授業が終わり、タシュケント先生は教室を出た
「タシュケント」
「先生でしょイディオット⁇」
「ぐっ…タシュケント先生…」
「なぁに⁇同志マーカス」
「しばらくこっちにいるのか⁇」
「しばらくどころかずっといるよ⁇」
「なら、手が空いた時でいいからあいつらに教えてやってくれないか⁇俺じゃ教えられない事もある」
「え⁉︎あ…う、うん。暇があっら、ねっ⁇」
何故かタシュケント先生は目が泳いだ
「ど、同志マーカスの教え方で充分じゃない…か、な⁇あはは…」
タシュケント先生は目が泳いだまま、逃げる様にその場を去った
数日後、この時何故タシュケント先生がこうなっていたか分かる事になる
数日後、横須賀基地滑走路
今日の教師は三人
俺、アレン、そしてタシュケント先生
「いいか⁇今日の訓練は二つ行う。まず一つは遠方への出撃だ。君達には今からシャングリラまで飛んで貰う。航路の途中にはSS隊が敵として君達を攻撃する。撃退するか見逃すかは君達次第だ」
大まかな訓練内容はこうだ
横須賀基地からシャングリラまでの遠征
そして、その道中にSS隊との交戦
この二つだ
「俺は本気で潰しに掛かるからな⁇訓練とはいえ、ここで手を抜いたら実戦では即死だ」
「それと、今日は俺はいない。先にシャングリラで君達を待っている」
サンダース隊全員の顔に緊張が産まれる
「万が一俺が撃墜された時、君達は君達自身で航路を決めて飛ばねばならん。その為にも今回の訓練は非常に重要な訓練になる。君達が航路を決めて、君達自身でシャングリラまで来るんだ。いいか‼︎」
「「「了解‼︎」」」
「ま、あれだ。タシュケント先生もいるから、何かあったらすぐに救援を呼ぶ事。解散‼︎」
「え⁉︎ぼ、ボクも行くのか⁉︎」
全員が威勢の良い返事をした後、固まって航路を考え出す中、タシュケント先生だけが冷や汗を流していた
「俺とアレンは時間までシャングリラで待機する。あの子達を頼んだ」
「ちょっと待って‼︎」
「そこに予備の震電がある‼︎そいつに乗ってくれ‼︎」
「いやいやいや‼︎ちょっとぉ〜‼︎」
俺達がそれぞれの機体に乗り、シャングリラに向かう
「どどどどうしよ…」
タシュケント先生がオロオロして既に数十分…
「タシュケント先生‼︎」
「我々はこの航路で現地に向かいます」
サンダース隊の子達がタシュケント先生に航路を記した地図を持って来た
「先生はどう思われます⁇」
「え⁉︎いいい良いんじゃないか…なっ⁉︎」
タシュケント先生はそれどころではない
「よし‼︎行こう‼︎」
サンダース隊がゾロゾロ機体に乗り込む中、タシュケント先生は予備の震電に乗るのを躊躇っていた
「えとえと、ここはこうして…わぁ‼︎」
震電のエンジンがかかる
「うわ‼︎どどどどうしよ‼︎だ、誰か‼︎」
タシュケント先生の乗る震電が滑走路に出る…
《来た来た‼︎》
《何かノロくないか⁇》
《様子が変だ。ちょっと見て来る》
一機の震電が高度を下げ、滑走路をノロノロ行く震電に近付く
《タシュケント先生。大丈夫ですか⁇》
《だだだ”だいじょっぶ”だよぉ‼︎ボクを誰だと‼︎》
と、虚勢を張るが、震電のスピードは上がらない
《…失礼ですが、飛行経験は⁇》
《えっと〜その〜…す、少しだけ、かな⁇》
この時点でこのサンダース隊の子は気付いた
タシュケント、実は飛べないのである
《分かりました。左手にレバーが見えますか⁇》
《えと…これかな⁉︎》
《それを前に倒すと加速。後ろに引くと減速です。前に倒して見て下さい》
《加速した‼︎次は⁉︎》
《私のタイミングで目の前の操縦桿を手前に引いて下さい》
《おおおオッケー‼︎》
《今です‼︎》
ようやく最後の震電が上がる
《私が常に横にいますから、シャングリラまで頑張りましょう⁇》
《助かるよ…ふぅ…》
彼は無線の周波数をタシュケントに伝え、いつでも自分と通信出来るようにした後、前方で固まって飛ぶサンダース隊に着いて行った…