、二人の好きな物も一緒に入って来たでち》

 

「二人は気に入ったか⁇」

 

《子供は最優先護衛目標でち。創造主が教えたんでち》

 

「良い子だっ…」

 

タナトスは確かに暴れん坊だ

 

だが、根は優しい奴だ

 

俺は、もしかするとタナトスにあれこれ命令し過ぎたのかも知れない

 

やれアイツを護れ、やれ攻撃をしろ等、少し言い過ぎた気がする…

 

挙げ句の果てには、何年も北極海に放ったらかしだ…

 

怒っても仕方ない

 

「よしっ。インストール完了だ‼︎」

 

《音響索敵、脆弱部探知でちか》

 

「いっぱい撃つのも良いが、一撃で仕留めるのも気持ち良いモンだぞ⁇」

 

《まぁ、その内試してみるでち》

 

「それと、新しい艦載機があるんだ。今度乗っけてみるか⁇」

 

《良いのじゃなきゃ海に沈めて来るでち》

 

「俺のお墨付きだ。安心しろ」

 

「いるかしゃん、ぴぉ〜んってしてう‼︎」

 

「ぼ〜うぽいってしてう‼︎じょ〜じゅじょ〜じゅ‼︎」

 

ひとみといよはモニターの中にいるイルカを指差したり、拍手を送っている

 

そんな二人を見て、俺は親の顔をしていたらしい

 

《創造主も父親になったでちか》

 

「まぁなっ。中々騒がしいけど、飽きない毎日だぞ⁇」

 

《創造主が父親とか、世も末でち》

 

「言ってろっ…」

 

タナトスから降りる前に、最後に兵装の確認をした

 

「タナトス。火器管制システムを出してくれ」

 

タナトスは黙ってモニターに兵装の各種を出した

 

・対空機銃6門

 

・艦首爆雷投射機2門

 

・艦首魚雷発射管4門

 

・対空ミサイルポッド16門

 

・側面衝撃波発生装置2門

 

・無人偵察機1機

 

・無人戦闘機2機

 

かつて最強を目指して造られた潜水艦らしい装備だ

 

艦首爆雷投射機なんて、浮上した際に、水上の敵艦に向かって投射して、突き刺して爆発するシロモノだ

 

タナトスのワンオフ装備であり、これを知っているのは俺とアレンしかいない

 

タナトスにセイレーンシステムをインストールしたのは、この兵装の命中率を格段に上げる為だ

 

衝撃波発生装置は、敵潜水艦に魚雷を撃たれた際に、衝撃波で誤作動を起こして誘爆させる為の兵装だ

 

これもタナトスのワンオフ装備であるが、燃費が良くない

 

それに防御兵装なので、敵艦に有効打を与えられない

 

特に異常は見当たらないが、一度大規模な点検は必要だな…

 

《タナトスは横須賀所属になるでちか⁇》

 

「お前はどうしたい⁇」

 

《創造主のお好きな様にするがいいでち》

 

「なら、俺が不在の時、家族を護ってやってくれ」

 

《そう言う事なら了解したでち‼︎》

 

タナトスは素直に了承してくれた

 

「よし、ごはん食べに行くか‼︎」

 

「いよもいく‼︎」

 

「ひとみもいく‼︎」

 

とは言う二人だが、未だ目線はモニターの先のイルカにある

 

そんな二人を抱き上げ、肩に乗せる

 

「タナトスにありがとうは⁇」

 

「たあとすあいがと‼︎」

 

「またみしぇてえ‼︎」

 

《また遊びに来るといいでち》

 

「じゃあな、タナトス」

 

《じゃあなでち》

 

俺達はタナトスから出た

 

 

 

 

 

港に降りた俺達は、早速皆の待つ執務室に向かっていた

 

「ひとみ、ないたえう⁇」

 

「るいるいるっこぉあし⁇」

 

「いよ、ぱんたえたい‼︎」

 

「ひとみ、おしゅしたえたい‼︎」

 

珍しく二人の意見が食い違う

 

「帰って来た‼︎」

 

執務室に戻って来ると、子供達がみんな帰って来ていた

 

「イディオット。ガン子も行きたい‼︎」

 

「い〜ちゃんも行くぞ‼︎」

 

「お父様‼︎き〜ちゃんも行きたい‼︎」

 

「よしよし‼︎んじゃあ行きますか‼︎」

 

そして俺達は”瑞雲”に向かった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かにさんおいしかった‼︎」

 

「いよちゃんもひとみも、わぁままいわない‼︎」

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