艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、211話が終わりました

今回のお話はリシュリューが主人公

少し前にお話した、リシュリューのバイトのお話です




212話 フレンチギャルのアルバイト(1)

「これは効率が悪過ぎるダズル。クソダズル」

 

「ニムはプール教室の先生がいいニム」

 

単冠湾の食堂の机で、榛名とニムが頬を重ね合わせながら遠征情報誌を読んでいる

 

「お‼︎採掘の遠征があるダズル‼︎これにするダズル‼︎」

 

「ニムはプール教室の先生の遠征するニム‼︎」

 

榛名は収入と仕事内容が一致しないと行かない効率重視タイプ

 

ニムは頭の叩かれ過ぎで思考能力が無くなり、楽しければ何でも良いタイプ

 

「リシュリューに負けてられんダズル‼︎」

 

「提督‼︎お願いするニム‼︎」

 

榛名が耳にかけていた赤鉛筆で、互いに行きたい遠征情報に丸を付けた情報誌をワンコに渡す

 

「オッケー。油田採掘と、プール教室のインストラクターだね」

 

榛名とニムが遠征の手配をして貰う中、リシュリューは既に一人で遠征に向かっていた…

 

 

 

 

横須賀に一人の女性が降り立つ

 

両耳にピンクの貝殻のイヤリングを付けた女性だ

 

この日、リシュリューは新しく始めた定期遠征の為に横須賀に来ていた

 

「待たせたかしら⁇」

 

「気にしないで良いわ。さ、乗って⁇」

 

迎えに来たのはビスマルク

 

リシュリューと共に赤いオープンカーに乗り、自分達の働くあのビルに向かう

 

「あなたが一人で遠征ねぇ…」

 

「どんな遠征か気になったのよ。リシュリューに合うと良いんだけど⁇」

 

「合うと思うわよ。貴方、中々プロポーション良いもの」

 

「そう⁇」

 

途中コンビニで休憩を挟みながら、小一時間位でビルに着いた

 

「じゃあ、私は橘花マンの撮影があるから、リシュリューはそっちでお願いね⁇」

 

「終わったらその辺散歩してるわ」

 

「リシュリュー様。此方へどうぞ」

 

リシュリューはビスマルクと別の部屋に移り、遠征を始める…

 

 

 

 

「次はこのポーズをお願いします」

 

「こうかしら⁇」

 

新作の夏服に着替えたリシュリューが、カメラの前で挑発的なポーズを取る

 

「次はこのポーズをお願いします」

 

「んっ‼︎」

 

リシュリューがポーズを取る度、シャッターが切られる

 

リシュリューはモデルの遠征を始めたのだ

 

 

 

あの日、リシュリューはアレンにこう言った

 

「今度、伐採と植樹の遠征があるの。斧は良いわよ⁇」

 

「随分力仕事だな…あ‼︎そうだ‼︎ちょい待ってくれ‼︎」

 

アレンは何かを思い出し、タブレットを持って部屋を出た

 

しばらくすると、通話を切りながらアレンが戻って来た

 

「リシュリュー。モデルの仕事やらないか⁇」

 

「モデル⁇リシュリューが⁇」

 

「そっ。ほら、健吾が橘花マンの撮影してるだろ⁇そこで小耳に挟んだらしい」

 

「リシュリューに出来るかしら」

 

「出来るさ‼︎」

 

「なら、このイヤリングを付けて行くわ」

 

そして今に至る

 

 

 

撮影が終われば、今度はインタビュー

 

「好きな食べ物はなんですか⁇」

 

「ナタデココね」

 

「趣味はなんですか⁇」

 

「伐採と収穫、それと植樹よ」

 

「随分とパワフルな趣味ですね…」

 

「動く事が好きなの。あぁ、それと、料理を作るのは好きだわ⁇」

 

「どんな料理ですか⁇」

 

「色々出来るわよ。デザートも作れるし…そうね、得意な料理はフライ物かしら⁇」

 

リシュリューは質問に対し、一問一答でしっかり答えて行く

 

そして最後の質問…

 

「そのイヤリングは何処のブランドですか⁇」

 

「A&A maidよ。安くて可愛いの」

 

「A&A maid…なるほどなるほど…これで終わりです。本日はありがとうございました」

 

