今回のお話は、ちょっとイラッとして、ちょっとほっこりするお話です
サイコロが気になるひとみといよ
周りの大人がそれぞれの特技を教える中、一人だけ特殊技を持った人物が現れます
「おぉ〜…」
「さいこおくうくう〜ってちてた」
貴子さん達が子供達を連れてタウイタウイモールに行っている昼下がり、お留守番のひとみといよがマジック番組を見ていた
ひとみといよはいつも貴子さんがやっている家事をアークと一緒に終わらせ、テレビを見ながら帰りを待っている
「エドガーが上手いんだよな」
「ラバウルさんが⁇」
これは珍しくラバウルさんの情報を聞けそうだ…
「あんな真面目な風貌して、元ギャンブラーだからな」
「意外だな…」
「ダイスも上手い、トランプも上手い。一回相手して貰うとすぐ分かる」
「いよもこえちたい‼︎」
いよはカップの中でサイコロをタワーにする遊び
「ひとみはさいこおれあしょいたい‼︎」
ひとみは純粋にサイコロを転がしたい
「おっ‼︎そうかそうか‼︎ちょっと待ってな」
隊長は一度自室に戻り、何かを持って帰って来た
「エドガーに貰った競技用のダイスだ」
「くえうの⁇」
「お金賭けたりしちゃダメだぞ⁇遊ぶだけだ」
「あかった‼︎」
「あいがと‼︎」
ひとみといよはそれぞれ四つずつサイコロを貰い、いよは紙コップにダイスを入れてタワーを作ろうと奮闘し、その横でひとみはサイコロの遊び方の本を見ている
「おりゃ、おりゃ、おりゃ、おりゃ」
いよは机にダイスを間隔を空けて置き、紙コップを動かし、中に入れて行く
「くうくう〜、おりゃ‼︎」
俺と隊長も、いよが開ける紙コップの中身を見る
「うあ〜、れきへん」
そう簡単に出来る筈もなく、ダイスはタワーになる事なく、普通に目を出している
「どれっ」
隊長の言葉に反応し、いよは隊長に紙コップを渡した
カポッ、カポッ、カポッ、カポッと、紙コップの中にダイスを入れ、数回軽く回し、机に置いた
「見てろよ…」
いよは紙コップに目線を合わせ、ジーッと見ている
「おぉ〜‼︎」
紙コップを開けると、綺麗にタワーになったダイスが出て来た
「ろ〜やってすうの⁉︎」
「これか⁇これはな…」
いよが隊長と遊んでいる間、俺はひとみの所に来た
「ひとみは何見てるんだ⁇」
「さいこおのあしょいかた‼︎」
サイコロの遊び方と書かれた本を、ひとみはずっと見ている
「こえちたい」
「丁半か」
二つの賽をカゴに入れ、半か丁か当てるゲームだ
昔で言う博打の一種であり、賭け事でなければ、簡単に出来るゲームでもある
「ちぉ〜あ、く〜しゅ〜。あんあ、きしゅ〜」
「覚えたか⁇」
「うんっ‼︎さいこおいえた‼︎くうくう〜‼︎」
ひとみはカゴの代わりに紙コップを使い、丁半を開始する
「あいっ‼︎ろ〜っちら‼︎」
カーペットに紙コップを置き、ニコニコしながら俺を見つめる
「ひとみはどっちだと思う⁇」
「あんとおもう」
「よし、半だ‼︎」
「ぱかっ‼︎ちぉ〜れちたぁ‼︎」
紙コップを開けた中には、半を示す賽があった
「おりゃ‼︎れきた‼︎」
「上手だ‼︎」
「くふふ…」
いよはいよであっという間にコツを覚え、イビツな形ではあるが、ダイスのタワーが出来上がっていた
「今度エドガーに会ったら、サイコロのやり方を聞くといい」
「らあうるしゃん、さいこおじょ〜じゅ⁇」
「上手いぞ〜⁇私よりタワーを綺麗に作れるし、凄い技術を持ってる」
「たのしみ‼︎」
ひとみといよは貰ったサイコロを大事そうに仕舞い、また別の遊びを始めた…