今回のお話は、ヴィンセントのお話です
アメリカに呼び戻されたヴィンセント
果たしてヴィンセントはどうなるのか⁉︎
「一時帰国命令か…」
ヴィンセントに一時帰国命令が下りた
理由は不明だが、アメリカが言って来たので帰らない訳には行かない
「向こうで何か話があるのかと」
「今の生活が気に入っているので、帰りたくはないのですがね…仕方ありません」
「では、受諾します」
棚町に判を押され、ヴィンセントの一時帰国が許可された
「アドミラル棚町」
「何でしょう」
「荷物を引き上げて来ても構いませんか」
「勿論。あなたさえ良ければ」
棚町の言葉を聞き、ヴィンセントは帽子のツバを指先でつまみ、執務室から出た
「気に入って頂けてるみたいですね⁇」
「マクレガー大尉とガンビアさんも居るからじゃないかな。今ようやく家族が戻って来たんだよ、きっと」
「では、見守ってあげなければ‼︎ですね⁇」
「そゆことっ‼︎」
鹿島と棚町が話す執務室
そんな中、ヴィンセントは複雑な思いのまま、本土を飛び立った
「ヴィンセントがアメリカに召集ねぇ」
ヴィンセントがアメリカへと向かった次の日、横須賀パイロット寮
「ねぇ。な〜んかやな予感しない⁇」
リチャードとイントレピッドが朝から話している
リチャードは朝食を食べながら
イントレピッドは食器を片付けながら
実に夫婦関係に近い絵面である
「あいつは堅物だが、腕は確かだからな。しかも歴戦の空母の艦長。本国だって他国に渡したくないだろうに」
「リチャードは召集されないのね⁇」
イントレピッドはイタズラに笑いながらリチャードを見る
「どうせ俺は女たらしのクソパイロットですよ〜だ」
冗談が通じる二人だからこそ、こうして笑い合える
「まっ⁉︎そう言う私も召集されないんだけどねっ⁉︎」
「何だろうな…”あの二人”にも聞いてみるか…ごちそうさん‼︎」
「食器は置いておいて‼︎あっ、リチャード⁉︎」
イントレピッドは食器を洗っていた手を止め、キッチンから出て来た
「ちゃんと身嗜み整えて。ニット被って‼︎」
リチャードのジャンパーを整え、ポケットから自身が編んだニット帽を被らせる
「はいっ‼︎OK‼︎風邪引いちゃダメよ⁇」
「お前はマ…」
お前はママか‼︎と言おうとしたが、パイロット達からママと言われているのを思い出し、言わない事にした
「こうしてジワリジワリ、私を嫁にしなかった事を後悔させたげる…ふふひふひひ」
「う…」
イントレピッド特有の、ニタァ…と微笑む恐怖の笑顔
蒼龍のニタァ…とはまた違うベクトルの恐怖で背筋が凍る
蒼龍のニタァ…は、死滅を意味する
蒼龍のニタァ…を見た人は、今の所リチャードしか生存していない
そんなレベルで恐ろしい死の微笑みである
しかしイントレピッドのニタァ…は、何処か優しさが残っているニタァ…
数分後にはイントレピッド自体を怒らせた事を後悔する…そんなニタァ…
「行ってくる」
「行ってらっしゃい‼︎」
イントレピッドに見送られ、リチャードは”あの二人”の場所に向かう…
「これで筋力の補助が出来るぞ」
「コレダケデモ、トリアエズツカエル」
「やったわねマー君‼︎」
研究室で三人が出来上がったアーマーの腕部分をマークが装着し、性能を試している
アーマーはもう完成目前に近いみたいだ
「よっ」
「リチャードか珍しい。どうした⁇」
「いんや。ヴィンセントのアホが本国に渡ったって聞いてな。何か知ってるか⁇あ、すまんな」
ヴェアからコーラを貰い、それを飲みながらリチャードは机に腰を置き、マークと話す
「ヴィンセントがか⁇」
「あぁ。何でもっ…急な召集だったモンからっ…出てから知った」
「マー君…」
サラが不安そうにマークを見つめる
「ヴィンセントは艦長だ。そう手荒な真似はしないだろ」
「だと良いがな…」