「此方こそっ」

 

「あとで謝礼をお支払い致しますので、もうしばらくお待ちください」

 

撮影とインタビューが終わり、リシュリューはビルを出て来た…

 

 

 

 

ビルの陰から、リシュリューを見る人影が一人…

 

「今そっちに行った…」

 

《了解した。そのまま尾行を頼む》

 

 

 

 

「カフェ、本屋、コンビニ…へぇ〜。中々都市なのね」

 

リシュリューの目に映ったのは、近代的な建物と今風のお店

 

横須賀にある繁華街のノスタルジックな雰囲気も良いけれど、こういうちょっと都市な雰囲気も嫌いじゃない

 

「うっ…」

 

急に耳をつんざく音が建物の中から聞こえて来た

 

音がする方向を見ると、看板が見えた

 

「パチン、コ。スロー、ト」

 

音も雰囲気も気になったリシュリューは、パチンコ店に足を向ける…

 

 

 

「リシュリューがパチンコ店に入りそうだ」

 

《了解した。なるべく”ねいびぃちゃん”に近付けさせる》

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ〜‼︎」

 

「ここは遊技場なのかしら…あら⁇」

 

パチンコ店入店まで後ほんの数歩の所まで来た時、リシュリューは店の前の人だかりに気付いた

 

「はいぱぁらっきぃ〜‼︎」

 

「あら」

 

パチンコ店の前でイベントをしているのか、水着姿の金髪の女性が、パラソル片手に手を振っている

 

「貴方、こんな所で何してるの⁇」

 

「今日はイベントなんです‼︎」

 

「ねいびぃちゃ〜ん‼︎」

 

「はぁ〜い‼︎はいぱぁらっきぃ〜‼︎」

 

ねいびぃちゃんは呼ばれた方に振り向き、笑顔で手を振る

 

「貴方、ラバウルのや…」

 

「はいぱぁらっきぃーーーっ‼︎‼︎‼︎」

 

「キャッ‼︎」

 

リシュリューが何かを言おうとした時、ねいびぃちゃんは大声でそれを搔き消した

 

リシュリューは耳を塞いでしゃがみこみ、観客は目を回し、向かい側にあるカフェでコーヒーを飲もうとしていた男性客のカップが割れた

 

「あっ…と」

 

叫んだ反動で、ねいびぃちゃんの金髪の下からツヤツヤの黒髪が見えた

 

幸い誰も見ていなかったので、ねいびぃちゃんはすぐにそれを直した

 

「くぅ…凄い威力ね…や」

 

「ねいびぃちゃん」

 

リシュリューの顔に、ねいびぃちゃんの笑顔がどアップで映る

 

「ね、ねいびぃちゃん…」

 

「間違えたらねいびぃちゃん、え〜んえ〜ん、ですよ⁇」

 

「え、えぇ…」

 

流石のリシュリューもねいびぃちゃんに恐怖したのか、立ち上がってすぐパチンコ店から離れようとした

 

「あら⁇可愛いおさかなね⁇」

 

ねいびぃちゃんの足元の看板には新しい台の紹介が描いてあり、リシュリューはそのキャラクターに目が行った

 

目がクリクリして可愛いおさかなのキャラが描いてあり、リシュリューは少し惹かれた

 

「貴方、これに出てくるの⁇」

 

「えぇ‼︎ねいびぃちゃんが出て来たら熱々です‼︎キュイーキュイーです‼︎」

 

「そ、そう…貴方、かなりキャラ変わるのね…」

 

「すぅ…」

 

リシュリューに言われてちょっと腹が立ったのか、ねいびぃちゃんは大きく息を吸い込んだ

 

「わわわ分かったわ‼︎貴方はねいびぃちゃんよね‼︎」

 

身振り手振りでねいびぃちゃんの肯定をし、雌叫びを止める

 

「ふふっ‼︎いらっしゃいませ〜‼︎はいぱぁらっきぃ〜‼︎」

 

「ここにいたら殺られるわ…」

 

何とかねいびぃちゃんの隙を見て、リシュリューはその場から逃げるように去った…

 

 

 

「タッチバックスに向かった」

 

《了解した。美味いのを淹れる》




果たしてねいびぃちゃんの正体とは‼︎
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