艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

752 / 1101
このお話は、マーカスとパパのお話になります

マーカスとパパはとある爆撃機で運搬する様に言われるが…⁇


第四クリスマスプレゼント運搬部隊 乗りたくないミッチェル

第四運搬部隊、サンダーバード隊2名

 

イカロス

 

ワイバーン

 

本機は二つの居住区のヘリポートに対し、順次コンテナを投下

 

 

 

 

「さ〜てと。俺達の番ですかっ‼︎」

 

「今の所はサンタ狩り部隊の連絡も無い。順調に進行中だ」

 

「レイ。私達は二人乗りの爆撃機で向かう。何せ、プレゼントが多いからコンテナもデカい」

 

「任されたっ」

 

「貴様等」

 

「お⁇」

 

現れたのはネルソン

 

「アドミラル・ジェミニと親潮が忙しいからなっ。余が無線で案内してやろう」

 

「それは助かる‼︎」

 

ネルソンは元司令官

 

それも、あのアレンを生き長らえさせた司令官でもある

 

「爆撃機とはいえ、貴様の腕を見てやろう‼︎」

 

「見とけよ‼︎俺達ゃやる時ゃやるんだ‼︎」

 

「レイ、行くぞ‼︎」

 

「オッケー‼︎」

 

指揮をネルソンに任せ、二人で格納庫に来た

 

「「おぉ〜‼︎」」

 

目の前にはアメリカの爆撃機がある‼︎

 

「B-25だ‼︎」

 

「ミッチェルか‼︎」

 

「リチャード中将が持って来た機体です」

 

ミッチェルの整備をしていた整備士に説明を受けた

 

「コンテナ及びパラシュートの調整はバッチリです。燃料も行って帰って来ても充分余る量を給油してあります」

 

「う〜ん、流石だ」

 

「一応、秋津洲さんのニトロを使えるようにしてあります。サンタ狩り部隊に遭遇した際はそれを使用下さい」

 

「秋津洲の手が掛かってるのか⁉︎」

 

「えぇ。ミッチェルは秋津洲さんが整備を」

 

「さ、帰ろう」

 

「夕ご飯は何だろうな」

 

俺も隊長も、秋津洲の名を聞き踵を返した

 

「大丈夫ですよ‼︎飛びますから‼︎」

 

「飛ぶのは問題無いんだ‼︎」

 

「煙だよ煙‼︎」

 

俺達が反発すると、整備士達が全員”あぁ…”とため息を吐いた

 

「他の機体は⁇」

 

「現状ミッチェルが一番整備されて…」

 

「カ号は⁇」

 

「コンテナが上がりません」

 

「艦爆は無いのか」

 

「コンテナが…」

 

「陸攻は⁇」

 

「コンテナ…」

 

「「はぁぁぁぁぁぁ…」」

 

二人してため息を吐き、嫌々ミッチェルに乗った

 

「レイは信仰は無かったな」

 

「無いっ‼︎」

 

シートベルトを締めながら会話を続ける

 

「何でもいいから祈っててくれ。私の分まで」

 

「お、オーケー…」

 

「本気で祈れ‼︎頼むから‼︎」

 

「い、行くぞ‼︎」

 

ミッチェルが基地から飛び立つ…

 

「チクショウ‼︎やっぱじゃねぇか‼︎」

 

飛び立ってすぐ、機体のどこかがガタガタ鳴り始める

 

「たぁすけてくれぇーーーい‼︎」

 

流石の隊長も手すりを持ち、悲鳴を上げている

 

「俺達なんか悪い事したか⁉︎」

 

「したかもしれん‼︎腹立って貴子を無理に抱いた事もある‼︎」

 

「それ言うなら俺も横須賀に牛みたいとか言った‼︎」

 

《おい》

 

「バチ当たったか⁉︎」

 

「だとしたら仕打ちが酷すぎるだろ‼︎」

 

《騒ぐな喧しい‼︎》

 

「「イギャァァァア‼︎」」

 

