艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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193話 命の権利(4)

「艦長。”話した通り”、この子はアレンに任せる」

 

「頼んだぞ…ガンビア⁇またな⁇」

 

別れの間際、ガンビアはヴィンセントの差し出した手を握った

 

「ん…」

 

ヴィンセントは悲しそうな顔をした後、ガンビアから手を離した…

 

「行こう‼︎新天地を用意してあるんだ‼︎」

 

俺がそう言うと、ガンビアは微笑みながら頷いた

 

「アレン。後は任せたぞ」

 

「お前はどうするんだ⁇」

 

「棚町に説明して来る。G73の使い方も説明しなきゃならんしな。ホラよっ」

 

グリフォンの中を探っていたレイから、ガンビアの着替え一式を受け取る

 

「洗濯して返せよ⁇グラーフからパクって来たんだ。じゃな」

 

レイはグリフォンから降り、後頭部を掻きながら基地に向かった

 

「ありがとうな‼︎レイ‼︎」

 

後ろ姿のレイは左手を革ジャンのポケットに入れ、右手の人差し指と中指

を立て、一度だけ縦に振った

 

ムカつく時もあるが、今目に映っているレイは本当カッコいいと思えた

 

「行こっか」

 

ガンビアは笑顔で頷く

 

ガンビアと共にT-50に乗り、大湊を後にした…

 

 

 

 

 

「ここが俺達の家だ」

 

「…」

 

ガンビアは口を開け、辺りを見回している

 

「おかえりなさい。話は聞いてますよ。彼女ですかっ」

 

「ようこそラバウルへ‼︎」

 

「だ…」

 

二人の顔、そして俺の顔を交互に見ているガンビア

 

「アレンの友人のエドガーと申します」

 

「同じく柏木です‼︎」

 

「エド…かし…」

 

「そっ。エドガーと、健吾っ」

 

「よろ…し…」

 

「アレン。ご飯を用意してあります。食べて下さいね⁇」

 

「了解です、キャプテン‼︎」

 

ガンビアを連れて食堂に向かう俺達を、二人はしばらく見ていた

 

 

 

「んー…」

 

「どうしました⁇」

 

「二人、どこか似てるな…と」

 

「健吾もですか…」

 

「キャプテンもですか…」

 

二人共同じ事を考えていた…

 

アレンとガンビア…

 

何処と無く、二人は似ている様な気がした…

 

「Oh‼︎Papaソックリね‼︎」

 

「ホント‼︎アレンに似てるわ‼︎」

 

「ガンビアだ。よろしくな⁇」

 

「よろ、しく」

 

少しずつだが、ガンビアの言葉が戻って来ている

 

「MeはIowa‼︎」

 

「私は愛宕‼︎」

 

「アイオワ、アタゴン…」

 

「んっ‼︎アタゴンだな‼︎」

 

「もうっ‼︎食事が出来てるわ‼︎」

 

愛宕に軽く叩かれ、食事の席に着く

 

アイちゃんも愛宕も既に食べた様で、二人共お皿を洗っている

 

ガンビアを横に置き、ピザを食べる

 

「美味いか⁇」

 

「うん」

 

ガンビアは頷きながら、ピザを食べている

 

アイちゃんと違って、大人しい子も良いもんだな…

 

時々ガンビアの様子を見ながら、テレビを見ながらピザを食べ進める

 

すると、目の前にピザが出され、小刻みに揺れた

 

「あ〜、ん」

 

嬉しそうな顔をしながら、俺にあ〜んをしようとしている

 

最初はふざけてるのかと思ったが、目が真剣な目をしていたので、ふざけてるのでは無いと一瞬で気が付き、口を開けた

 

「あ、あ〜ん…」

 

「おおきく、なるのっ」

 

ようやくガンビアが笑ってくれた

 

ピザを食べ終え、ガンビアに基地を案内する

 

「ここはお風呂だ」

 

「オフロ」

 

「ここは格納庫だ」

 

「カクノーコ」

 

「ここが俺の部屋だ」

 

「アレン、おへや」

 

基地を回っている間、ガンビアは俺の腕から手を離さなかった

 

「Papa‼︎Iowa、Bath行って来る‼︎」

 

「あっ‼︎アイちゃん‼︎ガンビアも頼む‼︎」

 

「OK‼︎」

 

「んっ、んっ、アレン」

 

アイちゃんと一緒に風呂に行かそうとすると、物凄い力で腕にしがみ付いて来た

 

「お風呂入ったら、俺のお部屋においで⁇」

 

「どこも、行かない⁇」

 

「行かない。約束する」

 

「ん…」

 

渋々腕から離れ、アイちゃんと共にお風呂に向かうが、ガンビアは何度も此方に振り返る

 

ガンビアが見えなくなり、一旦食堂に戻る

 

「可愛い子ですね⁇」

 

「怖がりなのか…⁇」

 

「アレン⁇」

 

「あぁ、いや。ガンビアが中々離れなくてな…」

 

「アレンの事好きなんじゃない⁇」

 

「美人の嫁と娘では不満…と」

 

「ちょっ‼︎違う‼︎健吾‼︎」

 

その後も、ガンビアの謎行動は日に日に増えた…

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