今回のお話は、久々のバトル&軽いシリアス回です
スカイラグーンで休憩していた隊長とレイは、一体何を見たのか⁇
昼下がり、俺と隊長はスカイラグーンでコーヒーを飲んでいた
きそはクイーンと共に、下で他の機体とお話をしてから来るらしい
「扶桑さん‼︎ミルクセーキ一つ‼︎」
「畏まりました‼︎」
「アレンだ。おい‼︎こっちだ‼︎」
「レイか⁉︎」
たまたま来たアレンも輪に入り、三人で話をする
「アイちゃんはどうだ⁇」
「大変だよ‼︎夜の健吾とあみの声マネをしてくるんだ‼︎」
「アレン…私達も通って来た道だ…」
真面目な目をしてド下ネタを言う隊長は貴重だ
隊長と貴子さんが夜、ベッドの上でする行為を次の日何故かひとみといよがマネをする
”うぃいあむ…たかこをらいて…⁇”
”おまえはわあままなこらな⁇”
”はえしくしないれ‼︎”
”はえしいのあしゅきなんらろ‼︎”
とかな
隊長と貴子さんはそんな二人を見て、顔を青くするが、ローマや母さんはいつも笑っている
「そうだぞ。俺なんか絵日記に書かれた‼︎」
俺は俺で、清霜の絵日記にビッシリと書かれた
”昨日の夜、お母様はベッドで寝ていたお父様の上に乗り、泣きながらスクワットをしていました。面白いと思いました”
その絵日記は、横須賀によって厳重に保管されている
子供は大人のマネをしたがるのはあながち間違っていないと良く分かる行為でもある
「アイちゃんも俺の耳元で真似してくるんだ…」
「もしかすると、乗り越えねばならん壁なのかも知れんな…」
「「「はぁ〜…」」」
隊長の言葉で、三人共ため息を吐く
「おっと」
タブレットに通信が入る
母さんからだ
姫〉画像ファイルが三枚あります
母さんは時々、訳の分からない画像を送ってくる
そうと分かっいても、画像は見てしまう
一枚目は、母さんがお昼ご飯を食べている写真
昼はミートスパゲッティを食べた様で、相変わらず口周りがドロドロになっている
二枚目は、食後の紅茶を飲んでいる母さんの写真
口はクッキーのカス塗れになっている
三枚目は、窓際にいるひとみといよの写真
「ん⁇」
その写真を見て、すぐに異変に気付く
いよが海面に向かって指をさしている
「ちょっと電話する」
すぐに母さんにテレビ電話を入れる
《マーカス⁇どうしたの⁇》
「ひとみといよはそこに居るか⁇」
《えぇ。ほら》
母さんの顔が画面から消えると、窓際に座っているひとみといよが映った
「ひとみ〜いよ〜」
二人を呼ぶとすぐに気付き、画面に向かって来た
《えいしゃんか〜⁇》
《ぱぱしゃんもいう⁇》
二人は互いに頬をくっ付けながら画面いっぱいに映る
「どうしたんだ⁇何かあったのか⁇」
《おふねいるお‼︎》
《れっかいおふね‼︎》
「船だぁ⁇」
《がんいあしゃんみたいなおふね‼︎》
《ぺちゃ〜ってちたおふね‼︎》
「ガンビアみたいにデカくて、ぺちゃ〜…方向は⁇」
《あっち‼︎》
ひとみといよが窓際に走り、指をさす
「ここの方向だ…」
アレンがキョトンとしている
「ちょっと煙草吸いがてら見てくる」
隊長が表に出た
「ありがとな。ちゃんと良い子ちゃんにしてるんだぞ⁇」
「わかた。はよかえってこいお〜」
「あえんしゃんさいなあ〜」
通信が途切れた途端、隊長が駆け足で戻って来た
「無線室を貸してくれ‼︎所属不明の空母が見えた‼︎」
「ど、どうぞ‼︎」
