艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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196話 アークの子育て奮闘記(2)

「ありがとうアーク。助かるわ‼︎」

 

「いえ、これ位の事…」

 

昼間になり、ようやく一段落ついた姫にジャーヴィスを返す

 

姫の所にいる時もジャーヴィスは大人しい

 

やはり私は、ジャーヴィスに嫌われているのだろうか…

 

「お疲れさん」

 

「あぁ…すまない…」

 

ビビリが紅茶を淹れてくれた

 

「ビビリは何人も経験して来たのだな…」

 

「いんや。俺は他人に任せっきりだ」

 

「そんな事は無い‼︎ビビリは何人も子育てをして来ている‼︎」

 

「子供達を横須賀に預けっぱなしの俺に、アークをとやかく言う権利は無い」

 

「それは…」

 

ビビリはコーヒーを飲みながらも、私を労ってくれた

 

「預けっぱなしにしてるから、未だに磯風に避けられる」

 

「それは言えてるな…」

 

「薄情な奴め…」

 

そう言ってビビリは笑う

 

その笑顔を見て、私も笑う

 

その姿を、ジャーヴィスは姫の膝の上でジーッと見つめていた…

 

 

 

 

夜になり、ジャーヴィスも寝る時間

 

「さっ、ジャーヴィス。姫の所でネンネだ…いたっ‼︎」

 

ガラガラバシ‼︎

 

ジャーヴィスを姫の横で寝かせても、ガラガラで私を叩く

 

「ジャーヴィス‼︎メッ‼︎よ⁇」

 

姫に叱られたジャーヴィスは、姫の顔を見た後、私の顔を見て数回ガラガラを振る

 

「おやすみ、アーク…」

 

「おやすみなさいませ…」

 

電気を消し、姫の部屋を出る

 

ジャーヴィスの哺乳瓶の消毒をしてから寝ようと思い、食堂に戻って来た

 

「ん⁇」

 

台所には、消毒液に浸けられた哺乳瓶があった

 

台所から食堂を見ると、ソファーで誰かが座って寝息を立てていた

 

「マーカス様…」

 

左手を肘置きに置き、マーカス様は眠っていた

 

哺乳瓶を消毒液に浸けておいてくれたのはマーカス様だ

 

「ふふっ…おやすみなさいませ…」

 

マーカス様に毛布を被せた時、ふと気付いた

 

…私も、マーカス様に甘えてみたい

 

そう思った時には、マーカス様の横に座っていた

 

「こんなに大きくなられて…」

 

マーカス様の肩にそっと、頭を置いてみた

 

あぁ…

 

子供達が懐く理由が分かる…

 

温かいんだ、マーカス様は…

 

「懐かしいです…貴方の傍にいた時間を思い出します…」

 

数十分だけのつもりが、いつの間にかマーカス様の横で眠りに着いていた…

 

 

 

 

「はっ‼︎」

 

気付いた頃には朝

 

既にマーカス様はおらず、私はソファーで横に寝かされ、毛布が掛けられていた

 

時計を見ると午前4時…

 

いや、もう5時か…

 

ガラガラ

 

「ん⁇」

 

ソファーの下から音がする

 

ソファーの下を覗くと、そこにはジャーヴィスがいた

 

音の正体はジャーヴィスのガラガラだ

 

「おはよう…ミルクの時間だな…」

 

そう言って立ち上がろうとした時、ジャーヴィスが足に抱き着いて来た

 

「お…抱っこか⁇」

 

やはりガラガラの恐怖はある

 

それでも、ジャーヴィスを抱き上げた

 

「は…はは…‼︎」

 

ガラガラガラとガラガラを振り、ジャーヴィスは真顔ながら嬉しそうに体を揺らしながら、私に抱かれてくれた

 

「ジャーヴィス‼︎」

 

嬉しくなって、つい頬擦りをする

 

それでもジャーヴィスは叩かないでいてくれた

 

「よしよし‼︎ミルクにしような‼︎」

 

「くっこおおあよ‼︎」

 

「じゃ〜ゔぃしゅはおまかしぇ‼︎」

 

タイミング良く、ヒトミとイヨが起きて来てくれた

 

「頼んだぞ‼︎アークはミルクを作る‼︎ふふっ‼︎」

 

遂に叩かれずにジャーヴィスを抱く事が出来た私は、喜んでミルクを作った

 

「おはよ〜…アークも早いわね⁉︎」

 

「ようやく…ようやくジャーヴィスに叩かれずに抱っこ出来たんだ‼︎」

 

「そう‼︎良かったわぁ。心配してたのよ⁉︎」

 

貴子さんも心配していてくれた様だ

 

「私もジャーヴィスちゃんにミルクあげてみていい⁇」

 

「勿論だ‼︎」

 

今日は貴子さんに抱かれて、ジャーヴィスはミルクを飲んだ

 

貴子さんに抱かれている時も、ジャーヴィスは大人しい

 

そして、貴子さんに背中をポンポンされ、ゲップを出した後、皆が起きるまでその辺をコロコロし始めた

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