艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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245話 ピンクの悪魔(2)

《ガリバルディ、入港完了》

 

「行きましょ」

 

三隻が横須賀に来た

 

ドックに向かうと、

 

きくづき

 

ダイダロス

 

ガリバルディ

 

そしてタナトスがいた

 

《今日はドックも中も大勢でち》

 

タナトスから無線が入る

 

いつもなら入れ違いで一、二隻入港するのが多い横須賀のドック

 

今日は横一列でパンパンだ

 

それに、タナトスの中には子供達もいる様子

 

タナトスは俺達に気付いてすぐに無線を入れてくれた

 

「タナトスはドックにいっぱいいるの嫌か⁇」

 

《嫌じゃないでち。仲間がいるのは安心するでち》

 

「俺が言っても返してくれるか⁇」

 

そう言い出したのはアレン

 

「話してみるか⁇」

 

アレンの前にタブレットを出す

 

「タナトス。何かあったら俺達を守ってくれよ⁇」

 

《タナトスにお任せでち‼︎アレンさんは良い人でち‼︎》

 

「良かったな⁇」

 

「AIになった日進との話し方を勉強しておこうと思ってな」

 

「レイ。あれはタナトス級か⁇」

 

ミハイルの目前にいるタナトス

 

「そっ。俺の傑作だ」

 

《いい答えでち》

 

「これが…」

 

ミハイルが目を奪われる

 

まるで長年探し求めていた物がいきなり見つかったかのような表情をしながら、そこに佇むタナトスを見つめる

 

「噂には聞いていたが、立派な艦だ…はぁ…」

 

ため息まで出る始末

 

「おっと‼︎忘れてた‼︎挨拶だ挨拶‼︎」

 

自分の任務を一瞬忘れる位にミハイルはタナトスに魅入っていた

 

「また後でな、タナトス」

 

《待ってるでち》

 

タナトスと別れ、ガリバルディのドックに来た

 

「アンタ達が観測やってくれんだな⁉︎」

 

ガリバルディの付近にいた一人の少女がこちらに気付いた

 

「マーカスだ」

 

「アレンです」

 

「アタシはガリバルディ‼︎今日はよろしく頼むな‼︎」

 

一目見て分かった

 

彼女は艦娘だ

 

第一印象は随分と軽い感じの少女だと思った

 

それに若い

 

髪の毛もありゃあ染めてるな

 

ピンピンのピンクだ

 

「はっち‼︎お〜ぷん‼︎」

 

「たあとすあいがと‼︎」

 

タナトスの中から子供が二人出て来た

 

「あ‼︎えいしゃん‼︎」

 

「あえんしゃんもいう‼︎」

 

ひとみといよが此方に気付き、走って来た

 

ミハイルの存在に気付き、二人は一旦足を止めた

 

「うぁ〜」

 

「あぅ〜」

 

初対面の人に対して第一声目は必ずコレの二人

 

未だに何をしているかは分からないが、二人なりに何かを探っているのだろう

 

「えいしゃんのおともあち‼︎」

 

「君達は何て名前かな⁇」

 

ひとみといよの前にミハイルが屈み込む

 

「ひとみ‼︎」

 

「いよ‼︎」

 

「私はミハイル。宜しくね⁇」

 

「よおしくおねあいしあす‼︎」

 

「よおしくおねがいしあす‼︎」

 

ひとみもいよも快活に返事を返す

 

「アンタの子供か⁇」

 

「うぁ〜」

 

「あぅ〜」

 

ガリバルディにも同じ様に声を放つ

 

「「‼︎」」

 

声を放ってすぐ、ひとみといよは俺の足にしがみ付いた

 

「お〜お〜どうした⁇珍しいな⁇」

 

様子がおかしい

 

いつもなら、うぁ〜と言った後にキチンと挨拶をする二人が、ガリバルディにはしない

 

「あはは。まぁ良いさ‼︎これがプログラムだから、後はそっちで観測を任せた‼︎」

 

紙を渡され、目を通す

 

 

 

巡洋艦ガリバルディ搭載ミサイル試射実験

 

上記艦に搭載された新型ミサイルによる試射実験

 

目標…横須賀サイトB海域に設置された標的

 

使用艤装…軽量化レーダー投射ミサイル

 

 

 

その下に俺達の配備場所が書かれている

 

「了解した。指示に従ってサイトBに向かってくれ」

 

「んじゃ‼︎また後でな‼︎」

 

ガリバルディが艦に乗り、ようやくひとみといよが足から離れた

 

「どうしたんだ⁇」

 

ひとみといよはすぐに俺の肩に登り、耳元で囁いた

 

「あのひとやばい…」

 

「てき…」

 

「何だと⁇」

 

ひとみといよは、ガリバルディはヤバい敵と言い始めた

 

「みはいるしゃん、らまちてう…」

 

「みはいるしゃんあ、みかた…」

 

「警戒しろってか⁇」

 

「そう…」

 

「がいばうで〜やばい…」

 

「きそ達に言えるか⁇」

 

「きしょのとこいってくう‼︎」

 

「じぉんすとんと、にっちんしゃんとあしぉぶ‼︎」

 

二人は肩から飛び降り、またタナトスの中へと戻って行った

 

「今度、コロちゃんも連れて来ていいか⁇」

 

「あ…あぁ‼︎勿論さ‼︎」

 

「子供か…」

 

何も知らないアレンとミハイル

 

言うなら今しかない

 

「…ガリバルディは敵かも知れない」

 

「ひとみちゃんといよちゃんからか⁇」

 

最初に返事を返したのはミハイル

 

「あぁ。ミハイルにはちゃんと挨拶したのに、ガリバルディにはしなかった」

 

「確かにな…あの二人はキチンと挨拶の出来る子だ」

 

普段ひとみといよを見慣れているアレンも反応してくれた

 

「警戒しようにも、この距離じゃ無理だ」

 

「俺が防空警戒に出る。レイ、ミハイル、そっちは任せた」

 

「頼んだ。こっちで動きがあればすぐ連絡する」

 

「二人共、先に謝っておく…すまない」

 

ミハイルが俺達に頭を下げた

 

「な〜に‼︎気にするな‼︎まだ完璧に決まった訳じゃない‼︎」

 

「そうだぞ⁇試射で終わればそれまでさ‼︎」

 

「だといいが…」

 

消極的になってしまったミハイルの肩を抱き、俺とミハイルは親潮の待つ方を向いた

 

「アレン、任せた‼︎」

 

「オーケー‼︎後でな‼︎」

 

アレンと別方向を向き、それぞれの目的地へと向かう

 

この時、まだ気付いていなかった…

 

この日、アレンが一度も死亡フラグを口走っていなかった事を…

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