ラバウル基地、医務室…
「すまないマーカス、キソ。忙しい中来てくれたのだなっ」
「いいんだいいんだ‼︎お安い御用さ‼︎」
「わ‼︎可愛いね‼︎」
ネルソンの胸に、お包みに包まれた赤ちゃんがいた
ネルソンの胸が余程良いのかスヤスヤ眠っている
「一応、ネルソンの体調が落ち着いたら横須賀で本格的な検査を受けてくれ。俺は一時の検査しか出来ない」
「分かった」
「礼を言わねばならない。タカコサンとキソ、そしてマーカス…皆余が助けを求めたらすぐに来てくれた」
「気にするなっ‼︎抱っこさせてくれるか⁇」
「うぬっ‼︎」
ネルソンの腕から赤ちゃんを受け取る…
「お〜ぉ〜、力強い子だっ…」
これまでに赤ちゃんは何度か抱っこした
たいほう、朝霜、磯風、時津風…
兎に角沢山抱っこした
その中でも今抱っこしている赤ちゃんは皆より倍重たかった
力強く育つ証拠だ
「ありがとう」
ネルソンに赤ちゃんを返し、聴診器を出した
「少しだけ聞かせてくれよ…」
健康そのものの命の音が聞こえる…
何処に聴診器を当てても、健康そのもの
「よしっ。赤ちゃんは健康そのものだ。次はネルソンだな」
「うぬっ。アレン、少し頼む」
「おっ。分かったっ」
ネルソンが服を捲り上げ、胸元と腹部に聴診器を当てる
「産後の影響だろうが、疲労から少し消化不良を起こしてる。食生活が元に戻れば問題はないだろう。果物系を食べてくれ」
「この子のジュースを作る時に余も頂こう‼︎」
「良い心掛けだっ。後はきそがDNA検査をする。もし体調が悪くなったらすぐに連絡をくれ。横須賀に薬を手配させる」
「うぬっ‼︎」
「アレンさん‼︎髪の毛ちょっと抜くね‼︎」
「おっ‼︎頼んだ‼︎」
屈み込んだアレンの髪の毛を数本抜き、きそは綿棒を取り出した
「ほっぺたの中のも採るね」
「あ〜…」
口の中の組織も採り、アレンは終わり
次いでネルソンも同じ様に採取した後、赤ちゃんには起こさない様にそ〜っと口に綿棒を入れ、内側をクリクリして取り出した
「オッケー‼︎これで全部だ‼︎」
厳重なケースにそれらを仕舞い、検査は終了
「名前は何にしたんだ⁇」
「あぁ…実はまだなんだ…」
「日進は余が付けさせて貰ったからなっ。次はアレンが付けて欲しいのだ」
「いよがアレンジュニアにしたらどうだって言ってたぞ⁇」
「女の子だからな…流石に横須賀に行くまでには決めるさ」
「了解っ‼︎よしっ、きそ‼︎帰るぞ‼︎」
「オッケー‼︎邪魔しちゃいけないね‼︎」
「助かったよ、レイ」
「感謝する‼︎」
一番最初の家族団欒は邪魔しちゃいけないと思い、きそが持とうとしていたケースを持って医務室を出た…
DNA検査の結果は紛れもなく親子だった
いや、そんな事は些細な事だ
問題はあの赤ちゃん…
この子がまた暴れん坊な子だとは、誰もが少しは予測していたが…