艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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249話 最弱‼︎狐の旦那、敗走中‼︎(2)

アレンが敗走した先…

 

「日進助けて‼︎」

 

工廠内にあるPCの前

 

そこに日進がいた

 

「お⁇何じゃ⁇わしに用か⁇」

 

「愛宕とネルソンとコロちゃんに追われてる‼︎」

 

「そ〜かそ〜か。ま〜た父上は母上に要らん事したんじゃな⁇ま〜ここに居るとえぇ‼︎」

 

日進は気楽に構えている

 

どうせまた父上が要らん事して追われているんじゃなぁ…位にしか捉えられていない

 

「そういやぁ、そろそろかのぅ」

 

「何かあるのか⁇」

 

「母上と愛宕がコロッケと茶を淹れてくれよるんじゃ‼︎」

 

「え〜とぉ〜、そのぉ〜…」

 

その言葉を聞き、アレンは挙動不審になる

 

「父上」

 

「はい」

 

「食べてもうた以外の言葉で説明しんさい」

 

「足が生えて俺の胃って所に逃げて来たんだ‼︎俺は悪くない‼︎」

 

「ほ〜かほ〜か…」

 

「に、日進さん‼︎違うんです‼︎」

 

「母上達が父上を追い掛け回しちょるのがよ〜分かったき。お縄じゃ‼︎」

 

「危ない‼︎脱走‼︎」

 

飛び掛かって来た日進をかわし、アレン、再び敗走

 

 

 

 

「ほっ」

 

「うわっ‼︎」

 

バリィィィィィイン‼︎と音を立て、体当たりで破られた健吾の書斎窓

 

「ど、どうしたのアレン⁉︎」

 

「後でお菓子買ってやるから、俺が来たのを黙っててくれ‼︎窓も直す‼︎」

 

「わ、分かった‼︎」

 

アレンは本棚の間に挟まり、身を隠す

 

「な…何やってんら⁇」

 

「あぁ、これ⁇俺も俺なりに色々勉強してるんだ。ほら、俺って高校中退だから…」

 

「心配しゅんな。俺なんか小学校もまともに行ってにゃい」

 

「…苦しくない⁇」

 

「こりょされりゅよりましら‼︎」

 

ミチミチになったアレンを見て、健吾は微笑んだ

 

「健吾」

 

「ん⁇」

 

「お前、笑うと可愛いんだな」

 

健吾はあまり笑わないが、たまに微笑んでいる

 

今のようにたまに笑顔を見せると何処と無く女の子っぽい

 

「やめてよ‼︎男同士じゃん‼︎」

 

「さっき何かが割れる音がしたぞ‼︎」

 

「き、来た‼︎」

 

「おい健吾‼︎開けてくれ‼︎」

 

「あ、はいは〜い‼︎」

 

ネルソンの声が聞こえ、健吾はドアに向かって行った

 

「今の内に〜…ん⁇」

 

アレンは再び窓から出ようとした

 

「ん〜⁇」

 

健吾が机で書いていた手帳の名前部分を見た

 

「か、し、わ、ぎ…梨…え…」

 

「いたぞ‼︎」

 

「ヤバ‼︎」

 

ネルソンにバレ、アレンは書斎から出た

 

 

 

 

「何で帰って来るのヨ…」

 

「行く所がなくなってなっ‼︎」

 

「もぅ…」

 

結局行き着く先はアイちゃんの部屋

 

アイちゃんが眼鏡を掛けて机で何かしている横で、アレンはアイちゃんの漫画を見て身を潜める

 

そんな中、アイちゃんの部屋の角にある避難通路用の地下通路の蓋が開いた

 

「Unnnn…あ‼︎いた‼︎papa‼︎」

 

「ホラ、来たわヨ‼︎」

 

「こ、コロちゃん‼︎」

 

アレンは一瞬でアイちゃんの背中に隠れた

 

地下から出て来たのはコロちゃん

 

手には縄を持っている

 

「どうして分かったノ⁇」

 

「papa、動きがOne Pattern」

 

「ゔっ…」

 

物凄いジト目でアレンを睨むコロちゃん

 