ネルソンの無線にさえビビり、悲鳴を上げまくる俺達二人

 

「助けてネルソン‼︎」

 

「懺悔するから‼︎」

 

《分かった分かった。まずは加速しろ加速》

 

「加速どれ‼︎」

 

「多分それだ‼︎」

 

隊長の目線の先には何かのレバーがある

 

「これ‼︎」

 

ガタガタ鳴る操縦席内で、俺の手に隊長の手が重なった

 

「「加速‼︎」」

 

レバーを前に倒す

 

「おっ…」

 

「暴れん坊だ…」

 

ようやく落ち着いたミッチェルの中で、俺達はため息を吐いた

 

《少しは静かに操縦しろ。もうすぐ第一目標だ。投下の準備をしろ》

 

「へ〜へ〜」

 

「分かりましたよ〜」

 

《悪態を吐くな。いいか。下で日向とミホが構えている》

 

「みほがか」

 

眼下にヘリポートが見えた

 

豆粒みたいなサイズだが、確かにみほと日向が見えた

 

「投下体勢に入る。隊長、合図したら投下してくれ」

 

「了解した。準備は出来てる」

 

一度体勢を整え、投下の体勢に入る

 

「3…2…1…投下‼︎」

 

「投下‼︎」

 

投下されたコンテナはパラシュートを開き、気流の関係で少し位置はズレはしたが、ちゃんとヘリポート内に落ちた

 

《大佐、ありがとね⁇》

 

《マーカス。夜間飛行、お疲れ様だな》

 

「また近々会おうな、みほ」

 

「大東と仲良くな〜」

 

コンテナを受け取ったのを確認したのを見届け、高度を取り直し、都市型居住区へと向かう

 

《ほぅ⁇中々上手いじゃないかっ‼︎》

 

「ま、何回もして来たからな」

 

「爆弾投下なんざ朝飯前よ」

 

《よしっ。次が最後だ。貴様等、ビスマルクは知っているなっ⁇》

 

「勿論だ」

 

「俺達の友達だ」

 

《都市型居住区にはビスマルクのビルがある。それを目標に飛べ》

 

「ビスマルクのビルね。了解っ」

 

ビスマルクインダストリービルの事だ

 

ビスマルクの元で働いている人は完全シフト制

 

時間が来たら強制退社。残業はビスマルクが許さない

 

15分前には退社の準備をしないと警報が鳴るシステムまである

 

なので、この時間帯にビスマルクのビルにいる奴は夜勤の連中だ

 

「オーケー、見えた」

 

「へへ。橘花☆マンのリハーサルやってるぜ」

 

灯りが付いている回数で、誰かが数人の前で橘花☆マンのスーツを着て動いているのが見えた

 

「やっぱ健吾の方がキレあるな」

 

「健吾も良い就職先だよなぁ…万が一引退したら俳優だもんな」

 

《私語は慎め。運動公園が見えるな》

 

「見えた」

 

《そこにねぃびぃちゃんとビスマルクがいる。投下して拾って貰え》

 

「ね、ねぃびぃちゃん…」

 

「お口チャックだな…」

 

操縦席で戦慄する

 

ミッチェルに乗っている状態で鉄槌なんざ撃たれてみろ

 

即死亡だ

 

「よし、投下‼︎」

 

「投下‼︎」

 

今度はしっかり中心にコンテナが落ちた

 

《受け取りました‼︎》

 

《ちゃんと帰りなさいよ‼︎》

 

「よし、帰ろう」

 

「じゃあな〜‼︎またお前ん家行くからな〜‼︎」

 

《待ってるわよ‼︎》

 

ビスマルクとねぃびぃちゃんとの無線を切り、俺達は一旦横須賀に向かう為に海上に出て来た

 

《お疲れ様だなっ。よし、スカイラグーンで待っているぞ》

 

「また後でな」

 

「なんなら一緒に行くか⁇」

 

《断る。まだ死にたくないのでな》

 

「や、野郎‼︎言いやがったな‼︎」

 

