艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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特別編 ラバウルの多忙な1日〜後編〜

「あたごんはあいしゃんのおか〜しゃん⁇」

 

「そうよ〜。でも、アイちゃんの方が最近大っきいわよね〜」

 

「えいしゃんいってた。おか〜しゃんはちっちゃいほうがい〜お〜って‼︎」

 

「あいしゃんはおっき〜かあ、みんなをくぅ〜ってれきうの‼︎」

 

ひとみはアイちゃんの腕の中で、抱き締めるジェスチャーをする

 

「IOWAもいつかはMamaになるのかなぁ〜…」

 

「二人はお母さんの事好き⁇」

 

「たかこしゃんしゅき‼︎」

 

「よこしゅかしゃんもしゅき‼︎」

 

二人にとっての母親は、貴子さんか横須賀

 

何方を天秤にかける訳でも無く、均等に好きな様だ

 

「おふくぬいだ‼︎」

 

「すっぽんぽん‼︎」

 

「OK‼︎行きましょ‼︎」

 

変わらずそれぞれに抱っこされ、露天風呂向かう

 

「ぷい〜…」

 

「うい〜…」

 

シャワーを浴び、二人は同じ様に頭を振って水を払う

 

「ホントに双子ね…」

 

「使う手が違うわ⁇」

 

体を洗うタオルを見ると、いよは左手

 

ひとみは右手で洗っている

 

実は基地で左利きの人が一人いる

 

いよはその人によく物事を教えて貰うので、左利きになっていた

 

因みに彼女達の父親であるマーカスは両利きである

 

「お風呂浸かりましょうか」

 

ひとみといよの身長では、ちょうど溺れてしまう深さの湯船の為、またそれぞれに抱っこされ、湯船に浸かる

 

「かぁ〜」

 

「くぁ〜」

 

「ふふっ‼︎二人共おじさんみたいよ⁇」

 

「えいしゃんもぱぱしゃんも、くぁ〜っていっておふおはいう」

 

「おゆざば〜ってでうの」

 

「いつもはパパとマーカスさんと入るの⁇」

 

「うんっ‼︎」

 

「はっしゃんとそおいもはいう‼︎」

 

「そっかそっか‼︎」

 

「Egg食べましょ‼︎」

 

アイちゃんが持って来た温泉卵とスプーンを貰い、愛宕に殻を取って貰う

 

「えっぐ‼︎」

 

「ぷうぷう〜‼︎」

 

卵は見た事あるが、温泉卵の様に中身がプルプルな卵は見た事がない二人は興味津々

 

「こうやって食べるのよ⁇」

 

「「いたあきますっ」」

 

愛宕の手元を見て、ひとみもいよも温泉卵を掬い、口の中に入れる

 

「おいし〜‼︎」

 

「ぷうぷうたまお‼︎」

 

二人は温泉卵を二つずつ食べた後、脱衣所に戻って来た

 

「あたごんふいてくあさい」

 

「あいしゃんふいてくあさい」

 

「ふふっ‼︎こっち向いて⁇」

 

「OK‼︎」

 

愛宕とアイちゃんに頭を拭いて貰う

 

「Milk飲んだら戻りましょ‼︎」

 

「「いたあきますっ」」

 

愛宕とアイちゃんが片手で牛乳を飲む足元で、ひとみといよは両手で瓶を持って飲む

 

「ふた‼︎」

 

「ぎゅ〜ぬぅ〜のふた‼︎」

 

ラバウルの露天風呂にある牛乳瓶の蓋は、他とは違う

 

ラバウル航空隊の機体エンブレムが描かれてあり、中々カッコいい

 

「くおいとりしゃん」

 

黒い鳥が咆哮しているラバウル航空隊のエンブレムは、二人にとってもカッコよく見えた

 

「ぱぱしゃんとえいしゃんのひこ〜きも、とりしゃんのえ〜かいてあうの」

 

「これはPapaとかケンゴの飛行機のマークなのよ⁇」

 

「こえくらさい‼︎」

 

「ひとみもほちい‼︎」

 

「ふふっ。バッチにしてあげよっか⁉︎」

 

愛宕は牛乳瓶の蓋にクリップを付け、ひとみといよの首の左側辺りにそれをくっ付けた

 

「「あいがとござます‼︎」」

 

「帰りましょうか‼︎」

 

帰りもそれぞれに抱っこされ、皆の待つ食堂へと戻る

 

 

 

 

「たらいま‼︎」

 

「あっ‼︎えいしゃん‼︎」

 

アレン、健吾、ラバウルさんとコーヒーとお菓子を食べていると、四人が戻って来た

 

「おかえり‼︎ありがとうな⁇」

 

「此方こそ‼︎二人のおかげで随分助かったわ⁇」

 

「特にPapaのRoom‼︎」

 

「こ、コラッ‼︎」

 

アイちゃんがアレンににやけ顔を送った後、愛宕もアイちゃんもひとみといよを降ろした

 

二人はキチンと礼を言った後、俺に飛び付いて来た

 

「たあごたえた‼︎」

 

「ぷうぷうたまお‼︎」

 

「ちゃんとお礼言ったか⁇」

 

「あたごんあいがと〜‼︎」

 

「あいしゃんあいがと〜‼︎」

 

