艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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ここからはまた本編に戻ります

名前を考えて来いと言われたアレン

果たしてどんな名前を新型機に付けるのか…

そして、アレンのちょっとしたフェチが分かります 笑


246話 妖狐使い(1)

「コイツはまた…」

 

俺でさえ実機は初めて見た

 

あるのは知っていたし、パーツの提供もしたが目の当たりにするのは初めてだ

 

綺麗な機体だ…

 

ちゃんと赤黒い迷彩のSS隊のカラーリングにしてある所を見ると、最初からアレンに載せるつもりでいたんだな…

 

「横須賀からちょっと聞いたんだが、名前が無いらしいな⁇」

 

「実は名前、決まってるんだ」

 

「へぇ⁇何だ⁇」

 

「”刑部(おさかべ)”だ」

 

たまたまなのか、偶然なのか、アレンは自分が産み出した子に”狐の名前”を付ける事が多い

 

”イヅナ”型エンジン

 

重巡航管制機”妲己”

 

管制AI”玉藻”

 

そしてこの”刑部”

 

全部狐の名前だ

 

「似合ってるな」

 

「今帰って来たんだ。長い年月を超えて…」

 

刑部を見るアレンの目は、少し潤んでいた

 

本当だったら、重巡航管制機に積んでやりたかったのだろうな…

 

「お前、狐好きか⁇」

 

ちょっとだけ核心を突いてみた

 

「巫女服は好きだ」

 

アレンの目がキリッとなる

 

この目、見た事がある

 

スッゲー真面目な話する顔だ‼︎

 

「巫女服…」

 

「巫女服は良いぞ。あれこそ純潔な乙女しか着れない美しい服だ。赤と白のコントラスト、そこに若干加わる髪の毛の黒、所々露出する白い肌…他に何も要らないのが巫女服の良い所だ。いや‼︎あっちゃダメなんだ‼︎」

 

それ繋がりでアレンが狐が好きなのはよく分かった

 

そして、なぜ日進があの様な外見でボディを持ったのか、よーーーく分かった

 

ここは話を切り替えよう

 

「AIは誰が乗るんだ⁇」

 

《その心配はせんでよかろう‼︎》

 

何処からか訛りの強い声がした

 

「日進か⁉︎何処にいるんだ⁇」

 

《父上。ちと左じゃ》

 

俺もアレンもちょっと左を向く

 

《もうちっと左じゃ》

 

目の前には刑部が見える

 

《よー見えるけぇ‼︎》

 

「いつの間に⁉︎」

 

日進は刑部の中に入っていた

 

《わしゃ〜、その為に産んでもろうた存在じゃ。これ位朝飯前じゃ》

 

「そっか…」

 

機体内のAIが日進だと気付いたアレンは、安堵の息を吐いた

 

刑部のAIに日進はぴったりだ

 

《父上。この刑部〜いう機体の中は良いぞ‼︎好きな物調べ放題じゃて‼︎》

 

「なにっ‼︎」

 

《手始めにな〜に調べちゃろ〜かのぉ…あぁ、父上が前に飲みたがっちょった、じぇ〜け〜のくちか…》

 

「止めろ‼︎止めて下さい‼︎何でもするからそれだけは‼︎知らなかったんだ‼︎」

 

日進が何かを言おうとした時、アレンは猛制止をし始めた

 

よっぽどバレたくないらしい

 

《冗談じゃ‼︎さ、父上。乗っとくれ》

 

「乗らさせて頂きます…」

 

物凄い謙虚になったアレンが刑部に乗り込む…

 

「アレンさん、そんな趣味あったんだね…」

 

「機体の試運転が終わったら、ちょっとプレゼントあげましょう。巫女フェチなアレンに、ねっ⁇」

 

横須賀ときそが何かを企んでいる…

 

「レイ、行くわよ」

 

横須賀ときそと共に外に出て、刑部が陽の光を浴びるのを待つ…

 

 

 

 

《どうじゃ父上。意外に簡単じゃろ⁇》

 

「なるほど…オートが可能になったのか」

 

日進に教えて貰いながら、アレンは操縦を覚える

 

アレンは初めてオート航行が可能になった機体に搭乗した

 

今までフィリップやグリフォンを時折一瞬借りる事はあれど、ほとんどマニュアル操縦で乗っていた

 

《父上に代わって、わしが操縦しちゃるけぇ‼︎》

 

「よしっ、出よう」

 

滑走路に刑部が来た

 

「バッカス、出る‼︎」

 

《発進じゃ‼︎》

 

アフターバーナーを吹かし、アレンの乗る刑部は一気に上昇して行く

 

「ははっ‼︎凄い加速だ‼︎気に入ったぞ‼︎」

 

Su-57の乗り慣れた安定感を超える加速の良さ

 

しかし、Su-57で身に染みた安定感は忘れていない。そんな乗り心地

 

アレンは徐々に刑部の乗り心地を気に入っていた

 

《父上。わしもやってみたいのじゃ》

 

「よし。オートに切り替えてくれ‼︎」

 

《了解じゃ‼︎》

 

オートに切り替わり、日進の操縦で旋回を始める

 

《これが父上の空…》

 

アレンはモニターをチラチラ見ながら日進に話し掛ける

 

「気に入ったか⁇」

 

《気に入った‼︎おっと、通信じゃ》

 

《どう⁇新しい機体の乗り心地は⁇》

 

通信先は横須賀

 

下で様子を見てくれているのだろう

 

「気に入ったよ‼︎ありがとう‼︎」

 

《刑部は夜間に強いのよ⁇特殊能力があるから、ま…夜を楽しみに待ちなさい⁇》

 

「了解した」

 

《夜、レイと戦って貰うわ》

 

「遂に来たか…」

 

その言葉を聞き、体が震える

 

マーカスと戦う時が来た

 

互いに最強の機体に乗って、イーブンの状態でだ

 

とにかく、今は降りよう

 

少しでも休まなくては勝てる相手ではない…

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