今回のお話は、そう言えば出て来てなかった三大都市の最後の一つの現状が明らかになります
横須賀にお願いされ、海域調査に来たマーカスとアレン
新しい水中探査機を使い、海域を調査します
「レイ。折り入って相談があるの」
「何だ⁇」
蟹瑞雲で新作の雑炊を食べていると、横須賀が急に相談を持ち掛けて来た
横須賀が相談を持ち掛けるのは珍しい
普段は強制や突発が多いからだ
「海域調査をお願いしたいのよ」
「何処だ⁇」
「東京湾よ。航空写真があるから見て頂戴」
机の上に写真が数枚置かれる
それを見て、息が詰まった
「水没してるのか…」
「そっ。反攻作戦の時の報復として…ね」
大阪、名古屋には何度か行った
大阪にはゴールデンウィークにみんなで
名古屋にははっちゃんと一緒に水族館に
東京にはあまり行った事がなかった
「刑部の航空写真によると、何か住んでるらしいのよ」
「人がか⁇」
「そこを調べて欲しいのよ。立入禁止にはしてあるらしいんだけど、時々船が近場に停泊したりしてるらしいから、絶対何か居るわ」
「分かった。探査艇でも連れて行く」
「アレンを連れて行って頂戴」
「分かった」
「お礼は何が良いかしら⁇」
そう言って横須賀は机に胸を乗せ、ニヤけ顔で頬杖をついた
「乳搾りだな、はいはい。じゃ、言って来る‼︎」
レンゲを置いて、早速準備に取り掛かりる
「高速艇の発着場でアレンが準備してるわ。何か機材があるなら乗せて頂戴」
「水中探査機があるんだ。そいつだけ乗せる」
そう横須賀に言い残し、工廠へと向かう
「もぅ…たまに真面目な顔するんだから…」
「あったあった‼︎」
工廠の武器格納庫からジュラルミンケースを取り出し、中身を確認する
小型水中探査機”イムヤッキーDX 3000”
ひとみといよのヘルメットから色々と改良を重ねた、人型の遠隔操縦型の探査機だ
外見はひとみといよ位の小さい女の子で、ステルス機能は付いていないが、無線で映像を送ったり、マイクが付いていたり等、リアルタイムで此方に情報を送る事が出来る
小型ながらもちゃんとAIが搭載されているので、道に迷ってもちゃんと帰って来れる
イムヤッキーの初号機…つまりDX1000は開発段階で改良を加え、タナトス内部にある”ウキウキマリン”になった
DX2000はウキウキマリンの量産型
そしてDX3000がこの女の子型ロボットの探査機
女の子の形にしたのは、万が一遭難者やコミュニケーションが取れる生物がいた場合、女の子の外見の方が安心感を得られるからだ
中身を確認した後、アレンの待つ高速艇の発着場に向かう
「おっ‼︎来た来た‼︎」
アレンはホバークラフトを手配してくれてあり、既にエンジンをかけて待っていてくれていた
「待たせたな‼︎よいしょ‼︎」
ジュラルミンケースと共にホバークラフトに乗り、横須賀を出た
「さてっ」
手を合わせた後、ジュラルミンケースを開け、イムヤッキーDX 3000を取り出し、目の前に座らせる
首をうな垂れて座っているイムヤッキーDX 3000は、普通の女の子に見える
赤い髪のポニーテールも似合っている
「それなんだ⁇」
ホバークラフトを操縦するアレンが、ジュラルミンケースの中身をチラチラ見ている
「水中探査機だ。イムヤッキーDX 3000」
「イムヤッキー…」
「昔の潜水艦の名前と、親しみ易さを込めたんだよ」
ジュラルミンケースの中にあったインカムと小型のモニターを起動する
「イムヤッキー、起動‼︎」
俺の合図で、イムヤッキーの首が上がった
「イムヤッキー‼︎」
「よしゃ‼︎」
可愛く右腕を突き上げた
起動した合図だ
「へぇ⁉︎可愛いじゃないか‼︎」
「俺のワンオフにするつもりだ。イムヤッキー、起動チェックだ。左腕を上げてくれ」
「イムヤッキー‼︎」
イムヤッキーは左腕をちゃんと上げる
「よし。じゃあ次は右足、左足を交互に三回上げ下げしようか」
「イムヤッキー‼︎」
イムヤッキーは言われた通りに右足左足を交互に上げ下げする
「よし、次は言語チェックだ。おはよう‼︎」
「イムヤッキー‼︎」
「こんにちは‼︎」
「イムヤッキー‼︎」
「んー…」
何を言っても元気に”イムヤッキー‼︎”としか返さない
対話IFの起動が遅れているのかもしれない
「言語チェックはいい。じゃあ、表情チェックにしよう。笑顔‼︎」
イムヤッキーはニコッと微笑む
「怒る‼︎」
イムヤッキーは少し視線を下げ、此方を睨む
「悲しい‼︎」
イムヤッキーは体育座りをして、顔を見せなくなった
「よしよし。最後はマイクチェックだ。私はイムヤッキー。貴方を救助しに来ました‼︎」
「私はイムヤッキー‼︎貴方を救助しに来ました‼︎」
俺が言った言葉を、イムヤッキーの声で返してくれた
「完璧だなっ‼︎現地に着くまで自由に観察してくれ」
イムヤッキーはアレンの横に行き、視線を航路に向け、その場に腰を曲げてホバークラフトの縁に手を置いた
「なるほど、救助も出来るのか」
「そっ。救助の時、その外見なら安心感が出るだろ⁇」
「確かになっ。おっ、見えて来たぞ」
目的の水没都市が見えて来た…