「意地でも乗せてやるからな‼︎」

 

《ははは‼︎じゃあな‼︎》

 

ネルソンは高笑いを残したまま無線を切った

 

「さてっ。乗り換えるか」

 

「だなっ。いつ煙吹くか分からん…」

 

《……なぁ⁉︎》

 

「何だ⁇混線か⁇」

 

隊長が無線の周波数を弄ると、段々と声がクリアになって来た

 

《サンタさんみ〜っけ‼︎》

 

《プレゼント、頂きますっ‼︎》

 

《赤い死神‼︎負けない‼︎》

 

「サンタ狩り部隊だ‼︎」

 

海上に出るんじゃなかった‼︎

 

サンタ狩り部隊は三人

 

照月

 

涼月

 

そして福江

 

既に何人か”メリークルシミマス”の犠牲になったのか、三人の袋は既にパンパンになっている

 

「レイ‼︎ニトロだニトロ‼︎全速力で逃げるぞ‼︎」

 

「ニトロ‼︎」

 

”にとろ”と描かれたボタンを殴るように押す

 

「「ウギャァァァァァア‼︎」」

 

忘れていた白煙が操縦席に噴き出す‼︎

 

《逃げた‼︎横須賀に降りるよ‼︎》

 

《捕まえましょう‼︎》

 

《メッチャ負けない‼︎》

 

 

 

 

 

「あれぇ〜⁇いないよ⁇」

 

「逃げられましたねっ…」

 

「負けた‼︎」

 

サンタ狩り部隊が横須賀に着いた頃には俺達二人は既に離陸済み

 

着陸直後、ミッチェルは滑走路に置いたまま、猛ダッシュで互いの機体で離陸した

 

「まっ、いっか‼︎今年も沢山サンタさん倒したし‼︎」

 

「私達の勝ちですっ‼︎」

 

「勝った‼︎」

 

「さ。もう行っていいよ‼︎」

 

照月は横須賀の倉庫で縛っていた老人の紐を解いた

 

赤い服を着た老人は捕らえられていたにも関わらず、照月達の頭を撫でてソリに乗った

 

「トナカイさん、またね‼︎」

 

「メリー、クリスマース‼︎」

 

老人はソリに乗り、”空”へと帰って行った…

 

 

 

 

 

「うへぇ…疲れた…」

 

「お疲れ様です。さっ‼︎どうぞ‼︎」

 

「頂きますっ」

 

スカイラグーンの机で頭を置いていた俺の前にチョコレートケーキが置かれた

 

既に周りはドンチャン騒ぎ

 

俺はもう少しだけ休憩したい気分

 

「んっ‼︎美味い‼︎」

 

トラックさんのケーキは相変わらず美味い

 

…だが、何処かで食べた事のある味に近い気がする

 

「マックか」

 

独り言の様にポツリと呟くと、トラックさんの手が止まった

 

「”師匠”をご存知で⁉︎」

 

「師匠ってマックの事か⁇」

 

「えぇ‼︎私の師匠です‼︎」

 

「都市型の方の居住区で暮らしてる」

 

「そうですか‼︎」

 

「戦車長じゃないのか⁇」

 

「私は元戦車乗りですよ⁇」

 

全員の視線がトラックさんに向き、同じ事を言い放った

 

「「「マジか‼︎」」」

 

「えぇ。戦車乗りの先輩でもあり、パティシエの師匠でもある方です」

 

「はぁ〜っ…」

 

「良いクリスマスプレゼントを頂きました。後日、お伺いしても宜しいですかね⁇」

 

「あぁ。タッチバックスって喫茶店してる」

 

「なるほどなるほど…」

 

トラックさんとの話はしばらく続き、パイロットと戦車乗り提督達の夜はふけていった…

 

こうして、俺達の波乱に満ちたアイム・サンタクロース作戦は終わりを告げた…

 

 

 

 

福江が笑っていた事が、一番良かったのかも知れない…




投稿が遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした

ミッチェル、本当は良い機体ですよ‼︎
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。