一時間後…
「来た‼︎」
アイリスの操縦で向かわせたグリフォンが戻って来た
「来たわ‼︎」
「ありがとう貴子さん」
俺は貴子さんを呼んだ
最強の母性を持っている貴子さんなら、コロちゃんを何とかしてくれるだろうと睨んだ
「貴子。工廠にその子がいる。説得してくれるか⁇」
「分かったわ‼︎やるだけやってみる‼︎」
「すまない、タカコサン…」
「いいのいいの‼︎子供はこれ位が丁度いいのよ⁇ここで待ってて‼︎」
貴子さんを先頭に、いざ工廠へと向かう…
「クイーン。トラップはあるか⁇」
工廠の扉を開ける前に、最後のトラップチェックに入る
《天井と床に何らかの装置があります。ですが、用途は不明です》
「分かった。恐らく天井と床にトラップがある。気を付けて進むぞ」
「分かったわ」
「何かヤバイ予感がするよぉ…」
「私の後ろに隠れてなさい。ピンチになったらお願いね⁇」
「わ、分かった‼︎」
貴子さんはきそに言った
だが、隊長も俺も健吾も、全員貴子さんの後ろに隠れた
「…まぁいいわ‼︎行くわ‼︎」
貴子さんが扉を開ける…
「アレアレ〜⁇オバサンノウシロニカクレテヤーンノー‼︎」
コロちゃんは工廠の二階に立って、ニヤけ顔で見事に全員をおちょくって来た
「コロちゃん‼︎いらっしゃい‼︎美味しい物食べましょう‼︎」
「イラナイ‼︎」
「そんな事言わないで⁇コロちゃん良い子でしょ⁇」
「ソレイジョウWalkシタラ、ミンナドウナルカナ⁉︎」
コロちゃんは工廠の隅っこに目をやった
俺達も目をやると、全員グルグル巻きにされた状態で大人しくしていた
大和とアイちゃんには、前情報通りタオルで作った猿轡が咬まされている
「仕方ないわ…アレン君‼︎ちょっと気絶させるわよ⁉︎」
アレンはコクコク頷いた
「すぅ…」
「スゥ…」
貴子さんもコロちゃんも深く息を吸う…
そして…
「ご飯よぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお‼︎‼︎‼︎」
「Aaaaaaaaaaaaaaa‼︎‼︎‼︎」
互いの女神の鉄槌がぶつかり合う
パリンッ‼︎
パリパリパリンッ‼︎
事前通告があったので、全員身構える事が出来た
が、相変わらず窓ガラスは粉々に砕け散り、今度は床に亀裂が入った
「Coloradoニソレハキカナイワ‼︎オバサンヘボーイ‼︎アハハハハ‼︎」
「そう…」
貴子さんが急にうつむき、隊長と俺はすぐに貴子さんに目を向けた
貴子さんの周りに落ちていた床の破片がカタカタ動き始めた…
「ヤバッ…」
「なら…ちょっと痛い目にあって貰おうか…」
「た、貴子…相手は子ど…」
「ウー‼︎」
隊長がなだめようとした瞬間、凄い形相で目が赤光りした貴子さんが隊長を睨んだ
「ひっ…」
たいほうと同じく、ビビって直立不動になった隊長に為す術は無い
「お、おしゅきにどうじょ…」
貴子さんはコロちゃんの方に向きなおし、一歩前に進んだ
「ザンネーン‼︎Coloradoイッタヨ‼︎Walkシタラヒドイッテ‼︎」
貴子さんの足元で何かが起動した
ガシャン‼︎
ガシャン‼︎
ガシャンガシャンガシャン‼︎
急に柵が現れ、閉じ込められた‼︎
だが、様子がおかしい
前後左右に何故か縦長の空き空間がある
「ミーンナソコデッ‼︎オッ・ルッ・スッ・バッ・ンッ‼︎」
コロちゃんが手元のスイッチを押した
《トラップです‼︎》
天井に仕掛けられていた、迫ってくる壁のトラップが降りて来た‼︎
《みなさん。何か武器はお持ちですか⁇》
「ピストルしかない‼︎」
「僕、刀しかない‼︎」
「俺もピストルしかないです‼︎」
「俺もピストルだ‼︎何とかなるか⁉︎」
現状、壁を打ち破れそうな武器は無い
もしありえるとしたら、飽和発砲で穴を開けるくらいだ
《6時方向の壁を撃って下さい‼︎》
「どの辺りだ⁉︎」
《左下を撃って下さい。そこが一番脆いです‼︎》
「了解‼︎」
三人ピストルを構え、クイーンに言われた場所に向けて引き金を引いた
カンッカンッカンッ…
「ぜ、全然効いてねぇ…」
ピストルの弾はいとも簡単に弾かれた
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ‼︎ヘボヘボヘボヘボミーンナヘボ‼︎」
コロちゃんはのたうち回りながら爆笑している
《停止システムにアクセスします‼︎》
「ヌンッ‼︎」
クイーンが停止システムにアクセスしている最中、コロちゃんのいる方向の壁がエゲツない音がした
「フンッ‼︎ドリャア‼︎」
ドガンバゴンと音を立て、壁がへこんで行く…
「た、貴子…」
「誰がオバサンだってぇ〜⁉︎オリャア‼︎」
バキミシ…と、音を出し、正面の壁が動きを止めた
「フーッ…フーッ…」
貴子さんがようやく落ち着きを見せた
《なんて複雑な…パパさん、停止コマンド、応答しません‼︎》
「な、何だと⁉︎」
そう思ったのも束の間
残り3枚の壁はどんどん迫って来る
「コロちゃん」
「ナァニ〜⁇WallイチマイStopシタグライジャマダマダネ‼︎」
「私達にはプロフェッショナルがいるのよ⁇」
「Professional⁇」
「そうよ。とっても強いのよ」
「フーン⁇ナンダッテイイワ‼︎ソコデDead Endナンダカラ‼︎」
「今よ‼︎」
貴子さんが誰かに合図を送った
「こ〜か〜‼︎」
「もんき〜‼︎」
天窓から誰かがロープで降りて来た‼︎
それも二人いる