まずは健吾の機体から狙わせる
健吾の機体の怖い所は、フラフラ運転してる様に見せかけて、いつの間にか背後に付かれている亡霊の様な操縦だ
「深追いするな。ケツに付かれたら、落ち着いて俺の所に引っ張って来い」
《ラジャー‼︎》
《へぇ〜‼︎中々やるじゃん‼︎》
二機を付かせ、健吾を追い回させる
「よ〜し、次は俺のライバル機だ。あいつは教本に従った丁寧でキレのある操縦をして来る。教科書に書いてある事を思い出せ〜」
《了解‼︎》
《中々やるじゃない…のっ‼︎》
残りの二機を付かせ、アレンを追い回す
「さ〜て、ボスキャラと行きますか…」
《サイクロップスが相手か…楽しみだね‼︎》
《私の相手はレイかな⁇来なさい。ウィリアムにも通用する飛び方を教えてあげます》
無線の向こうからでも伝わって来る、ラバウルさんの本気具合
隊長の次に戦いたく無い相手だが、逆に言えば一度相手をして見たかった人でもある
「そ〜だ‼︎こう言う時こそアレンのマネだよな‼︎」
《この戦いが終わったら、お母さんに花束を渡すんだ‼︎》
「俺、この戦いが終わったら、もう一つの指環を渡すんだ‼︎」
《誰に⁉︎》
《レイさんも二人目⁉︎うわっ‼︎》
《嘘だろ⁉︎しまった‼︎》
アレンのマネをして、死亡フラグを立てたつもりの一言が戦況を大きく変えた
俺の一言に戸惑ったアレンと健吾の二機に撃墜判定が出たのだ
「や〜いや〜い‼︎引っ掛かってや〜んの〜‼︎」
《チクショ〜‼︎》
《一本喰わされました…》
《ふふっ、ワイバーン…君も親鳥になったようですね…》
「やっぱ残ったか…」
《本気で行かせて貰います‼︎》
「来いっ‼︎」
上空で交差する二機
その姿は、既に地上に降りていたリチャードの目にも映っていた
「エドガーとマーカスか…サンダース隊‼︎よく見ておけ‼︎自分の息子に言うのもアレだが、あれがエース同士の戦いだ‼︎」
凶鳥と雷鳥が交差する上空
その時、横須賀に居た誰もがその様子を見上げていた…
数十分後…
「負けた‼︎」
「やっぱ歴戦の強者には敵わないや‼︎」
見事に負けた
流石は凶鳥の親鳥だ
負け犬の遠吠えになるが、俺は良い線は行っていた
だが、ラバウルさんはターンをしながら機首をいきなりカクッと曲げ、その瞬間に機銃を受けて撃墜判定が出た
今調べたが、ラバウルさんは的確にコックピットだけを狙い抜いていた
流石は凶鳥…
敵で出て来た時には、機体の前に俺が死んでいた
そんなラバウルさんを隊長は、模擬戦であれど勝ち抜いて来た
やっぱり、敵わないな…
「ふふっ。随分と成長しましたね⁇」
T-50を降りて来たラバウルさんが話し掛けて来た
「やっぱラバウルさんには勝てないか…」
「落ち込む事はありません。マーカスはよくやりました。ここまで私に楯突いて来たのは、ウィリアム以来ですよ」
「越えられない壁かぁ…」
「いた‼︎レイテメェ‼︎」
「誰とケッコンですか⁉︎」
アレンに軽く首を絞められ、健吾が楽しそうにそれを見ている
「冗談だよ‼︎悪かった‼︎」
「ったく…ローマ辺りにでも渡すかと思ったぜ…」
「俺もローマさんかと」
「やめろやめろ‼︎中途半端に気になるだろうが‼︎」
アレンを振り払い、三人で一旦笑う
「隊長‼︎」
機体を格納庫に停めたサンダースの連中が来た
「よ〜し、上出来だったぞ‼︎SS隊相手に撃墜判定は素晴らしい戦果だ‼︎今日は間宮で食っていいぞ‼︎親父の奢りだ‼︎解散‼︎」
「え''っ…よ、よ〜し‼︎来い‼︎間宮に行くぞ‼︎」
タイミングが良いのか悪いのか、丁度親父が来た
サンダースの連中は親父に着いて行き、間宮に向かった
「レイが隊長とか世も末だな…」
「俺は良いと思いますよ‼︎」
「アレンはアレだ。マジで地に足降ろしてアクセサリー作りに専念した方が商売になるな」
「褒めてんのかな〜⁇」
「俺は人の悪口は言わない質でね」
「さっ。アレン、健吾、レイ、きそちゃん。私達も間宮に行きましょう。好きなのを食べて下さい」
「ちょっとだけ工廠に顔見せて来る。すぐ行く‼︎」
「待ってますよ」
「帰って来んな〜‼︎」
「早く来て下さいね〜‼︎」
「分かった‼︎アレンのアホ‼︎」
俺はきそと共に小走りで工廠に向かった
「へへっ…」
「良い友人ですね」
「はいっ‼︎」
「私には、友と呼べる人間はウィリアムしか居ません…あ、健吾。あみさんは別ですよ⁇昔恋仲でしたからね」
「やっぱり」
「しかし、健吾には驚かされましたね。航空機は撃墜出来ても、私にはあみさんを撃墜出来なかった」
「は、恥ずかしいから行きましょうよ‼︎」
健吾は恥ずかしさを隠す為、二人の背中を押して間宮に向かわせた
「ふふっ…健吾も照れるんですねぇ⁇」
「今度大和に聞いておこう‼︎」
「アレンがそのつもりなら、ベッドで愛宕さんにデレデレになってるのレイさんにバラすよ⁉︎」
「でででデレデレじゃない‼︎骨抜きにされてるだけだ‼︎」
「「一緒っ‼︎」」
二人にツッコミを入れられながら、三人は間宮に向かった