艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

515 / 1101
165話 雷鳥の群れ(2)

まずは健吾の機体から狙わせる

 

健吾の機体の怖い所は、フラフラ運転してる様に見せかけて、いつの間にか背後に付かれている亡霊の様な操縦だ

 

「深追いするな。ケツに付かれたら、落ち着いて俺の所に引っ張って来い」

 

《ラジャー‼︎》

 

《へぇ〜‼︎中々やるじゃん‼︎》

 

二機を付かせ、健吾を追い回させる

 

「よ〜し、次は俺のライバル機だ。あいつは教本に従った丁寧でキレのある操縦をして来る。教科書に書いてある事を思い出せ〜」

 

《了解‼︎》

 

《中々やるじゃない…のっ‼︎》

 

残りの二機を付かせ、アレンを追い回す

 

「さ〜て、ボスキャラと行きますか…」

 

《サイクロップスが相手か…楽しみだね‼︎》

 

《私の相手はレイかな⁇来なさい。ウィリアムにも通用する飛び方を教えてあげます》

 

無線の向こうからでも伝わって来る、ラバウルさんの本気具合

 

隊長の次に戦いたく無い相手だが、逆に言えば一度相手をして見たかった人でもある

 

「そ〜だ‼︎こう言う時こそアレンのマネだよな‼︎」

 

《この戦いが終わったら、お母さんに花束を渡すんだ‼︎》

 

「俺、この戦いが終わったら、もう一つの指環を渡すんだ‼︎」

 

《誰に⁉︎》

 

《レイさんも二人目⁉︎うわっ‼︎》

 

《嘘だろ⁉︎しまった‼︎》

 

アレンのマネをして、死亡フラグを立てたつもりの一言が戦況を大きく変えた

 

俺の一言に戸惑ったアレンと健吾の二機に撃墜判定が出たのだ

 

「や〜いや〜い‼︎引っ掛かってや〜んの〜‼︎」

 

《チクショ〜‼︎》

 

《一本喰わされました…》

 

《ふふっ、ワイバーン…君も親鳥になったようですね…》

 

「やっぱ残ったか…」

 

《本気で行かせて貰います‼︎》

 

「来いっ‼︎」

 

上空で交差する二機

 

その姿は、既に地上に降りていたリチャードの目にも映っていた

 

「エドガーとマーカスか…サンダース隊‼︎よく見ておけ‼︎自分の息子に言うのもアレだが、あれがエース同士の戦いだ‼︎」

 

凶鳥と雷鳥が交差する上空

 

その時、横須賀に居た誰もがその様子を見上げていた…

 

 

 

 

 

 

数十分後…

 

「負けた‼︎」

 

「やっぱ歴戦の強者には敵わないや‼︎」

 

見事に負けた

 

流石は凶鳥の親鳥だ

 

負け犬の遠吠えになるが、俺は良い線は行っていた

 

だが、ラバウルさんはターンをしながら機首をいきなりカクッと曲げ、その瞬間に機銃を受けて撃墜判定が出た

 

今調べたが、ラバウルさんは的確にコックピットだけを狙い抜いていた

 

流石は凶鳥…

 

敵で出て来た時には、機体の前に俺が死んでいた

 

そんなラバウルさんを隊長は、模擬戦であれど勝ち抜いて来た

 

やっぱり、敵わないな…

 

「ふふっ。随分と成長しましたね⁇」

 

T-50を降りて来たラバウルさんが話し掛けて来た

 

「やっぱラバウルさんには勝てないか…」

 

「落ち込む事はありません。マーカスはよくやりました。ここまで私に楯突いて来たのは、ウィリアム以来ですよ」

 

「越えられない壁かぁ…」

 

「いた‼︎レイテメェ‼︎」

 

「誰とケッコンですか⁉︎」

 

アレンに軽く首を絞められ、健吾が楽しそうにそれを見ている

 

「冗談だよ‼︎悪かった‼︎」

 

「ったく…ローマ辺りにでも渡すかと思ったぜ…」

 

「俺もローマさんかと」

 

「やめろやめろ‼︎中途半端に気になるだろうが‼︎」

 

アレンを振り払い、三人で一旦笑う

 

「隊長‼︎」

 

機体を格納庫に停めたサンダースの連中が来た

 

「よ〜し、上出来だったぞ‼︎SS隊相手に撃墜判定は素晴らしい戦果だ‼︎今日は間宮で食っていいぞ‼︎親父の奢りだ‼︎解散‼︎」

 

「え''っ…よ、よ〜し‼︎来い‼︎間宮に行くぞ‼︎」

 

タイミングが良いのか悪いのか、丁度親父が来た

 

サンダースの連中は親父に着いて行き、間宮に向かった

 

「レイが隊長とか世も末だな…」

 

「俺は良いと思いますよ‼︎」

 

「アレンはアレだ。マジで地に足降ろしてアクセサリー作りに専念した方が商売になるな」

 

「褒めてんのかな〜⁇」

 

「俺は人の悪口は言わない質でね」

 

「さっ。アレン、健吾、レイ、きそちゃん。私達も間宮に行きましょう。好きなのを食べて下さい」

 

「ちょっとだけ工廠に顔見せて来る。すぐ行く‼︎」

 

「待ってますよ」

 

「帰って来んな〜‼︎」

 

「早く来て下さいね〜‼︎」

 

「分かった‼︎アレンのアホ‼︎」

 

俺はきそと共に小走りで工廠に向かった

 

 

 

 

「へへっ…」

 

「良い友人ですね」

 

「はいっ‼︎」

 

「私には、友と呼べる人間はウィリアムしか居ません…あ、健吾。あみさんは別ですよ⁇昔恋仲でしたからね」

 

「やっぱり」

 

「しかし、健吾には驚かされましたね。航空機は撃墜出来ても、私にはあみさんを撃墜出来なかった」

 

「は、恥ずかしいから行きましょうよ‼︎」

 

健吾は恥ずかしさを隠す為、二人の背中を押して間宮に向かわせた

 

「ふふっ…健吾も照れるんですねぇ⁇」

 

「今度大和に聞いておこう‼︎」

 

「アレンがそのつもりなら、ベッドで愛宕さんにデレデレになってるのレイさんにバラすよ⁉︎」

 

「でででデレデレじゃない‼︎骨抜きにされてるだけだ‼︎」

 

「「一緒っ‼︎」」

 

二人にツッコミを入れられながら、三人は間宮に向かった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。