艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、221話が終わりました

今回のお話は、ラバウルからスタートします

お尋ね者を探しに来たとある女性

しかし、誰も教えてくれずに…


221話 お尋ね者は誰ですか⁇(1)

ある日のラバウル…

 

「アレン…いい加減諦めたら⁇」

 

「うぬぐぐぐ…」

 

「やっとアレンを負かす日が来た…」

 

食堂でアレンと健吾がボードゲームをし、その横で愛宕が行く末を見つめている

 

ボードゲームは圧倒的に健吾の優勢

 

ようやくこの日が来たのだ

 

「おい‼︎誰かいるか‼︎」

 

「あ‼︎お客さんだ‼︎」

 

「やられた‼︎」

 

客が来たアレンは、この機を逃すまいと客の方に行ってしまった

 

「いらっしゃい。補給か⁇」

 

「いや、違う」

 

アレンが対応した女性は、長い金髪で、愛宕並に胸があった

 

どうやら日本人ではないらしい

 

アレンは彼女を見るなり、レイが好きそうな女性だ…と思っていた

 

「この方を探しているのだが。知らないか⁇」

 

彼女が左胸ポケットから写真を取り出す

 

アレンは写真の人を知っている

 

だが、得体の知れない女性に教える訳にはいかない

 

「名前も知らない人に教える訳にはいかないな」

 

「あぁ、すまない。余の名前は”ネルソン”貴様は⁇」

 

「アレン・マクレガーだ」

 

「それで、知っているのか⁇」

 

「その人との関係は⁇」

 

「この人は余の姉。こっちは…」

 

写真は二枚あった

 

アレンは二枚目の写真の人も知っていた

 

「彼からすれば叔母になるのか⁇恐らくは叔母だ」

 

本当は教えても良いかとは思ったが、信用して良い情報ではないかも知れない

 

「何処かの基地で見た事はあるが…」

 

「そうか。職務中にすまなかったな」

 

それだけ聞くと、ネルソンは胸ポケットに写真を仕舞い、帰ろうとした

 

「ネルソン」

 

「なんだ⁇」

 

「その人に会って何をするんだ⁇」

 

「親戚が会いに来ただけさ。ではな」

 

ネルソンはラバウルから去って行った

 

ネルソンが見えなくなるまで見送った後、アレンはすぐにとある場所に通信を入れた…

 

 

 

 

「コラ吹雪‼︎シチューも食べるんダズル‼︎」

 

単冠湾では、榛名が吹雪にお昼ごはんを食べさせていた

 

吹雪は榛名が掬ったシチューを口に当てられるが、口を開ける気配は無く、スプーンが当てられた逆方向に顔を向けている

 

「お粥にするダズルか」

 

今度はお粥を掬って吹雪の口に持って行く

 

これは食べた

 

「シチューダズル」

 

もう一度シチューを掬い、吹雪の口に持って行く

 

しかし食べない

 

「なんっ…コリャ‼︎」

 

挙句の果てに吹雪はシチューが入っている容器を指で押し、榛名の方に寄せた

 

つまり、要らないと言う意味である

 

「榛名のシチューが食べれないダズルか…いい度胸ダズルなぁ⁇」

 

吹雪は榛名の顔をジーッと見ている

 

吹雪からすれば、榛名は”シチューしかくれないヤバイ人”位にしか見えていない

 

HAGYは”野菜ばっかりの人”

 

ニムは”オヤツをくれる人”

 

そしてリシュリューは”美味しいごはんをくれて、抱っこしてくれる人”

 

赤ちゃんからすればリシュリューに懐くのは必然である

 

「榛名の腕が悪いんダズル。次はもっとウメェシチューにしてやるから、楽しみにしてるんダズル」

 

榛名は吹雪に怒らず、頭を撫でた後、容器を持って台所に向かった

 

「誰かいるか‼︎」

 

「やかましい‼︎後ダズル‼︎」

 

「あ、はい…」

 

10分後…

 

「何ダズル」

 

待たせた癖に、客を睨みつける榛名

 

今は榛名はそれ所じゃない

 

「余はネルソンだ」

 

ラバウルでの反省を生かし、ネルソンはちゃんと自己紹介を先にした

 

「用は何ダズル」

 

「この人を知らないか⁇」

 

「知らん‼︎」

 

「じゃあこっちの人は…」

 

「知らん‼︎榛名は今機嫌が悪いんダズル‼︎」

 

吹雪に当たれない為、榛名の機嫌は超最悪

 

「今何をしているかだけでもいいんだ…」

 

「知ってても気分良くても教えてやんね〜ダズル」

 

「そうか」

 

「他を当たるんダズル」

 

「手間をかけさせた。すまない」

 

またもやネルソンはそそくさと帰ろうとした

 

「…ちょい待つダズル」

 

流石に気が引けたのか、榛名はネルソンを引き止めた

 

「ソイツらの事は、全部は言えんダズル。ただ、反対派では有名な奴だから、何処かの基地でヒントやら、もしかすると本人に逢えるかも知れんダズル」

 

「反対派⁇」

 

「榛名達反対派は、深海との戦いを最小限に食い止めてるんダズル」

 

「和平、と言う事か⁇」

 

「そうダズル。だからその二人も榛名の大切な味方で、お友達ダズル」

 

「そうか‼︎ふふっ‼︎」

 

榛名の口から反対派や友達と聞いて、ネルソンの顔が綻んだ

 

「それを聞いて安心した‼︎ありがとう、えと…」

 

