「ウンメー‼︎」
レイが軽くピンチになっている頃、横須賀の繁華街でアレンがいた
ラバウルさんの付き添いで来たのだが、やる事が無く、繁華街で食べ歩いていた
片手には最上のスティックミート
もう片方には缶ビール
ちょっと飲んでいるので、軽く酔っぱらってはいるが、テンションが高いだけで済んでいる
「マクレガー大尉」
そんなアレンの前に、二人の美女が来た
「おっ⁉︎美人が相手してくれんのか⁉︎」
「えぇ。でもっ、わたくし達のお願いを聞いて下さるのなら…ですが⁇」
一人の美女がアレンの持っていたスティックミートを取った
「面倒事は嫌いなんだ。返してくれ」
アレンがスティックミートに手を伸ばすが、女は宙に上げて取らせない
「マーカス大尉に危険が及んでいても…ですか⁇」
「なんだと…」
女の一言でアレンの酔いが覚めていく…
「マーカス大尉は現在、空母のパーティーに参加しておられます」
「中で尋問されている可能性が高いのです」
「応援に行きたいんだが、俺じゃ入れない…」
「わたくし達が招待客を偽造して、中に潜入しますの。マクレガー大尉、貴方はマーカス大尉とわたくし達の武器を調達してくれませんこと⁇」
「それは構わんが…どうやって君達を信用すればいい。いきなりこんな事言われて、おいそれと武器を渡す訳にもいかん」
「では…マーカス大尉がどうなっても良い…と⁇」
「マクレガー大尉なら分かって頂けると思いましたのに…」
「う…」
アレンは苦し紛れにビールを口にした
そして、二人の目を見た
本気で悲しんでいる目をしている
「…分かった。その目を信用しよう。ただ、二つ約束してくれ」
「構いませんわ」
「一つは、裏切ったらレイと共に地の果てまで追い求める」
「えぇ」
一人の女が頷いた
「もう一つは、事が終わったら俺の酒の相手をする事。どうだ⁇」
「構いませんわ、マクレガー大尉。それ位の事、わたくし達がして差し上げます…が、事が終わってから、ですの」
「分かった。来い」
酔いが覚めたアレンに案内され、二人は工廠へと向かう…
「さて…どいつにしようか」
レイの武器庫から山程ある武器や艤装を見て、二人が使い易そうな武器、そしてレイが使えて隠蔽性のある武器を選ぼうとするが、いかんせん量が多い
「なるべく人を傷付けずにマーカス大尉を救出したいですの」
「それと、空母内にはもう一人対象がおられます」
「なるほどな…とりあえずこれ付けとけ」
二人はアレンの背後にある台に腰掛け、渡された小型の無線機を耳に付けながら、武器の選択を待つ
「良いのがあった‼︎」
アレンが持って来たのは、二丁のリベレーター
「いいか⁇このプラスチック製のリベレーターっぽい奴はリロード無しで五発まで撃てる。それに、入ってる銃弾は速効性の麻酔弾だから、殺す心配も無い」
「どうやって使いますの⁇」
「引き金を引くだけでいい。それとコイツは使い切りだ」
「後はマーカス大尉の武器…」
「レイの武器はコイツだ」
革の鞄を持って来たアレンは台の上にそれを置き、鞄を開けた
「ソードオフショットガンを解体して、君達に持たせる」
鞄の中には、簡単にだが解体されたソードオフショットガンと、その弾が入っている
「これじゃあ受付でバレますわ⁇」
「受付で磁気探査があるわ⁇」
「コイツは鉄に見えて鉄じゃ無いんだ。弾にも鉄を使っていない。俺を信じろ」
アレンは二人を見つめた
「畏まりましたわ」
「貴方を信じます、マクレガー大尉」
「それと、中を見られた場合も心配するな。鞄には特殊な細工がしてある。取手を握って捻りながら開けると…」
アレンは一度鞄を閉じ、再び開けた
「あら」
「果物になったわ⁇」
そこには果物と雑誌が入っていた
「最悪、オヤツだと言って押し通れ」
「畏まりました」
「感謝します、マクレガー大尉」
片方の女が鞄を持ち、二人はリベレーター片手に空母に向かおうとした
「あぁ、ちょっと待て‼︎その服装じゃマズい‼︎」
「いけませんか⁇」
「この服はお気に入りですの」
二人は灰色のワンピースを着ていた
これではパーティーで浮いてしまう
「一応は高官の来るパーティーだ。ドレスは着て行った方が良い。それにっ…武器の隠し場所もな⁇」
「この辺りにドレスを売っている所はありまして⁇」
「高雄の部屋がある」
早速高雄の部屋に向かい、二人にドレスを選ばせる
「これに致します」
「私も同じのを」
「一回着てみろ」
一人を試着室に入れ、もう一人も横の試着室に入れる
「如何かしら⁇」
「似合いますか⁇」
二人が選んだのは、片足のスリットが大きく開いたドレス
元のプロポーションが良いのか、生足と胸が目立ってかなり綺麗だ
「オーケー。それでバッチシだ‼︎幾らだ⁇」
「二着で二万円です」
「おっしゃおっしゃ」
「マクレガー大尉。わたくし達が払いますの」
「お金ならあります」
「男に花持たせろ。丁度だ‼︎」
「ありがとうございます。値札だけ切りますね⁇」
二人共高雄に背中を向け、値札を切って貰った
「ふふっ…マーカス大尉とソックリ」
「彼の友人である事が良くわかります…」
「はいっ、どうぞ〜」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
二人共ちゃんと高雄に頭を下げ、アレンと共に高雄の部屋を出た
「マクレガー大尉、ありがとうございます」
「大事に着ます」
「良いって事よ。それとっ…」
アレンの手には二本の口紅
アレンはそれを二人の唇にチョチョイと塗り、高雄の部屋の窓に映させた
「綺麗…」
「真っ赤です…」
二人は口紅が塗られた唇に軽く触れながら窓に映る自分自身を見た
「帰って来たら、この口紅やるよ」
「必ず帰って来ますわ」
「マクレガー大尉にお酒も注がないとなりませんからね」
どうやら二人は美人な癖に口紅を塗った事がなかったらしい
「それと、リベレーターは谷間にでも隠しとけ」
二人はアレンの目の前でリベレーターを谷間に隠した
「んっ。ちゃんと見えないな」
「行って来ますわ」
「御協力、感謝致します」
二人が空母に向かう…
「しっかし美人だったな…レイの奴、顔は広いとは思ってたが、まさかあんな美女が知り合いにいるとは…」