艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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236話 ミラクル☆オヤシオ(5)

「何書いてんだ⁇」

 

「ここの味とか品質とか値段設定よ。どの客層にはどの商品を売ればいいとか、粗方まとめてるの」

 

「お前それだけは真面目だよな」

 

「元から好きなのよ。それに、ここも私の管轄になるわ。責任問題は私に降りかかるの。顧客には満足行く代金設定で美味しいの食べて貰って、黙ってもう一回来てくれた方がマシだわ⁇」

 

「ま、真面目な事言ってやがんぜ…」

 

朝霜のドン引きした顔を皮切りに、男衆のイヤミが始まる

 

「明日は雪だぞ…」

 

「健吾。基地に除雪機あったか⁇」

 

「あ〜…工廠に小さいのなら。あれなら俺も乗れるよ」

 

遂に健吾までノリ始めた‼︎

 

「言いたい事言って…」

 

「褒めてるんですよ、ジェミニ様っ‼︎」

 

「何処がよ」

 

「皆さん、口角が2度から5度上がっています」

 

「だぁ〜‼︎親潮にはバレたかぁ‼︎」

 

「流石は親潮ちゃんだぁ‼︎」

 

「見抜かれてますね〜‼︎」

 

「ふふっ‼︎」

 

「まぁ…あれだお母さん。お母さんの経営能力は皆んな買ってる。じゃなきゃ、横須賀にあるあれだけの店の売り上げを全部一定で安定させるなんて無理なこった‼︎」

 

「そんな事出来るのか⁉︎」

 

流石にこれには驚いた

 

「それくらい簡単よ。売り上げが悪そうならば、会議とか視察に来た高官をそこに回したり、民間人に解放する日に配るパンフレットに大々的に乗せたりとか」

 

「「「へぇ〜…」」」

 

これには全員が感服した

 

普段視察とか言ってその辺で食いまくっていると思えば違っていた

 

「言われてみれば、視察してる時に探しに行くと毎回違う店にいるな⁇」

 

「そゆことっ‼︎全部均等に回って、そこを把握しなきゃ纏められないわ⁇一つが売り上げを占めてもダメ、一つが売り上げ不足でもダメ。総売上が100%なら、すべてのお店が誤差ありきで大体均等に10%とかじゃなきゃダメなの。それが長く続くコツよ⁇」

 

「見直したよ…」

 

「ふふん、もっと褒めなさい⁇」

 

「親潮や朝霜様達同伴させて頂いているのは、子供の意見を聞くためだと存じ上げています」

 

「んふ〜‼︎」

 

横須賀のドヤ顔がヒジョーにムカつくが、やっている事は賞賛されるべき事だ

 

「まっ。店側にも少しは協力して貰うわ。新メニューを考えたりね」

 

「例えば⁇」

 

「少し前なら、鳳翔さんの所かしら。ずいずいずっころばしのお魚と一緒に白身魚を入荷する事になったの」

 

話はこうだ

 

瑞鶴の回転寿司では毎日大量の魚を仕入れ、それを使ってお寿司を作る

 

安定した魚の量を確保する為に近場の漁業組合と提携を結んでいる事は知っている

 

しかし、そこはやはり互いに商売

 

漁業組合には大量に余った魚を買って欲しい時があった

 

横須賀は各店舗に回り、その魚の新メニューを考えてくれる人を探し始め、鳳翔さんが白身魚の天ぷらを新商品として出す事になった

 

これにより、鳳翔さんはランチメニューを出せるようになった

 

「昼間から夜までか…」

 

「その所は心配ないわ。昼間は千歳と千代田が天ぷら揚げてるから」

 

「手が空いたら行くか‼︎」

 

「天ぷらかぁ…最近食ってねぇしな⁇近々行くか‼︎」

 

「ワンコも誘っていい⁇」

 

「おー‼︎呼ぼう呼ぼう‼︎」

 

「へへ…ヤンキー四人衆だぜ‼︎」

 

男衆が楽しく話す中、女衆は和かに見守る

 

「たまには色んなとこ回ってあげて⁇結構新メニューとかがある店もあるわよ⁇」

 

「オーケー‼︎よしゃ‼︎そろそろ出るか‼︎」

 

いざ皆が立ち上がろうとした時、涼月にも声を掛けようとした

 

「お、ちど…おち、どち、お…」

 

「さぁっ…‼︎」

 

「うぅ…」

 

不知火がノイローゼになっている‼︎

 

それでも涼月は口をモグモグしながら不知火を真顔でガン見する

 

「涼月。いっぱい食べたか⁇」

 

「はいっ…‼︎」

 

 

こりゃ満腹じゃねぇな⁇

 

しかし、このままだと不知火が泡を吹…

 

吹きかけてるのか‼︎

 

「し、不知火‼︎しっかりしろ‼︎」

 

「おちおちおちどど…おおおちど…」

 

「陽炎‼︎」

 

「はーい‼︎あーもう不知火‼︎」

 

「おちど」

 

不知火は落ち度しか言わなくなっている

 

「ほらっ。これ飲んで‼︎」

 

陽炎が渡したのはグレープジュース

 

それを不知火は一気に飲み干す

 

「不知火に落ち度はありません」

 

「治った…」

 

「不知火は定期的にグレープジュースを飲まないと落ち度しか言わなくなるのよ…」

 

「大丈夫か不知火」

 

「はい。何ら問題ありません」

 

「スゲェ…」

 

「さぁ、涼月さん。次はカルビとタンです」

 

「いえっ…‼︎今日は帰りますっ…‼︎とてもっ、美味しかったですっ…‼︎ありがとうございましたっ…‼︎」

 

「そうですか。では、またのご来店を」

 

「また来て下さいね‼︎」

 

「ビスマルクによろしく伝えといて⁇あ。代金は横須賀に回して頂戴」

 

「畏まりました‼︎」

 

こうして、ジェミニの知らない事がまた知れた1日が終わった…

 

帰りのジープの中…

 

俺以外は、疲れからかイビキをかいていた

 

俺一人だけが、夜景で煌めく都市を眺めながら、高速を走っていた…

 

 

 

 

後日…

 

「親潮‼︎大変よ‼︎」

 

「な、何でしょう‼︎」

 

「マジカル☆ジェミニのフィギュアが飛ぶ様に売れてるわ‼︎」

 

「やりましたね‼︎」

 

かなりのクオリティで、提督服とマジカル☆ジェミニの衣装の着脱が可能だが、定価30000円という中々高額な価格にも関わらず、何故かマジカル☆ジェミニのフィギュアが飛ぶ様に売れた…

 

購入者年齢層

 

成人男性…98%

 

一体何に使うのか…永遠の謎である




マジカル☆ジェミニフィギュア…用途不明フィギュア

マジカル☆ジェミニが放送開始した記念に発売された1/3フィギュアであり、抱き枕に丁度良いサイズだが、30000円と高価

全身柔らか素材で、全身可動するが、ちゃんと関節部を隠してある等、非常にリアル

服の着脱もマジカル☆ジェミニと提督服に着脱可能

服の下の再現もされており、黒いレースのブラジャーとそれと同じ素材のガーターベルトとパンツを身に付けている

何故か購入者が成人男性が多いが、用途は不明
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