艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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173話 シマエナガ達の水浴び(4)

スーぴゃ〜マーケットの前に出店が出ており、ノボリに”かき氷”と書いてあった

 

これはタイミングが良い

 

「いらっしゃい‼︎おっ、レイか‼︎」

 

「摩耶‼︎」

 

最近よく摩耶に会う

 

摩耶は夏場、引っ切り無しに働いているみたいだ

 

「夏は稼ぎ時だからな。んでっ、どれにする⁇」

 

「すとおえい〜‼︎」

 

「ひとみもそえ‼︎」

 

「俺はレモン‼︎」

 

「ゴーヤもレモンにするでち‼︎」

 

「あきつ丸、龍驤。アンタ達は⁇」

 

「奢ってくれるんか⁉︎ほな、抹茶の練乳がけや‼︎」

 

「自分はこの”ぶるぅはわい”にするであります‼︎」

 

「じゃあそれと、私はメロン‼︎」

 

「ストロベリー2つとレモン2つ。抹茶の練乳とブルーハワイとメロンだな‼︎分かった‼︎そこに座って待っててくれ‼︎」

 

ベンチに座り、かき氷を待つ

 

「ホンマ、見るたんびにエェ男やなぁ〜」

 

「提督が羨ましいであります」

 

いつの間にか龍驤とあきつ丸が両サイドに座っている

 

ひとみ、いよ、ゴーヤは、いつの間にか横須賀の隣に座っている

 

「アンタ達も真面目にしてればその内見つかるわよ」

 

お前が言うな‼︎と、言おうと思ったが、ひとみといよの前だから止めておこう

 

 

「待たせたな‼︎」

 

それぞれのかき氷が来た

 

「いたあきます‼︎」

 

「いたあきます‼︎」

 

ひとみといよが小さく手を合わせて”いただきます”と言う仕草を見て、横須賀の顔が蕩ける

 

二人がぎこちない手つきでスプーンを持ち、口へ運ぶ仕草を見て、龍驤とあきつ丸の顔の筋肉も緩くなる

 

「ウチもあんな子できるやろか…」

 

「きっとできるであります。龍驤殿なら…」

 

「そうやって食べるでちか…なるほど…」

 

ゴーヤはかき氷も初

 

ひとみといよが食べるのを見て、自分も食べてみる

 

「ぐわっ‼︎い、いでででで‼︎」

 

ゴーヤが頭を抑え始めた

 

「今のは何でち⁉︎」

 

「一気に食うからやん‼︎」

 

「かき氷はゆっくり食べるでありますよ」

 

ゴーヤは毒を盛られたと勘違いしているみたいだ

 

初めて食べるかき氷は、冷たく甘く、ゴーヤは一気に掻き込んでしまった

 

俗に言う、アイスクリーム頭痛が来たのだ

 

「でも、中々美味しいでち‼︎」

 

ゴーヤはかき氷も気に入ったみたいだ

 

「よこしゅかしゃん、え〜ってして⁇」

 

「え〜…」

 

いよに言われるがまま、横須賀は舌を出す

 

「みおいいお‼︎」

 

「あきつんも、え〜ってして⁇」

 

「ろうれありあるら⁇」

 

「あおいお‼︎」

 

横須賀とあきつ丸の舌の色を見て、ケラケラ笑うひとみといよ

 

「れっち〜とえいしゃんも、え〜ってして⁇」

 

「え〜…」

 

「え〜…」

 

「きいお‼︎」

 

「あっきっき‼︎」

 

俺とゴーヤの舌を見て更に笑う二人

 

「う〜じょ〜は⁇」

 

「え」

 

龍驤も舌を出すが、あまり色は付いていない

 

「みおいいおちあう」

 

「抹茶のかき氷はな、舌に色付かへんねん」

 

「なうほお…」

 

「ひとみ、ついかああっちゃにすう‼︎」

 

ひとみといよのケラケラ笑いは横須賀も釣られる様で、いつも以上に笑顔になっている

 

 

 

 

「ごっそうさん‼︎」

 

「ごちそうさまであります‼︎」

 

「気を付けて帰るんだぞ⁇」

 

「ありがとうな‼︎」

 

「またであります‼︎」

 

かき氷を食べた後、龍驤とあきつ丸と別れ、俺達も帰路に着こうとした

 

「かにしゃんら‼︎」

 

「かにしゃん⁇」

 

ひとみといよが横須賀と手を繋ぎながら、瑞雲のストック蟹の水槽の中を覗いている

 

「たいほ〜のしゅきなろ〜ぶつ‼︎」

 

「ちょっきんちょっきん‼︎」

 

「ふふふっ…」

 

横須賀は蟹を見るのではなく、水槽の中を見ているひとみといよを見続けていた

 

「横須賀さんは随分子供好きでちな」

 

「まぁなっ…こう言う日位しか、年相応の母親にならせてやれないからな」

 

横須賀の年齢で言えば、本当に丁度ひとみといよ位の子供がいるはずだ

 

ひとみといよを連れて来た時位、アイツに世話を任せてやりたい

 

今日のプールの時、横須賀を見てそれを再確認した

 

「かにしゃんまたな〜」

 

「さいなあ〜」

 

「ごめんねレイ‼︎」

 

「いいさっ」

 

そして、横須賀と一緒に居るひとみといよを見て思う

 

いつもはたいほうと同じ位甘えん坊で、いつの間にか両肩に乗っているのに、横須賀と一緒に居る時はずっと横須賀の所に居る

 

二人も横須賀が好きな様だ

 

 

 

グリフォンに乗り、ひとみといよにシートベルトとヘルメットを被せるまで、横須賀は二人にベッタリくっ付いていた

 

「シートベルトはした⁇」

 

「ちた‼︎」

 

「ヘルメットはちゃんと被った⁇」

 

「かうった‼︎」

 

「ん…」

 

最後の最後で、横須賀は一瞬悲しそうな顔をした

 

「すぐ遊びに来るさ」

 

「そうね…待ってるわ⁇」

 

いつもの様に、飛ぶ前に横須賀と口付けを交わす

 

「「おぉ〜‼︎」」

 

目の前で大人のキスをしている俺達を見て、二人は小さく歓声を上げる

 

「さっ。キャノピーを閉める」

 

《挟まるでちよ》

 

横須賀がタラップから飛び降り、グリフォンを見つめる

 

「横須賀にバイバイしてやってくれ」

 

「「あいあ〜い‼︎」」

 

キャノピー越しから横須賀が二人に手を振るのが見えた

 

横須賀がひとみといよを愛おしそうに見つめたまま、グリフォンは横須賀から飛び立った…

 

 

 

「相変わらず綺麗な機体だなぁ…」

 

グリフォンが飛び立ってすぐ、工廠から顔を見せた朝霜が横須賀の隣に立っていた

 

「そうね…乗ってるパイロットも良い人なのよ⁇」

 

「…明日は雨だな」

 

「冗談言わないのっ‼︎さっ‼︎晩御飯の準備するわよ‼︎朝霜、手伝って頂戴⁇」

 

「あぁったよ」

 

後に朝霜は語る

 

この日の母さんは、いつにも増して美しかった…と

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