艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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254話 償いの朝(5)

「あら、ラバウルさん‼︎大丈夫なの⁇」

 

「私は大丈夫です。お願いです、マリナと話をさせて下さい」

 

「はるちゃん、どうする⁇」

 

「まぁ、本人が言うならいいダズル」

 

マリナは地に降ろされ、縄を解いて貰った

 

「ヒィー‼︎」

 

マリナが向かった先には、ラバウルさんが待ち構えている

 

マリナは咄嗟にラバウルさんの足にしがみ付き、ラバウルさんのズボンを天ぷら粉まみれにする

 

「タスケテ‼︎」

 

あの日と同じ言葉を聞き、ラバウルさんは優しく微笑み、天ぷら粉まみれのマリナの頭を撫でた

 

「畏まりました。二度と同じ過ちは犯しません。貴子さん、私にこの子を任せて頂けませんか」

 

「貴方がそう言うならっ‼︎」

 

「マリナ」

 

この日、ラバウルさんは不触の誓いをようやく解いた

 

マリナの手を握り、あの日と同じ青い瞳を見つめ返す

 

「ごめんなさいと言う言葉では、あの日の罪を贖う事は叶わないでしょう…」

 

ラバウルさんの言葉に、マリナはジッとラバウルさんを見つめ返す

 

「貴女に手を下した私の言葉なんか信用ならないと思います…ですが、もう一度、私にチャンスを頂けませんか…」

 

「…タスケテクレタンデしょ⁇マリナのムラニバクだんオトシタノモ、タスケテクレルタメデショ⁇」

 

「嘘偽りなく、貴女に全てを伝えます‼︎何度だって貴女に弁解します‼︎だから…」

 

珍しく、ラバウルさんが声を荒げ、涙を流した

 

その姿を、そこにいた全員は目に焼き付けていた

 

ラバウルさんにとって、”あの日”がようやく終わりを迎えた瞬間を…

 

「ミンナ、アノママだとシンダンデショ⁇」

 

マリナの言葉に、ラバウルさんは無言で頷いた

 

そして、首を上げた時に気付く

 

マリナの首に、傷跡があるのを

 

「これから貴女を守ります…だから…」

 

「モウいいよ…ダッタラ、コレアラッテよ‼︎」

 

マリナは天ぷら粉まみれになった体を、ラバウルさんに見せた

 

「…勿論です‼︎」

 

「良かったわね‼︎」

 

「ア、アンタハキライ‼︎」

 

「口の悪い子は天ぷ…」

 

「オネエサンハ、コジンテキニイケスキマセン‼︎」

 

何処で覚えたのか、マリナは丁寧語で貴子さんを嫌いと伝えた

 

「そっ⁇でもいいわ⁇じゃあマリナちゃん、約束したげるっ」

 

「ヒィ‼︎」

 

貴子さんはマリナの前に屈んだ

 

「今度、貴女を護ってくれる剣士さんと一緒に、私達の基地に遊びにいらっしゃい⁇その時、本当に美味しい天ぷらと唐揚げをご馳走するわ⁇」

 

「テンプラニシナイ⁇」

 

「うんっ‼︎約束するっ‼︎」

 

「ワカッタ‼︎アソビニイク‼︎」

 

「さぁっ‼︎天ぷら粉を洗いに行きましょう‼︎健吾、マーカスにジャーヴィスさんの服を一式貸してもらえるように要請して下さい」

 

「何に使うんですか⁉︎」

 

ついツッコミを入れてしまう健吾だが、ラバウルさんの答えは至ってまともなものだった

 

「マリナの着替えですよ。体格、身長、バストウエストヒップ、大体がジャーヴィスさんと一致してますのでね」

 

「あ、はい…」

 

マリナと手を繋ぎ、ラバウルさんはお風呂へと向かって行く…

 

「見ただけで大体把握か…あれでこそキャプテンです。うんうん‼︎」

 

「ラバウルサン、チイサイオンナノコスキ‼︎」

 

「彼はあぁじゃないとねっ‼︎」

 

その場にいた全員が、いつもの重度のロリコン患者に戻ったのを確信した…

 

 

 

 

スカイラグーン、露天風呂

 

「マリナはお家は何処ですか⁇」

 

マリナの髪を洗いながら、ラバウルさんはマリナと話す

 

「オウチナイよ〜、ズ〜ットボールのなかニイタの」

 

「では、私の所に来ますか⁇」

 

「ウン、そうする〜‼︎」

 

最後にお湯をかけ、ようやく天ぷら粉まみれの体が綺麗になった

 

綺麗なクルクル巻きの金髪

 

成長途中の体

 

いつものラバウルさんなら、飛びつきそうなボディが目の前にあるが、今のラバウルさんは、少女としてではなく、マリナとして見ていた

 

本来、マリナはまだまだ甘えたい盛り

 

ラバウルさんに抱っこされ、露天風呂に浸かる

 

「貴方、お名前は⁇」

 

「私の名前は”エドガー・シューマッハ”です」

 

「じゃあシューちゃんね‼︎」

 

「構いませんよ。貴女が呼んで頂けるなら、なんだって」

 

「私はね、本当の名前は”ジェーナス”って言うのよ⁇」

 

「ジェーナス…良い名前です」

 

互いに本当の名前を言い、数分間露天風呂に浸かる

 

ラバウルさんの本名を知る人物は本当に少ない

 

唯一知っているのは、パパぐらいしか居ない

 

彼は今は亡き国の産まれであり、国亡き後、名前を捨てて今日まで来た

 

そのお話は、いつかラバウルさんの口から語る事がある事を願おう…

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