第二の被写体は次の日の横須賀で現れた
アレンの飛行訓練が終わった事を聞き、アイちゃんが迎えに来た時
広場のベンチでタバコを吸っているアレンとマーカスがいた
アレンはベンチの背もたれに背中を置き、軽く上を向きながら咥えタバコ
マーカスは軽く前屈みになり、右手にタバコ
二人共視線を左にズラし、何かを見て笑っている
その一瞬の何気ない日常の風景の中にいる二人の絵が、アイちゃんにとってシャッターチャンスとなった
パチャリ…
アイちゃんは一度AOBASYARIから目を離し、二人が見ている方を見た
二人の視線の先には、ランチマットを敷き、その上に
たいほう
ひとみ
いよ
日進
ジョンストン
の子供五人が、それぞれの母親に作って貰ったお弁当を食べていた
こんなにそれぞれの基地から子供達が集まるチャンスは滅多にない
アイちゃんは子供達にもレンズを向けた
パチャリ…
そして、最後に全員を収めた写真も一枚撮る
パチャリ…
「おっ‼︎アイちゃん‼︎何撮ってるんだ⁇」
「Dr.レイ‼︎貴方を撮ってたノ‼︎」
「お前が被写体とか世も末だな」
半笑いのアレンがマーカスをおちょくる
アイちゃんから見ても、自分の父親と大変仲が良く、父親が基地以外で嘘偽りなく相談出来る相手であるのには間違いなかった
「こう見えて‼︎マーカスさんはプロパガンダの広告塔になっているんだぞ‼︎」
と、マーカスは自分で言い、立ち上がってポーズを取った
「ヨコスカのお部屋にあるPosterのPauseがいいワ⁇」
「んっ‼︎いいぞっ‼︎」
マーカスは首を軽く傾げて、真剣な眼差しをレンズの向こうのアイちゃんに送る
「アッ…」
この瞬間、アイちゃんは分かった
普段、マーカスが治療をする時もあまり真面目な顔を見た事が無い
アレンと遊んでいる時も終始ふざけているイメージがあったマーカスが、この日初めてアイちゃんに真剣な顔を見せた
ヨコスカはこのギャップに惚れたのだ…と、すぐに分かった
パチャリ…
パチャリ…
アイちゃんは二枚写真を撮った
「現像したら見せてくれよ〜‼︎」
「ウンッ‼︎」
迎えに来た事を忘れ、アイちゃんはたいほう達の所へ行った
「悪いなレイ。アイちゃんに付き合ってくれて」
「これ位いつでも喜んでっ」
第三の被写体は、また次の日
ひとみといよが頭の上に何かを抱えて持ってラバウルに遊びに来た
アイちゃんはアレンと一緒に、ひとみといよと訓練場である海沿いに来た
「こえ、にっちんしゃんのしょうび‼︎」
「おけっとあんちぁ〜‼︎」
ひとみといよは頭の上に持った、ジュースの缶サイズのロケットランチャーが三発入った入れ物をピョンピョンしながらアイちゃん達に見せてくれる
アレンは前屈みになり、二人に問う
「レイが造ってくれたのか⁇」
「うんっ‼︎えいしゃんつくった‼︎」
「ひとみといよちゃんもうてう‼︎」
「よしっ‼︎あのターゲットに向かって撃ってみていいか⁇」
アレンが試射をしようとしたが、当のひとみといよは自分達が撃つ気だ