「おかちなににすう⁇」
「くっち〜にすう⁇」
すーぴゃーマーケットに着いた二人は早速子供用カートを二人で引き、お菓子コーナーに来た
「くっち〜いえた‼︎」
「ぽぷこ〜んは⁇」
「ぽぷこ〜んいえう‼︎」
カートにドサドサッとお菓子が入れられて行く
「クッキーとポップコーン入れたね…」
スパイ二人はコソコソ動きながら、二人の後を付ける
時には何気無くすれ違い
時には反対側のレーンから覗いたりと、尾行を続ける
「おい」
「ん〜⁇」
「これは何だ⁇」
KKTの目の前には、鍋でやるラーメンのパックが置いてある
「お鍋でするラーメンだよ。食べた事ない⁇」
「ない。食べたい」
「…コッソリ入れちゃう⁇」
「…うぬ」
KKTは鍋用ラーメンパックを取り、お菓子を選ぶ二人に近付く
「ふにゃふにゃのおかちあう」
「たいほ〜のしゅきなおかち」
「こえもいえとく⁇」
「いえとく‼︎」
徳用グミパックを選ぶ二人のカートに、KKTは手に持っているラーメンパックをそっと入れ、KSTの所に戻って来た
「よし」
「後は二人がどう出るかだね…」
お菓子を選び終え、二人はレジに向かう
「ぴゃあ‼︎いらっしゃい‼︎」
「ぴぁ〜‼︎」
「きたお‼︎」
酒匂担当のレジで、カートの中のお菓子達の精算が済んで行く…
「ラーメン食べるの⁇寒くなって来たもんね‼︎」
「…あ〜めんいえたか⁇」
「いえてない」
「うっ…」
その時、いよがスパイ二人が隠れていた場所に首を向けた‼︎
「ヤバッ‼︎」
「バレたか⁉︎」
「…どうだろ」
スパイ二人は棚の影に隠れた後、顔半分だけ覗かせてみた
「あいがとござます‼︎」
「あ〜めんあたかそう‼︎」
「気を付けてね〜‼︎」
精算を済ませた二人は、買った物を入れたレジ袋を片方ずつ持ち、レイのいる工廠へと引き返して行った
「間一髪だったな…」
「危ない危ない…」
いよの察知能力は侮れない
だが、後は帰路を見守るだけ
このまま行けば、任務を遂行出来る
「かにしゃん‼︎」
「ちょっきんちょっきん‼︎」
二人は帰路にある瑞雲の蟹の生け簀で立ち止まり、しばらく中を覗く
「今日はカニさんどうかなぁ〜⁇」
「おぼおおおら‼︎」
「おろろろろ‼︎」
「二人共”ろ”が多いよ‼︎」
たまたま来た朧に蟹の事を聞く二人を見て、スパイ二人は腹を抱える
「うひひひひ‼︎オボロロロだって‼︎」
「奴は人間ポンプだからな…しかし、オボロロロ…」
横須賀の基地でも人間ポンプと悪名高い朧
過去に艦隊が弾薬切れでどうしようもなくなった時、敵に対し大量のゲボを吐いてその場を離脱し、艦隊を救った経歴がある彼女には、畏怖と敬意を込めて”人間ポンプ”と呼んでいる
因みに朧はいつでも何処でも吐く事が出来る
ただ、ビックリした時にはいきなり吐いてしまうので要注意
「おぼおおおまたな〜‼︎」
「さいなあ〜‼︎」
朧は笑顔で二人に手を振り、自身はまた蟹の生け簀を眺め始めた
「KST。今度オボロロロにクラッカー鳴らしてみてくれ」
「や、ヤダよ‼︎顔にかかったらどうするんだよぉ‼︎」
「そりゃあ丸一日KSTに近付かんな‼︎」
「酷いや‼︎それに朧ちゃんホントに強いんだから、あんまり言ったら殺られるよ⁉︎」
「んっ。すまん」
吐く事に隠れがちだが、朧はそれなりの実力を持っている
速力だって速いし、トラックさんに学んだ肉薄雷撃が一番上手いのは朧だ
バカにしたら二つの意味でホントに殺られる
だからこそ、皆朧に敬意を払っている
「えいしゃ〜ん‼︎」
「かえってきたお〜‼︎」
「おっ‼︎おかえり‼︎」
二人が工廠に帰って来た
「あいっ‼︎」
ひとみがタバコ二つをレイに渡す
「んっ‼︎ありがとなっ‼︎」
「おかちかってきた‼︎」
「ありがと‼︎おっ‼︎いっぱい買ったなぁ‼︎」
いよはお菓子の入ったレジ袋を渡す
二人は直前でそれぞれ渡す物を決め、レイに渡すことにしていた
ひとみはタバコ、いよはお菓子をそれぞれ渡す
「ん⁇」
レジ袋の中身を見たレイが一つ変わった物が入っているのに気付いた
「何だ⁇ラーメン食べたいのか⁇」
半笑いで鍋用ラーメンパックを取り出すレイに、二人は同じ事を言った
「くっこおがいえた」
「かさかさ〜っていえてた」
「そうか。なるほどな…」
実はいよ、レジにいた時ハッキリとKKTとKSTを発見していた
そして、この鍋用ラーメンパックをカートに入れたのもKKTだと分かっていた
ただ、二人共素直な良い子なので”くっころの食べたい物も買わなきゃ”いけない”との認識があり、そのまま買ってくれたのだ
しかも二人のお小遣いから割り勘で出してくれている
「バレてんじゃん‼︎」
「イヨとヒトミの察知能力は侮れんな…」
KSTは半呆れでKKTの顔を見て、KKTは感心しながら三人を見る
「よしっ、スタンプだな⁇」
「すたんぷおす‼︎」
「たかこしゃんすたんぷ‼︎」
二人はヒヨコ財布からスタンプカードを出した
それは貴子さんが作ってくれた物であり、スタンプを押す空欄は全部で10個あり、全て溜まると夕ご飯の時にプリンが付くのだ
レイはその事を知っていて、わざと二人にお使いを頼み、スタンプ捺印の協力をしていたのだ
「これでよしっ‼︎」
レイはスタンプカードに母印を押した
「横須賀呼んだから、みんなでお菓子食べような⁇」
「くふふっ…」
「よこしゅかしゃん…」
二人は嬉しそうな顔をしながら、元のおままごとをしていたシートの上に戻って行った
「アーク、きそ」
「はいはい」
「んっ‼︎」
「お前らにもスタンプを進ぜよう」
「やったね‼︎」
「ビビリは太っ腹だな‼︎」
きそもアークもこのスタンプカードを持っている
一応任務は遂行した二人のカードにもスタンプを押す
「アークはちゃんと二人にありがとうって言っておくんだぞ⁇」
「アークだってな、食べたい物はな、あるんだ」
「お前が入れたから自分達の小遣い割いて買ってくれたんだぞ⁇」
「それはいかんな。ヒトミ、イヨ‼︎ありがとうな⁉︎」
「くっこお、わんわんぶっこおいちてくえた‼︎」
「たすかた‼︎」
「バレてたね」
「あぁ…」
「あらっ。みんな集まってるわね⁇」
「「よこしゅかしゃん‼︎」」
きそより早く横須賀に気付き、早速抱き着きに行くひとみといよ
「きそも来なさい⁇」
「うんっ‼︎」
きそも横須賀に抱き着きに行く
「アークはビビリでいいや‼︎立てビビリ‼︎」
「はいはい…」
横須賀横目に、アークは俺と腕を組む
その時アークの口元が緩んでいたのを、俺は知らなかった…