艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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題名は変わりますが、前回の続きです


256話 はまかぜのミーム

「あかしゃん‼︎」

 

「ふきふきちましぉ〜え‼︎」

 

「頑張ったわね、タカコ‼︎」

 

「なん…だと…」

 

食堂の光景を見て、アークの様な口調になる

 

貴子さんは相変わらずグッタリしているが、ひとみといよの手元、そしてローマの目線の先には赤ちゃんがいる

 

「ひとみちゃん、いよちゃん。赤ちゃん泣いてる⁇」

 

「ないてない‼︎」

 

「こっちみてう‼︎」

 

赤ちゃんはひとみをジーッと見て入る

 

「泣かないのはマズイわ…ちょっとだけ、ゆ〜っくり、ペチペチしてみて⁇」

 

「あ〜んあ〜んいいなしゃい‼︎」

 

「え〜んえ〜んちなちゃい‼︎」

 

ひとみといよは両サイドから赤ちゃんの頬をつつく

 

それでも赤ちゃんは泣く事はなく、ひとみといよを交互に見ている

 

「あっ‼︎」

 

「はなちなしゃい‼︎」

 

挙句の果てにはひとみといよがつついていた指を手に取る始末

 

「れきましぇん‼︎」

 

「むいれす‼︎」

 

流石のひとみといよも赤ちゃんを泣かすのは無理みたいだ

 

「鎮痛剤、要らないな⁇」

 

「マーカス君。ありがとうね⁇」

 

「楽な出産だったわよ」

 

「すぽ〜んてれてきた‼︎」

 

「はあかった‼︎」

 

出産はよっぽど早かったみたいだ

 

見る限り、赤ちゃんも元気な様子

 

「おはよう…」

 

ようやく寝惚け眼の隊長が起きて来た

 

「おぉ…レイ…子沢山だな…」

 

隊長はまだ自分の子供と気付いていない

 

しかも俺の子だと勘違いしている

 

「コーヒー飲んだら抱っこさせてくれ…」

 

「分かった」

 

隊長はキッチンに向かい、コーヒーを淹れ始めた

 

「おなまえ、あににすう⁇」

 

「たかこしゃんじぅにあ⁇」

 

「そうか…貴子の子か…‼︎」

 

隊長が鼻からコーヒーを噴き出した

 

隊長が物凄いむせる中、目線は俺を向いている

 

「レイっ…わだっ、わだしのごか⁉︎」

 

むせる+驚き+焦りで隊長の言葉は変になる

 

「コーヒー飲んでからでいいさ‼︎そっ、隊長の子さ‼︎」

 

ローマに抱っこされ、隊長の所に来た赤ちゃん

 

「そうかそうか‼︎そうか…」

 

赤ちゃんの頬を撫でながら、隊長はポロポロ涙を零す

 

「たいほうはまだ起きてないのか⁇」

 

「まだ6時だ」

 

「おぉ…」

 

子供達が起きて来るのは大体7時

 

ひとみといよがいつも早いだけだ

 

「おんなおこ‼︎」

 

「ウィリアム⁇次は私が付けさせて⁇」

 

「勿論さ。貴子、よく頑張ったな⁇」

 

「うんっ…」

 

その後、貴子さんはきそが呼んだ高速艇で赤ちゃんと共に横須賀に搬送され、検査を受けた

 

 

 

 

「兄さん」

 

「なんだ⁇」

 

「朝ごはん、私が作るわ」

 

「しまった…忘れてた…」

 

そう

 

基地ではほとんど貴子さんが料理をしている

 

その貴子さんが基地を離れた今、料理が出来る連中で凌がなければならない

 

「ふっふっふ…私にお任せを…」

 

胸の下で腕を組み、不敵に微笑む子が一人

 

「この私に掛かれば貴子さんと同じ質の物を作れます。ふっふっふ…」

 

「はまかぜ…」

 

いつの間にか起きていたはまかぜがそこに居た

 

「キャラ変わったな…」

 

