艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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24話 二つのタマゴ(2)

「今日からしばらくここにいる、ドイツの駆逐艦、れーべとまっくすだ」

 

「たいほう‼︎」

 

「はまかぜです」

 

「ローマよ」

 

「武蔵だ」

 

「チェルシー‼︎」

 

全員が元気良く返事をする

 

 

「敵がいる‼︎」

 

「深海棲艦だ‼︎」

 

「ヒッ…」

 

チェルシーの方ががビビっている

 

「大丈夫。ここでは敵も味方も関係無い。だかられーべもまっくすも、みんなと仲良くして欲しい」

 

「…叩かない⁇」

 

「叩かないよ」

 

「オイデ」

 

恐る恐るまっくすがチェルシーに触れる

 

が、チェルシーの方がビビって手が震えている

 

「れーべ‼︎たいほうとあそぼ‼︎」

 

「う、うん…」

 

ようやく二人共私の手から離れ、たいほうの所で遊び始めた

 

「さて、ローマ、武蔵。俺はちょっと工廠に行くから、みんなの面倒を見ててくれ」

 

「分かったわ」

 

「了解した‼︎」

 

さっき貰った設計図を持ち、工廠に向かう

 

”提督、何やそれ”

 

いつもフィリップやコルセアの整備をしている妖精が、設計図にいち早く目を付けた

 

「ドイツの提督がくれた設計図なんだ。造れそうか⁇」

 

”どれ、貸してみ”

 

設計図を手渡すと、そこら中からワラワラと妖精が集まって来た

 

”ほうほう…これは…”

 

「何の設計図だ⁇」

 

”飛行機や。造ったるわ‼︎”

 

「種類は何だ⁇」

 

”ん〜…戦闘機やろうな。提督が気に入りそうな”

 

「期待してるぞ」

 

”任しとき‼︎”

 

後は妖精達に任せても大丈夫だろう

 

さて、そろそろ戻るか

 

中に戻ると、武蔵とローマとはまかぜがコーヒーを飲んでいた

 

「お帰りなさい。コーヒー淹れますね」

 

「ありがとう」

 

テレビの近くの少し開けた場所では、たいほうとれーべがお絵描きをし、まっくすはチェルシーの膝の上で本を読んでいる

 

「良かった…ちょっとは落ち着いたかな⁇」

 

「だいぶと、暴力に怯えているがな」

 

「…」

 

「心配要らないわ」

 

コーヒーを飲みながら、自信満々に答えたローマ

 

「貴方の考えの事だもの。俺の下で居る限りは、護ってやる…でしょ⁇」

 

「あぁ‼︎」

 

「ふふっ。それでこそ貴方。そんな貴方だから、私達は着いて行けるの」

 

「そうか。そんな事を…流石は私の夫だ‼︎」

 

私は自慢気に眉を上げた

 

「ほらチビ共‼︎お風呂に行くぞ‼︎」

 

「おふろ‼︎」

 

「お風呂‼︎」

 

「お風呂⁉︎」

 

「行っておいで。武蔵にピカピカにして貰うんだ」

 

「…うんっ‼︎」

 

「行って来る」

 

嬉しそうな顔をした三人を連れて、武蔵は入渠ドックに向かった

 

「提督」

 

「ん⁇」

 

武蔵が居なくなった瞬間、ローマが口を開いた

 

「今回、あの子達を引き取って正解だわ」

 

「まぁ、しばらくはプリンツから離れられるだろ…」

 

「そうね…」

 

ローマは急に深刻そうな顔をした

 

「あの二人、精神状態がボロボロなのよ」

 

「だろうな…あれだけ怯えていたら一目で分かる」

 

「恐らく、人格やら性格を頭から否定されたり、暴力を受けていたのね…」

 

「だから今回預けたんだろ⁇」

 

「そうね…向こうの提督さんも、貴方と同じで優しいみたいだけど、問題はやっぱりあの子ね」

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