「どわっ‼︎」
「マーカス」
「か、母さん‼︎」
マーカスはベッドの上で本を読んでいた
「毎度毎度ドア突き破って入って来ないでくれるか⁉︎ま〜た修理だ‼︎」
私はマーカスの部屋に入る時、車椅子で助走を付けて一気に入る
そうでもしないと、マーカスは開けてくれない
「寝れないのか⁇」
「ううん。寝れるわ。ね、マーカス。てぃーほうと貴子は、どこか似てる所があるわよね⁇」
「笑った所とかな。段々握力も上がって来てるから、その内貴子さんみたいにリンゴ位握り潰せるかもな」
「私とマーカスは似てる所あるかしら」
「言われて分かるモンなのか⁇」
「そう言われると辛いわ。探して頂戴」
「無茶言うなよ…」
軽くマーカスを追い込むのは、少し楽しい
マーカスは明日お休みだし、少し位話していても大丈夫だとは思う
「マーカス様。お茶を淹れました」
未だにこの子の名前をどう読んで良いのか、よく分からない
皆は”ハッチャン”と呼んでいるが、名前的には”Infinity-tyan”な気もする
「おっ。すまん」
「スパイト様も是非お飲み下さい。はっちゃんの特製です」
ハッ=チャンは私にもお茶を淹れてくれた
「Thank you」
「そうだはっちゃん。俺と母さんの似てる所ってあるか⁇」
「マーカス様とスパイト様ですか⁇そうですねぇ…」
ハッチャンは口元に人差し指を置き、少し考える
「マーカス様。これを掛けてみて下さい。スパイト様、メガネはございますか⁇」
「えぇ、ここに」
「掛けてみて下さい」
何ハッチャンは何故かマーカスに自身のメガネを渡した
私も言われるがまま、箱からメガネを出して掛けてみる
「ふむふむ…こうして見ると、少し似ていますねぇ…」
私もマーカスも赤い縁のメガネ
確かに横顔は似ている気もする
「では、メガネを取って下さい」
マーカスも私も言われるがまま、メガネを取る
「ふふ…お二方共、何気無い仕草がソックリです」
「なるほどな…」
マーカスも私も右手でメガネを素早く取り、片方だけ折り畳んで人差し指に掛け、腕を組む
今のマーカスの体勢は、私と全く同じだ
「ふふっ、良かった。似てる所があって‼︎」
「それと、はっちゃん的には子供の扱いも似ていると思います。マーカス様もスパイト様も、子供達と同じ目線でお話したり、一緒に楽しんでいます」
「やっぱ親子なのな…」
「自分では分からないモノね…」
「ふふっ…」
ハッチャンが笑う
自分達では気付いていなかったのだが、私達はお茶を口にしながら右を向いて飲んでいたらしい
クセは似るモノね…
「マーカス、ハッチャン。私は寝るわ。ありがとう」
「次はドア吹っ飛ばすなよ〜」
「おやすみなさい」
マーカスの部屋を出て、私も眠る事にした…