「参ります‼︎」

 

はまかぜがキッチンに立った‼︎

 

「おはよう…」

 

たいほうも起きて来た

 

「はまかぜだ…あさごはんぐらたんかな⁇」

 

目を擦りながらも、たいほうはキッチンに立つはまかぜを見て朝ごはんはグラタンと言う

 

はまかぜのグラタンは相変わらず絶品であり、グラタンであっても何ら問題はない

 

「グラタンじゃないです。見ていて下さい、たいほうさん‼︎」

 

キッチンで”ジュワー”と音がしている時点でグラタンではない

 

「ママは⁇」

 

「たいほう。貴子はな、赤ちゃんと一緒に横須賀に行ったんだ‼︎」

 

「あかちゃんうまれたの⁉︎たいほうのいもうと⁉︎」

 

「そうだっ‼︎」

 

隊長の言葉を聞き、たいほうの顔が明るくなる

 

「やったね‼︎」

 

ここ最近、妹の様な存在が増えたたいほうにとって、もう一人増えるのは今更の事の様だが、家族が増えるのは嬉しいみたいだ

 

「出来ました‼︎」

 

猛スピードで食卓に並んで行く、目玉焼きとベーコン、そしてトースト

 

「貴方達はこっちです‼︎」

 

たいほう達子供組には、コーンフレークとウサギのリンゴ二つ

 

「たかこしゃんのすきなごはんあんれすか⁇」

 

「こ〜んふえ〜くちあうな‼︎」

 

何かを言ってケラケラ笑うひとみといよ

 

「はまかぜは食べないのか⁇」

 

「後一人います」

 

「照月か…」

 

霞やれーべ達子供組もゾロゾロ起きる中、照月だけが起きて来ない

 

「おかしいな…いつもなら貴子の朝ごはんの匂いで起きて来るんだが…」

 

「秋月、少し見て来ます‼︎」

 

「頼んだ」

 

隊長に進言し、秋月が照月を見に行った

 

一分もしない内に、秋月は帰って来た

 

「照月がいません‼︎」

 

「「なんだと⁉︎」」

 

いつもの照月なら、誰かに行き先を必ず伝える

 

今回それが無いため、全員が不安になった

 

「横須賀に連絡しよう‼︎」

 

隊長は無線、俺はタブレットを手に取った

 

「ん⁇」

 

朝方忙しかったので、タブレットを触っていなかった

 

今見ると、タブレットに一件通信が入っている

 

 

 

照月、今日は朝ごはんはタウイタウイモールで食べるね‼︎

 

お昼くらいにお家に帰るね‼︎

 

 

 

 

「隊長。タウイタウイモールにいるらしい」

 

「なら良かった…」

 

すまない照月。ちゃんと連絡してくれているのに…

 

いつもならこんなヘマは無いのだが、流石に貴子さんがこうなると俺もテンパる

 

「貴子さんに色々と聞いていますので、お腹が空いたらはまかぜに言ってください」

 

「マジで助かる‼︎」

 

「これからは頭が上がらないな…」

 

「ひとみ、あんかとってくう‼︎」

 

「でかいざいがに‼︎」

 

「待って下さい。はっちゃんも行きます」

 

「しおいもい〜こお‼︎レイ、貴子さんのお祝い、サメでいいかな⁇」

 

ひとみといよがはっちゃんと準備する中、しおいは一本銛を

 

「ここ最近見かけないな…まだいるのか⁇」

 

「しおんと倒して来るよ‼︎待ってて‼︎」

 

しおいはそのまま海へと行ってしまった

 

はっちゃん達も行ってしまい、いよいよ手持ち無沙汰になる

 

「こういう時はだな。男は黙ってるもんさ」

 

「そっ。いつもと変わらず過ごせばいい。やれる事はやったさ」

 

隊長は新聞、俺はソファーで二度寝

 

出産は何度も経験しているので、男が無力なのも重々分かっている

 

誰かが帰って来るまで、こうして横になっていればいい…

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