「ふふっ、い〜え〜‼︎」

 

「また入ろうね‼︎」

 

ひとみといよがお礼をしている時、ふと首元に目が行った

 

「おっ⁉︎お前達、ラバウルに入ったのか⁇」

 

「はいった‼︎」

 

「らあううはいった‼︎」

 

二人はグラーフと同じ鼻息、横須賀と同じ胸張りをし、バッチを自慢する

 

「ルンタはどうした⁇」

 

「るんたきゅん、おめめくうくうになった」

 

「呼んでみ⁇」

 

「るんたこ〜い‼︎」

 

「るんた〜‼︎」

 

ひとみといよがルンタを呼ぶと、食堂の入り口から二台のルンタが入って来た

 

「るんたなおたか⁇」

 

「よいちょ…」

 

二人共俺から降りた後、ルンタを背負って来たカゴにいれる

 

「IOWAも欲しい…」

 

「アイちゃんも呼んでみたらどうだ⁇来るかも知れんぞ⁇」

 

コーヒーを飲みながら、冗談半分でアイちゃんに言ってみた

 

「OK…る、ルンタ〜…」

 

正直なアイちゃんは、俺に言われた通りにルンタを呼んだ

 

すると、食堂の入り口から二台より少し大きなルンタがアイちゃん目掛けて入って来た

 

「Oh‼︎」

 

「説明書と充電器は此処に置いておくから、アレンと一緒に見るんだぞ⁇」

 

「うんっ‼︎Thank you‼︎Dr.レイ‼︎」

 

俺が来たのはアイちゃんに製品版ルンタを渡す為と、ひとみといよを連れて基地に帰る為である

 

「さっ。お家帰ってご飯食べるか‼︎」

 

「きょうはあにかあ〜⁇」

 

「おむあいす‼︎」

 

「ははは‼︎良く分かったな⁇」

 

「えいしゃん、けちゃっ”ぴ”のにおいすう‼︎」

 

「ケチャッピ」

 

「Ketchupi」

 

「ケチャッピか」

 

「は…」

 

愛宕、アイちゃん、アレンが俺にやけ顔を送り、俺は笑顔のまま表情が固まり、冷や汗を流す

 

「そう言えばStopもStopiだったわ⁇」

 

「けちゃっぴちあう⁇」

 

「すとっぴちあう⁇」

 

「良いんですよ。教え方は人それぞれです。私の指導とウィリアムの指導の方法が違う様なものです。教育に答えはありません」

 

ラバウルさんの言葉で救われた…

 

結局その後、俺は恥ずかしさを隠す為に、逃げる様にラバウルを後にした…

 

 

 

 

「たらいま‼︎」

 

「かえってきたお‼︎」

 

「あらっ‼︎お帰りなさい‼︎」

 

基地に戻り、貴子さんに迎えて貰った後、二人が手を洗いに行く

 

「無線で聞いたぞビビリ‼︎災難だったらしいな‼︎」

 

「ま、まぁな⁉︎」

 

アークにおちょくられ、後頭部を掻く

 

「おててあぁった‼︎」

 

「おなかすいた‼︎」

 

「よし‼︎今日はアークと食べるぞ‼︎」

 

「くっこおとたえる‼︎」

 

「くっこおすわろ〜‼︎」

 

「ふふふ…」

 

ひとみといよはアークの左右に座り、貴子さんが持って来たオムライスを食べ始めた

 

「イヨ、あ〜ん…」

 

「うぁ〜…」

 

アークは左手に持ったスプーンでオムライスを掬い、いよに食べさせる

 

「んっ、ひとみもちて⁇」

 

いよが食べさせて貰っているのを見て、ひとみもアークの服の裾を引っ張り、あ〜んをせびる

 

「よしよし。ヒトミ、あ〜ん…」

 

「くぁ〜…」

 

「美味しいか⁇」

 

「おいし〜‼︎」

 

ひとみにも笑顔を送るアーク

 

アークはきっと、昔の俺を思い出しているのだろう

 

「ヒトミとイヨって、利き手が違うのね⁇」

 

母さんの言葉通り、二人はソックリだが、利き手が違う

 

いよが左利きだ

 

そして、左利きを教えたのは今まさにごはんを食べているアーク

 

いよは何故かアークに良く懐いており、アークもいよに何かを教える事が多い

 

「なんだビビリ。ビビリもして欲しいのか⁇」

 

アークがそう言ったので、俺は無言で口を開けた

 

「赤ん坊か…全く…ほらっ‼︎」

 

文句を言いつつも、アークは口にオムライスを入れてくれた

 

「美味い‼︎」

 

「まっ、まぁ⁇たまにはしてやってもいいぞ⁇あ…あはははは‼︎」

 

引きつった笑いを見せるアーク

 

久々に俺を世話をして照れているのだろう

 

「たいほうにもあ〜んして‼︎」

 

《まつわも‼︎》

 

「アーク、お願いします」

 

「じゃあ私も…」

 

「ウィリアム⁇」

 

ノリで隊長が立ち上がろうとしたが、笑顔でモノスンゴイ力を出した貴子さんに止められた

 

結局、アークは子供達全員と母さん、そして何故かグラーフにもあ〜んをしていた…

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