飲み物の所に来て、今度はひとみが品を取る
「ごつ、ろくつ、ななつ、はちつ‼︎」
サイダーを8つカートに入れると、横須賀は二人の頭を撫でた
「偉いわね‼︎ちゃんと数えられた‼︎」
「くふふっ…‼︎」
「よこしゅかしゃんのなれなれしゅき‼︎」
撫でられた二人は本当に嬉しそうな顔をしている
「さっ‼︎レジ行きましょっ‼︎」
俺はずっと三人の輪に入れずにいた
こうして幸せな三人を眺めているのも悪くないと感じていた
本来、辿る筈の子育ての道…
それを今、横須賀は経験している
最低な父親だな…俺は…
レジに来ると、ぴゃ〜が居た
「ぴゃ〜、横須賀さんだぁ‼︎」
「あら‼︎喋れる様になったのね⁉︎」
「うんっ‼︎酒匂、いっぱい頑張ったんだぁ‼︎」
横須賀と話しながら、ぴゃ〜はレジを打っていく
二つの事を同時に出来る奴は凄いと思う
「ありがとうございました〜‼︎また来てね〜‼︎」
「またくるお‼︎」
「ぴゃ〜ばいばい‼︎」
「ばいば〜い‼︎」
横須賀は買った物を袋に入れ、そのまま持とうとした
「貸せっ」
「あっ…」
「子供を頼む」
「…うんっ‼︎」
帰り際、横須賀は右でひとみ、左でいよと手を繋ぎ、帰路につく
俺は買った物が入った袋を背中で抱えて持ちながら三人の大分後ろを、タバコを吸いながら歩いていた
歩きタバコはあまりしないのだが、今はこうでもしないと落ち着かない
あの三人を見ていると、何故かは分からないが涙が出そうになるからだ
「すてぃんぐれい‼︎」
「たいほう‼︎」
貴子さんと買い物に行っていたたいほうが走って来たので、急いでタバコを地面に落とし、踏み付けて火を消す
たいほうは一瞬で俺の頭に登り、定位置に着く
「楽しかったか⁇」
「うんっ‼︎ママ、いっぱいたべてた‼︎おんどりゃあと、ずいずいずっころばしと、いせとずいうん‼︎」
「メッチャ食ったな…たいほうも食べたか⁇」
「うんっ‼︎おなかいっぱい‼︎」
いつもよりちょっと重いたいほうを頭に乗せたまま、横須賀達に着いて行く
「マーカス君ゴメンね⁇デート中なのに…」
「いいさ」
「…子供が小さかったら…そう考えてる⁇」
貴子さんにもバレた
俺はどうも隠すのが下手らしい
「あんな幸せそうな顔を見てたら…な⁇」
「心配しなくていいわ。いつかひとみちゃんもいよちゃんも大きくなって、朝霜ちゃん達みたいになる。それが早かったって思えば良いのよ‼︎」
「貴子さんは強いなっ…」
貴子さんは、悩みが吹っ飛ぶ位の笑顔を見せてくれた
「母は強いのよ⁇マーカス君のお嫁さんだってタフなのよ⁇」
「みんなそう言うな⁇」
「その内、マーカス君にだって分かるわ⁇」
「その内…かっ…」
「はっはっはっは‼︎」
貴子さんは急に高笑いをし始めた
「悩みがある時は笑い飛ばすのよ‼︎わっはっはっは‼︎」
「わっはっはっは〜‼︎」
たいほうも高笑いする
「…ははは。はっはっはっは‼︎」
俺も釣られて笑ってしまう
「さっ、たいほう⁇マーカス君はデート中だから邪魔しちゃいけないわ⁇」
「うんっ‼︎すてぃんぐれいありがとう‼︎」
「もう少ししたら帰るからな⁇」
たいほうを貴子さんに渡し、二人を見送る
「ふふっ。や〜っと笑った」
「えいしゃんわあってう‼︎わっはっは〜‼︎」
「ひとみもわあう‼︎わっはっは〜‼︎」
両サイドでレイの真似をする二人…
レイ⁇
貴方には分かる⁇
私、いつだって幸せよ⁇
子育てをしたいって思いは、やっぱりあるわ
でも、朝霜や磯風、清霜やガングートに囲まれて、騒がしい毎日も好きなの
だから、心配しなくていいわ…
でもありがとっ、心配してくれてっ
厨房に入る前に、俺はひとみといよに袋を持たせた
「しゃら‼︎かえってきたお‼︎」
「おつかいしてきた‼︎」
「ヒトミ‼︎イヨ‼︎ありがとう‼︎」
「頑張ったなっ‼︎」
サラもマークも、二人をたっぷり撫でる
そして横須賀が吠えた
「コラーーーーーッ‼︎」
「「こぁーーーーーっ‼︎」」
二人は横須賀の怒号が好きなのか、毎度毎度真似る
「事故に巻き込まれたらどうするのよ‼︎」
「ごめんなさい…」
「すまん…」
「行くなら行くでどっちか着いて行ってあげてよ‼︎」
「ごめんなさい…」
「すまん…」
横須賀はビックリする位、二人に爆弾を落とした
「ま〜きゅん、ぴよしゃんあいがと‼︎」
「らいじにすう‼︎」
「あぁ。すまなかったな…次は一緒に行こうな⁇」
「うんっ‼︎」
「しゃらもいっしょにいこうね‼︎」
「えぇ‼︎行きましょう‼︎」
「ジェミニ、マーカス。今日はご馳走だぞ‼︎みんな呼ぼう‼︎」
数十分後、朝霜始め、子供達が集まり、きそも帰っ来た
「タナトスはどうだった⁇」
「やっと僕の事分かってくれたよぉ…疲れたぁ〜」
きそはきそで疲れる作業をしていたみたいだ
「タナトスはホントにレイが好きだね」
「何か言ってたか⁇」
「何かある事に創造主が〜って言ってたよ」
「ありがとな、タナトスの相手してくれて」
「ううん‼︎僕も楽しかった‼︎」
「さぁっ、出来たわよ‼︎みんな食べて‼︎」
目の前にサラの手料理が大量に置かれる
「「「いただきま〜す‼︎」」」
その日、俺達は三世代揃った大家族でご飯を食べた…