艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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209話 雷鳥の妻の勘(3)

「たらいま‼︎」

 

「かえってきたお〜‼︎」

 

執務室にひとみといよが帰って来た

 

私は先程の後、すぐに執務室に帰って来ていた

 

「お帰りなさい‼︎今日はどこ行ってたの⁇」

 

「はんかあいおしゃんぽちてきた‼︎」

 

「すちっくみ〜ろつくうのみた‼︎くうくう〜ってちたういんあ〜‼︎」

 

いよが言っているのは、最上のスティックミートのグルグルウインナーの事だろう

 

「今日は何採れたの⁇」

 

「うにいっぱいとえた‼︎」

 

「にぉおにぉおのおしゃかなもとえた‼︎」

 

「たかこしゃんのしゅきなうつぼ‼︎」

 

「うつおおいち〜‼︎」

 

「ちゃんと覚えたのね‼︎偉いわ‼︎サティ、フォティ‼︎」

 

サラッと言ってみた

 

「うんっ‼︎」

 

「いよちゃん…」

 

いよは何の疑いもなく返事をしてくれたけど、ひとみは気付いた

 

「あ…ちらない‼︎ちらないちらない‼︎」

 

「さ、さち〜⁇」

 

「ほ、ほち〜⁇」

 

二人共私の顔を見てタラタラ汗を流している

 

「ん〜っ⁇」

 

笑顔のまま、二人に顔を近付けてみる

 

「ひぃ〜‼︎」

 

「ひぃ〜‼︎」

 

かなりビビってはいるが、視線は私の目から離そうとしない

 

レイと良く似てるわ…

 

「内緒にしといてあげるわ⁇」

 

「ほんと⁉︎」

 

「ないちょちてくえう⁉︎」

 

「その代わりっ‼︎危ない事しちゃダメよ⁇」

 

「あかった‼︎」

 

「後はそうね…次、サティとフォティに逢ったら、その時に言うわ⁇」

 

「いよちゃん‼︎」

 

「うんっ‼︎」

 

二人は頷き合い、ポケットから小さな小瓶を取り出し、中身を少しだけ飲んだ

 

「へんち〜ん‼︎」

 

「へんち〜ん‼︎」

 

二人が可愛いポーズを取り、掛け声を言った後、みるみる身長が伸び、ツルペタな胸が出て、キュートなお尻が突き出た

 

「横須賀さんっ‼︎」

 

「どうですか⁇」

 

「わぁ〜…可愛いわ‼︎」

 

サティとフォティになった二人は、何処か幼さが残った抜群のプロポーションの美女

 

その辺の男なら引っ掛かり…

 

…引っ掛かってるのか

 

「それで横須賀さん。お願いとは⁇」

 

「何なりと…」

 

「娘に言うのも変だけど…いいかしら⁇」

 

「えぇ」

 

「構いませんわっ」

 

私は意を決して言った

 

私は仕事中の付き合いなら山程あるが”こう呼べる”間柄の人が居ない

 

だからこそ、二人に言った

 

「私の”友達”になって下さい‼︎」

 

「勿論ですわっ‼︎」

 

「勿論です‼︎」

 

そう

 

私は同性の友達が少ない

 

グラーフやふちとか、その他諸々の付き合いは勿論あるんだけど、どうしても仕事上の付き合いになってしまう

 

だからこそ、私は友達が欲しかった

 

そして、気になるのがもう一つ…

 

「その服、どうなってるの⁇」

 

「グラーフさんに作って頂きましたの‼︎」

 

「小さな時はワンピース、この姿の時は簡単なドレスになります」

 

ひとみといよの時に着ていた灰色のワンピースは、サティとフォティになってもほぼそのまま

 

グラーフお手製の伸縮性の強い生地で作られだろう

 

ただ、かなりボディラインは目立っている

 

「今度はご飯食べたり、洋服買ったりしましょうね⁇」

 

「楽しみにしています」

 

「唐揚げを食べたいです」

 

「おっ‼︎サティ、フォティ‼︎」

 

レイが帰って来た

 

「ごきげんよう、マーカス大尉‼︎」

 

「お帰りなさい、大尉‼︎」

 

「ただいまっ」

 

レイは気付いていない

 

…気付いていないフリをしてるのかしら⁇

 

「では、私達はこれで失礼します」

 

「またお逢いしましょう⁇」

 

「気を付けて帰るのよ‼︎」

 

二人共ドレスの裾を掴んで一礼した後、執務室から出て行った

 

「ひとみといよはどうした⁇」

 

「さっきトイレに行ってたから、もうすぐ帰って来ると思うわ⁇」

 

あ、これ気付いてないわね

 

「たらいま‼︎」

 

「かえってきたお‼︎」

 

ひとみといよが帰って来た

 

「うにいっぱいとえた‼︎」

 

「しゃらにあたちてきた‼︎」

 

「そっかそっか‼︎よいしょ…」

 

父親に抱っこされ、幸せそうな二人を見るとこっちまで幸せな気分になる

 

晩御飯は豪勢になるわね⁇

 

「お友達は出来たか⁇」

 

「おともらちれきた‼︎」

 

「かあいいひと‼︎」

 

「そっかそっか‼︎」

 

そう言った後、ひとみといよが私の方を見て、軽く手を振った

 

私も二人に手を振り返した

 

私が心から友人と呼べる人は、案外ずっと近くにいた…

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