親潮にはダッキ…今の日進と同じ適応変化機能が備わっている
この機能があれば、適材適所で一番効率の良い方法を模索して実行出来る
親潮はかなり特殊で、簡単な物なら自分を構成している成分で見た物を複製出来る能力が突然変異で産まれた
日進は聞いた話によると、初めて見た物や触った事の無い物の使用用途が瞬時に分かる能力が付いている
「AIの話をするマーカス君の顔、凄く生き生きしてるわ⁇」
「そうか⁇ありがとう‼︎」
「そろそろ行かないと‼︎きそちゃん、お買い物して帰ろっか‼︎」
「うんっ‼︎ごちそうさまでした‼︎レイ、また後でね‼︎」
きそは貴子さんに手を繋いで貰い、二人共俺達に手を振って店を出て行った
「アレンが三人目か…産まれたら見に行くかな」
「アレン君が部下になるわ⁇」
遂にアレンを顎で扱える日が来たか…
それを聞くだけで今すぐにでも昇進したい‼︎
「先生も嬉しいですよ、本当ですよ⁇」
香取先生は俺と目を合わせず、髪を耳にかけながらパスタをクルクル巻いて口に運んでいる
「マーカス君が中佐になったら、先生もようやく隠居です」
「まっ、ババアにはそれが似合うなっ‼︎」
ほんの少しシリアスな香取先生の顔を見て、わざといつもの話し方で返した
「隠居したら遊びに来てくれるかしら⁇」
「隠居なんかさせるか」
「あら…どういうつもり⁇」
眼鏡の向こうの表情が、いつもの香取先生に変わる
「昇進しねぇからな、俺」
「そんな…そろそろ先生の立場を考えて下さい」
「やなこった」
香取先生が持っているフォークが、皿の中に置かれた
「マーカス‼︎いい加減子供じみた事は止めなさい‼︎」
「隠居とか言っちゃうババアは、俺の知ってる口やかましい香取先生じゃないね」
「なんです⁇言いたい事があるならはっきり言いなさい」
「艦娘には、まだまだ香取先生が必要なんだよ。これから艦娘として生きて行く奴、今まさに艦娘として香取先生の手引きを受けている奴、これから引退する奴…どの子にも必要なんだよ」
「後継に鹿島がいます」
鹿島の名を出されて、何故か頭に来た
バンッ
「ひぅっ‼︎」
机を叩いて、香取先生の顔に近付いた
「鹿島じゃなくてあんたが必要なんだよ‼︎香取‼︎」
「はうっ…」
つい呼び捨てにする位、声に覇気がこもった
「辛くなったら俺もいるし、隊長やラバウルのみんなだっている。話位はいつだって聞く」
「はいっ…」
「今日は黙って俺の横にいろ。いいな」
「いましゅ…」
急にしおらしくなった香取先生
「ど、どうした⁇」
「んっ‼︎んんっ‼︎何でもありませんよっ‼︎少しばかり絶頂しただけです‼︎」
「うわ…」
「今日はマーカス君の傍に居ますからね⁇」
キラリと光る眼鏡を香取先生がクイッと上げた時、悪寒が走った
「あ‼︎俺今日親父と瑞鶴と寿司食うんだった‼︎じゃね‼︎バイビー‼︎」
フォークを置き、食いさしだがパスタを置いて店を出ようとした
「待ちなさ…いっ‼︎」
体に細いワイヤーが急に巻き付けられた‼︎
「ほんげ‼︎」
「今しがた、若い子も悪くないと思いましてね…貴方だけですよ、この香取を明確に必要と仰ってくれたのは…」
「ヤダヤダヤダヤダ‼︎俺にババアの趣味ないの‼︎ねぇ‼︎」
どれだけジタバタしてもワイヤーが食い込むだけ
「ヤダヤダはリベの特権だよ‼︎」
別席の空皿を持って来たリベッチオが前に来た
「ちょ‼︎リベッチオ‼︎お菓子買ってあげるから助けて‼︎」
「ヤダヤダヤダ‼︎ありがとうございましたぁ‼︎」
「またのお越しをぉ〜」
「あーっ‼︎ヤダヤダ‼︎助けてくれーっ‼︎」
「さっ、来なさい」
面白半分のリベッチオ、リットリオに見放され、店外に引っ張られて来た
「へぶっ‼︎」
そこでワイヤーが解かれ、自由を得た
「先生、そんなに魅力はないとは思わないのですが…」
「態度とおっぱいはデカイな、うんうん」
「もう…」
そしてまた、腕を組んで来た
「今日だけだからな」
「あら、さっきはいつでもって言ったじゃない。空軍は嘘をつかないんでしょう⁇」
「…お手上げだっ」
結局、その日試験結果が出るまで香取先生と基地を散策する事になった…
試験の結果⁇
大尉のままが落ち着くんだよ、俺は