「それにColorado、Trap好き。Trapの基本は地形の把握よ‼︎さぁ、来なさい‼︎」

 

「ぐわ‼︎」

 

コロちゃんは縄をアレンに巻き、ぐるぐる巻きにした後床を引き摺ってアイちゃんの部屋を出た

 

「アイチャンも行こ‼︎mamaがcroquette作り直してくれたの‼︎」

 

「OK‼︎」

 

コロちゃん、アレン、アイちゃんの順番で食堂を目指す

 

「アイちゃん。助けて」

 

「今回もpapaが悪いワ⁇」

 

「mama、Angry」

 

「papa、そろそろcroquetteにして貰う⁇」

 

「ヤダヤダヤダヤダー‼︎」

 

アレンが暴れる中、食堂に着いた

 

「papa、captureした‼︎」

 

「よくやったぞ‼︎」

 

「偉いわよコロちゃん‼︎」

 

アレンは食堂に着いてもぐるぐる巻きのまま、五人が食べ終わるのを待つ…

 

「papa」

 

「アイちゃん…」

 

途中、アイちゃんが来てくれた

 

手には哺乳瓶を持っている

 

「コロちゃんにmilk tea、飲ませてくれる⁇」

 

「飲ます‼︎飲ますから解いて‼︎」

 

「OK‼︎」

 

アイちゃんに縄を解いて貰い、哺乳瓶を受け取る

 

「ほらコロちゃん。ミルクティーだぞ〜」

 

アレンはその場に屈み込み、コロちゃんに分かるように哺乳瓶を振ってアピールする

 

「ン…」

 

コロッケを頬張るコロちゃんは、口をモグモグしながらアレンの方に振り向いた

 

ズッ…

 

「うっ…」

 

アレンをビビらせるかのように、コロちゃんは急に動いては止まる

 

ズッ…

 

ズズッ…

 

「ゆっくり来い…頼むから…」

 

ザッ‼︎

 

「ヒィ‼︎」

 

急に動き、アレンの手から哺乳瓶を奪い取った

 

しかし、アレンの前からは離れない

 

元々コロちゃんはアレンが嫌いな訳では無い

 

前回も今回もそうだが、人の物を取るからこうなるのだ

 

「よしよし…」

 

なのでこうして哺乳瓶からミルクティーを飲んでいる最中のコロちゃんの頭を撫でても問題無い

 

「日進も美味いか⁇」

 

「うぬっ‼︎サクサクで美味しいのぅ‼︎」

 

「コロちゃん。ゲポーよ⁇」

 

愛宕がそう言うと、コロちゃんはアレンの手を取り”叩け”と促す

 

察したアレンはコロちゃんの背中をポンポンし始めた

 

「ゲポ…Thank you‼︎」

 

ちゃんとゲップを出したコロちゃんはアレンのほっぺたにチューした後、アイちゃんの所で遊び始めた

 

「ちゃんとアレンを好いているなっ‼︎」

 

「良かったわね、アレン⁇」

 

「良かったよ…てっきり嫌いなんだと思ってた…」

 

「嫌いじゃったら父上の所に行かんじゃろうて」

 

ホッと胸を撫で下ろすアレン

 

「ほれほれ父上‼︎わしが飲ましちゃる‼︎」

 

アレンのコップに新しいミルクティーが注がれる

 

「ありがとう」

 

アレンはそれを飲み、日進はアレンを見る

 

「他の人にしてもろた事あるかぇ⁇」

 

「何度かはな⁇心配するな、浮気じゃない‼︎」

 

「日進。アレンは仕事上付き合いが多い。それに毎日命を削る立派な職だ。そういった店に一時の疲れを癒しに行く事も普通なんだ」

 

「私達はその人達とは別の愛し方をすればいいのよ‼︎」

 

「母上。二人はなしてそんなに寛容なんじゃ⁇」

 

「それはだな…」

 

「それはね〜‼︎」

 

二人は同じ答えを出した

 

「「最後にアレンが帰って来るのはここだから」」

 

日進は母上二人の寛容さに感服していた

 

そしてそれは、この先少しずつ日進にも染み付いて行く事となる…

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