「榛名ダズル」

 

「ありがとう、榛名」

 

ネルソンは単冠湾も後にする

 

「さて。晩飯の吹雪のシチューダズル」

 

吹雪は晩御飯もシチューになりそうだ…

 

 

 

 

 

「ここなら行けそうだ‼︎」

 

人員も沢山おり、尚且つ屈強そうな兵士が揃っている

 

「おぉ〜‼︎」

 

ネルソンの前に一隻の空母が停泊した

 

「おい‼︎」

 

「はっ‼︎」

 

ネルソンは荷降ろしをしていた空母の乗組員を引き止めた

 

「私はネルソン。この艦で一番偉い奴は誰だ」

 

「艦長‼︎岩井艦長‼︎」

 

「なんだ⁉︎」

 

乗降口の真上の甲板から顔を出したのは岩井

 

「彼が”ガンビア・ベイⅡ”の艦長です。艦長‼︎この方はネルソンさんです‼︎艦長に御用だそうで‼︎」

 

「すまないな岩井殿‼︎降りて来て貰えるか‼︎」

 

「とうっ‼︎」

 

「「艦長‼︎」」

 

岩井が甲板から飛ぶ振りをした瞬間、下にいた部下の二人がすかさず落下地点に来た

 

「飛ぶと思った⁉︎」

 

岩井がしたのはただの飛ぶフリだった

 

「やめて下さいよ⁉︎」

 

「艦長でもその高さからは大怪我ですからね⁉︎」

 

「すぐ降りる‼︎」

 

岩井を待つ間、二人の部下はネルソンを見た

 

「凄い美人さんだ…」

 

「胸デッカ…」

 

ネルソンの胸は、自身の服を押し上げる位に大きい

 

ネルソンも胸の下で手を組むので、強調するかの様に下から押し上げ、二人の目線は自然とそこに行った

 

「聞こえているぞ」

 

「しっ、失礼しました‼︎」

 

「申し訳ありません‼︎」

 

カンカンカンと急いで降りて来る足音が聞こえ、岩井が降りて来た

 

「お待たせしました‼︎」

 

「この二人を知らないか」

 

ネルソンは岩井にあの写真を見せる

 

「確かに私の知り合いですが…ネルソンさん、貴方に簡単には教える訳にはいかないのです」

 

岩井の言葉を聞き、ネルソンはため息を吐きながら写真を降ろした

 

「知り合いまで出来た奴しかいないのか⁉︎」

 

「お褒めに預かり光栄です」

 

「いや、まぁ…なんだ。悪い事では無いのだが…はぁ…」

 

探し求めている二人の信頼度が強過ぎて、誰も居場所を吐かない

 

段々とネルソンの疲労も溜まって来た

 

「仕方ない。次を当たる」

 

「今日は大湊で一泊して行って下さい」

 

「構わん。余は二人を探さねばならない」

 

「この二人みたいな奴がワンサカ出て来ますよ」

 

「あっ‼︎」

 

「ゴホン‼︎」

 

相変わらずネルソンの一部分を見ていた二人を見て、ネルソンは岩井の言葉に甘える事にした

 

 

 

 

「ここが大浴場さ‼︎今の時間は貸切みたいな物だから、ゆっくり入んな⁇」

 

「すまないな」

 

ボスに案内され、ネルソンは大浴場に来た

 

「ほぅ‼︎これはこれは‼︎」

 

大湊の大浴場もかなり広い

 

すっぽんぽんになったネルソンはタオル片手に腰に手を当てながら大浴場を見渡した

 

用意されたタオルやボディソープで体を洗った後、湯船に浸かる…

 

「ニホンの風呂もいいなぁ…」

 

ネルソンはしばらくの間、暖かい風呂を堪能する…

 

 

 

 

「特に怪しい物は見当たりませんねっ…」

 

「確かに…しかし、これだけの持ち物で基地を回っているのか⁇」

 

ネルソンが入浴中に、脱衣所で二人の影が動く

 

胸の形がクッキリ残った上着や、着ている物を全て調べるが、出て来たのは必需品や写真とガムだけ

 

残っているのは革の鞄だけ

 

しかも鍵が付いている

 

「小規模の爆発で開けてみますかっ…」

 

「やめときましょう。そこまでしては、我々の動きが感知されます」

 

「分かりましたっ。涼月はお父さんとお母さんに。貴方は提督に報告を。鞄以外に不審物は見当たらなかった、と」

 

「了解です」

 

持ち物検査をしていたのは、涼月とダイダロスさん

 

二人はそれぞれ分かれ、報告に向かう…

 

 

 

 

「スッキリしたかい⁇」

 

「うむ‼︎ニホンの風呂は凄いな‼︎感謝する‼︎」

 

ネルソンが風呂から出ると、ボスが待っていてくれた

 

「さっ、御飯にしようか‼︎アタシが作ったから、きっと美味しいよ⁇」

 

「いいのか⁇至れり尽くせりで…」

 

「客人を持て成すのが日本人なんだよっ‼︎さっ、行こう‼︎」

 

「うむっ‼︎」

 

今度は食堂に向かう…

 

 

 

 

「おぉ〜‼︎」

 

料理を見て、ネルソンの目が輝く

 

「さっ‼︎好きなの取って食べてくんなっ‼︎」

 

夕御飯はボス特製のバイキング形式の料理の数々

 

ネルソンはお皿を片手に、トングを片手に持ち、カチカチ鳴らしながら料理を選ぶ

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