艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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19話 アドミラルとアドミラル(2)

「日本の提督さん、私はドイツ艦隊提督、ミハイルと申します」

 

「ど、どうも…」

 

「我が艦隊の者が迷惑を掛けて、大変申し訳御座いません…」

 

ドイツの提督が頭を下げた

 

プリンツは後ろで苦虫を噛み潰した様な顔をしている

 

「あ、いや、私は別に…」

 

「日本の提督さん‼︎迷惑を承知の上でお願いがあります‼︎」

 

「聞ける範囲ならば…」

 

「このプリンツ・オイゲンは日頃から他人の事を酷く言い、仲違いをさせる悪い癖がございます。どうか、説教をして頂けませんか⁉︎後の始末は私が持ちますので…」

 

「…ならあの二人にお願いしましょう‼︎武蔵‼︎ローマ‼︎」

 

「さ〜ぁぷりんつよ‼︎貴様のだ〜い好きな海に行こうな〜‼︎」

 

「ヒッ‼︎」

 

武蔵が右腕を持ち

 

「調子に乗り過ぎたわね…」

 

「ウッ‼︎」

 

ローマが左腕を持った

 

「ヒィ〜〜〜‼︎ヤダァァァア‼︎助けて〜‼︎」

 

「…修復材は用意します」

 

「いえ‼︎構いません‼︎」

 

「申し訳無い。武蔵も結構鬱憤が溜まってるんだ」

 

「と、言いますと⁇」

 

私はドイツの提督に基地の事を話した

 

戦わない、守るだけの基地の話を聞き、彼は驚いた

 

戦わないから、武蔵のストレスが溜まっている事も彼は理解してくれた

 

「隊長殿。もう一つお願いが」

 

「ん⁇」

 

「これから先、プリンツがまた同じ様な事を繰り返した際、貴方の元にプリンツを送ります。武蔵や隊長殿がまた折檻してやって欲しいのです。あぁ‼︎勿論御礼はその都度用意します‼︎」

 

「いいだろう」

 

二人の利害が一致した瞬間である

 

「もうするなよ‼︎次はそのオシャレなお下げ髪を引き千切るからな‼︎」

 

武蔵が帰って来た

 

プリンツにある程度折檻された跡があるが、艦娘特有の回復力で余り痛そうでは無い

 

「わ、分かりました‼︎おねぇ様方‼︎」

 

「大佐。そろそろ帰りましょう」

 

「そうだな…」

 

「二式大艇のエンジンは吹かしてあるかも‼︎」

 

「お二人さん」

 

引き止めたのは、昨日会ったこの国の提督だった

 

「”二人”を宜しく頼みます」

 

「えぇ。では、次回の演習で」

 

「あぁそうだった‼︎まだもう一人を探して無い‼︎」

 

「ふふ…もう見つけましたよ」

 

「二式大艇に乗ってるかも‼︎」

 

「あ…じゃあローマにお別れを…」

 

「時間がありません。行きますよ」

 

「お、おい…」

 

「また逢えますよ、絶対」

 

「…分かった。世話になりました」

 

三国の提督や艦娘に見送られ、二式大艇に足を入れた

 

「じゃあな。プリンツ‼︎提督の言う事聞くんだぞ⁉︎」

 

手を振りながら、何か言っている

 

「浮気しないで下さいね〜‼︎」

 

「放っておけ。奴は反省しない」

 

扉を閉めた後、武蔵は大きくため息を吐いた

 

「発進するかも‼︎」

 

秋津洲の掛け声と共に、二式大艇が動き始めた

 

「ドイツの提督が言ってたぞ。今度プリンツが同じ様な事をしたら、また折檻を頼みたい、って」

 

「もうコリゴリだ‼︎」

 

「ふっ…」

 

武蔵の反応を鼻で笑った後、窓の外を眺めた

 

相変わらず美しい…

 

建物の被害はあったが、護れて、良かった…

 

こんなに綺麗な街だ。また来よう

 

「日本には、こんな街並みはある⁇」

 

「そうだな…俺の住んでいた街と少し似ているかな⁇」

 

「そこは、貴方の故郷⁇」

 

「そう。沢山の人が俺の帰りを待ってくれている」

 

「いつか、私も一緒に行けるかしら⁇」

 

「行けるさ…え…⁇」

 

窓から目を離し、隣に目をやった

 

そこには、水の都で育った、美しい女性が座っていた

 

「ローマ…⁇」

 

「そう。”戦艦”ローマ。隠しててごめんなさい」

 

「提督よ、浮気するなよ⁇」

 

「さ、行きましょう。貴方の国へ」

 

 

 

戦艦”ローマ”が艦隊の指揮下に入ります‼︎

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