「レイ、アレン、そこで待機しててくれ‼︎」
「ウィルコ‼︎」
「了解‼︎」
俺が時折ラバウルの部隊に編入する様に、アレンも時折此方に編入する
単眼鏡で窓の外を見ると、確かに遠くの方に空母が見えた
それも飛び切り巨大な奴だ
「何処の艦隊だ⁇」
「護衛の艦船も居やがる…」
単眼鏡に映っているだけでもかなりの数がいる
何処かの艦隊が大規模攻勢に出たのだろうか…
「レイ‼︎アレン‼︎出撃だ‼︎」
緊迫した顔の隊長が帰って来た
「好戦派が大規模攻勢に出た。ここが狙われる可能性が高い」
「何⁉︎」
一番恐れていた事態が起きる
好戦派が一気に大規模攻勢に出たのだ
ここしばらく平穏を保っていたのは、艦船を建造する為の期間だったのか…
「イクノカ⁇」
俺達を引き留めたのは戦艦棲姫だった
「ここを護ってくれ。私達もじき戻る」
「アンナノトタタカッタラシヌゾ‼︎」
戦艦棲姫が吠えたのは初めてだ
それも、俺達の心配をする為に吠えた
「ユウカントムボウハチガウ‼︎オマエタチダケデモニゲロ‼︎」
「俺達がやらなきゃ誰がやる」
「心配するな。必ず帰る」
「俺ミルクセーキ飲んで無いから淹れといてくれよ⁉︎」
「マテ‼︎イツカエルカダケヤクソクシロ‼︎」
その問いに、隊長だけが応答する
「盆には来るさ」
「ワカッタ…ヤクソクダゾ‼︎」
そう言い残して、隊長は喫茶ルームを出た
「大佐っ…」
カウンターの向こうに居た扶桑さんが口を抑えている
「ドウシタ⁇」
戦艦棲姫は、隊長に言われた言葉の意味が分かっていなかった
「オボンニクルトイッタ」
「今年…もうお盆は過ぎてます…」
「エ…」
戦艦棲姫の顔が青ざめる
隊長の言ったあの言葉…
要は、魂になってここに帰って来るとの意味だった…
スカイラグーンから三機が上がる
《レーダーに反応無し…ジャミングの影響かなぁ…》
《此方も反応無しです》
クイーンとグリフォンのレーダーを持ってしても、敵の大規模艦隊が映らない
「どうなってやがる…」
《横須賀に連絡を入れてある。増援が来るまで私達で持ち堪えるぞ。いいな⁇》
《了解っ。まっ、レーダーに映らん軍艦なんざ、怪しさMAXだわな…》
《了解しました。イカロス、ワイバーン。今しばらく其方の部隊に編入します》
《頼んだ。もう一度通告を出してみる》
隊長は最後通告を出す
《此方横須賀分遣基地、サンダーバード隊。貴艦隊に告ぐ。所属と目的を述べよ》
隊長が通告を出し、数秒ノイズが続いた後、ノイズ混じりの返答が来た
《サンダーバード隊か。貴様等に我々の目的を答える義務は無い》
《これは最後通告だ。厄介な事になる前に反転せよ。繰り返す、これは最後通告だ》
隊長の通告を遮るかの様に、旗艦からの返答が来た
《全艦隊、上空の航空機部隊を叩き落とせ。敵に味方する輩を皆殺しにせよ》
《了解…残念だ》
《隊長、行こう。今の無線は全員に聞こえてた》
《撃ってくるぞ‼︎》
《散開しろ‼︎こうなれば増援が来るまで避けまくれ‼︎》
隊長の指示で、全機散開行動に移る
《……ク……ル……発艦‼︎》
混線した無線から、旗艦である空母から艦載機が発艦したのが分かった
《チッ…ジャミングの上に艦載機か…厄介だな…》
「…そうだ‼︎グリフォン、MSWを起動‼︎」
《なるほど‼︎オッケー‼︎》
MSWならレーダーに頼らなくても赤外線で当てられる‼︎
水面ギリギリまで高度を下げ、MSWを起動する