「あら、ラバウルさん‼︎大丈夫なの⁇」
「私は大丈夫です。お願いです、マリナと話をさせて下さい」
「はるちゃん、どうする⁇」
「まぁ、本人が言うならいいダズル」
マリナは地に降ろされ、縄を解いて貰った
「ヒィー‼︎」
マリナが向かった先には、ラバウルさんが待ち構えている
マリナは咄嗟にラバウルさんの足にしがみ付き、ラバウルさんのズボンを天ぷら粉まみれにする
「タスケテ‼︎」
あの日と同じ言葉を聞き、ラバウルさんは優しく微笑み、天ぷら粉まみれのマリナの頭を撫でた
「畏まりました。二度と同じ過ちは犯しません。貴子さん、私にこの子を任せて頂けませんか」
「貴方がそう言うならっ‼︎」
「マリナ」
この日、ラバウルさんは不触の誓いをようやく解いた
マリナの手を握り、あの日と同じ青い瞳を見つめ返す
「ごめんなさいと言う言葉では、あの日の罪を贖う事は叶わないでしょう…」
ラバウルさんの言葉に、マリナはジッとラバウルさんを見つめ返す
「貴女に手を下した私の言葉なんか信用ならないと思います…ですが、もう一度、私にチャンスを頂けませんか…」
「…タスケテクレタンデしょ⁇マリナのムラニバクだんオトシタノモ、タスケテクレルタメデショ⁇」
「嘘偽りなく、貴女に全てを伝えます‼︎何度だって貴女に弁解します‼︎だから…」
珍しく、ラバウルさんが声を荒げ、涙を流した
その姿を、そこにいた全員は目に焼き付けていた
ラバウルさんにとって、”あの日”がようやく終わりを迎えた瞬間を…
「ミンナ、アノママだとシンダンデショ⁇」
マリナの言葉に、ラバウルさんは無言で頷いた
そして、首を上げた時に気付く
マリナの首に、傷跡があるのを
「これから貴女を守ります…だから…」
「モウいいよ…ダッタラ、コレアラッテよ‼︎」
マリナは天ぷら粉まみれになった体を、ラバウルさんに見せた
「…勿論です‼︎」
「良かったわね‼︎」
「ア、アンタハキライ‼︎」
「口の悪い子は天ぷ…」
「オネエサンハ、コジンテキニイケスキマセン‼︎」
何処で覚えたのか、マリナは丁寧語で貴子さんを嫌いと伝えた
「そっ⁇でもいいわ⁇じゃあマリナちゃん、約束したげるっ」
「ヒィ‼︎」
貴子さんはマリナの前に屈んだ
「今度、貴女を護ってくれる剣士さんと一緒に、私達の基地に遊びにいらっしゃい⁇その時、本当に美味しい天ぷらと唐揚げをご馳走するわ⁇」
「テンプラニシナイ⁇」
「うんっ‼︎約束するっ‼︎」
「ワカッタ‼︎アソビニイク‼︎」
「さぁっ‼︎天ぷら粉を洗いに行きましょう‼︎健吾、マーカスにジャーヴィスさんの服を一式貸してもらえるように要請して下さい」
「何に使うんですか⁉︎」
ついツッコミを入れてしまう健吾だが、ラバウルさんの答えは至ってまともなものだった
「マリナの着替えですよ。体格、身長、バストウエストヒップ、大体がジャーヴィスさんと一致してますのでね」
「あ、はい…」
マリナと手を繋ぎ、ラバウルさんはお風呂へと向かって行く…
「見ただけで大体把握か…あれでこそキャプテンです。うんうん‼︎」
「ラバウルサン、チイサイオンナノコスキ‼︎」
「彼はあぁじゃないとねっ‼︎」
その場にいた全員が、いつもの重度のロリコン患者に戻ったのを確信した…
スカイラグーン、露天風呂
「マリナはお家は何処ですか⁇」
マリナの髪を洗いながら、ラバウルさんはマリナと話す
「オウチナイよ〜、ズ〜ットボールのなかニイタの」
「では、私の所に来ますか⁇」
「ウン、そうする〜‼︎」
最後にお湯をかけ、ようやく天ぷら粉まみれの体が綺麗になった
綺麗なクルクル巻きの金髪
成長途中の体
いつものラバウルさんなら、飛びつきそうなボディが目の前にあるが、今のラバウルさんは、少女としてではなく、マリナとして見ていた
本来、マリナはまだまだ甘えたい盛り
ラバウルさんに抱っこされ、露天風呂に浸かる
「貴方、お名前は⁇」
「私の名前は”エドガー・シューマッハ”です」
「じゃあシューちゃんね‼︎」
「構いませんよ。貴女が呼んで頂けるなら、なんだって」
「私はね、本当の名前は”ジェーナス”って言うのよ⁇」
「ジェーナス…良い名前です」
互いに本当の名前を言い、数分間露天風呂に浸かる
ラバウルさんの本名を知る人物は本当に少ない
唯一知っているのは、パパぐらいしか居ない
彼は今は亡き国の産まれであり、国亡き後、名前を捨てて今日まで来た
そのお話は、いつかラバウルさんの口から語る事がある事を願おう…